国家総合職 合格体験記
人事を尽くして天命を待つ
藤原 萌々子さん
プロフィール
内定省庁 | デジタル庁 |
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出身校 | お茶の水女子大学 文教育学部 |
コース | 1.5年法律本科生 |
受験区分 | 大卒程度 教養区分 |
- 国家総合職を目指した理由・キッカケ
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コンサル/ベンチャー/NPOにできないこと
いわゆるソリューションビジネスに触れる機会もあったのですが、むしろ彼らは市政のいちプレイヤーに過ぎず、ルールや場、環境を形成する行政側が誤っていても、対症療法になりがちな点に目が行きました。もともと、みんなが毎日、少しだけマシな明日を迎え続けていくことに、自分が何か貢献できるのなら嬉しい、と考えていたので、そのための最有力手段として国家総合職が重要候補になりました。
- TAC・Wセミナーを選んだ理由・良かったところ
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「あわよくば秋試験で」にぴったり
主専攻は日本美術史で、どの区分を選ぶにせよ未知の領域でした。そのため、「できることなら教養区分で受かっておきたい」という考えがあり、カリキュラム上でも専門科目への対策だけでなく、基礎科目にも相応の時間数を割いていたTACを選びました。実際に、専門科目で他の志望者を超えられなくても、基礎科目の問題でアドバンテージを作ろうという戦略で勉強していたところ、思いがけず秋試験で合格できました。また、「1.5年本科生」というコースがあったことも大きいです。専門科目をいちから勉強することへの不安もあり、早期に始めたかった一方、本格的に志望を固めたときには2年コースに追いつくには辛そうな時期になっていました。それでも一般的な志望者より先取りできているはず、という安心感のおかげで、落ち着いて対策に取り組めました。
- 所属校舎または講師のおすすめポイント
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最強の自習ツール
ものぐさなため、結局一度も来校せず、完全に通信で受講しました。模試も含めて完全在宅でも受講できること、追加料金なしのサポートも充実していたことがありがたかったです。通信での受講でもフォローは手厚く、時間指定予約制の担任面談が気軽に利用できたり、直前期には、オンラインでも同じ省庁を志望する人同士が集まって官庁訪問対策ができる機会が提供されたりするので、取り立てて不利であると感じたことはありません。日常の勉強では、講義動画を2倍速で「ながら聞き」していましたが、そのおかげでなじみのない概念にも無理なく慣れていけました。講義自体も、特に数的処理や憲法・民法が顕著ですが、対策テキスト類を読めばわかる「情報」ではなく、法律の考え方や理解の枠組み、思考の道筋といった「知識」が凝縮されたものになっています。自習の難点がかなり克服される印象があり、自分の勉強のペースが確立していて、自由に頑張りたいという人には、とても向いていると思います。
- 教養試験対策
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「あたりまえ」の質
通信での受講なら特に、「普通に」勉強した、というのがどのくらいか、というのに大きな個人差があることは要注意だと思います。私の場合、数的処理は「苦手だからちゃんとやった」という感じですが、講義を視聴後、一通り講義で扱った範囲の問題をすべて解き、その後全体を何周も解きました。動画は倍速で5周はしていて、間違えた問題はノートにまとめて完全に理解するように努めていました。逆に地歴は「いまいち身が入らなかった」分野ですが、高校の教科書をおさらいし、授業を4度ほど流し聞いて、問題集も2周はしています。これをやりすぎと思うか足りないと思うかも人それぞれかとは思いますが、その差は大きいかもしれません。蛇足ですが、恥ずかしながら腕試しのつもりだったため、論述試験については模範解答に目を通した程度で特攻しました。それでも評価は悪くなかったので、たとえノー勉だろうと受けてみる価値はあると思います。
- 省庁インターンについて
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全落ちしても諦めなくていい
2・3年次は複数省庁のインターンシップに申し込みましたが、全部落ちました。しかしながら、それで特段不利になったという印象はありません。顔を売る機会なら、鋭い質問をした、ワークショップで面白い指摘をしていた、というほうがよほど効果的な印象があります。インターンで落とされた省庁からも、その後の説明会等終了後に個人宛に連絡が来て、繰り返し個別説明会をセッティングしていただけました。また、採用担当者との間でインターンが話題にのぼったときも、なぜ参加してくれなかったのかと逆に聞かれたほどなので、インターンシップでの選考にさえ落ちるのだから、官庁訪問では猶更落ちる、とは思わなくてよいのではないかと考えます。
- これから受験する人へアドバイス
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楽しんだ者勝ち!
少し見方を変えれば、志望者というのは、程よく「お客さん」として勉強させてもらえる立場でもあります。知的好奇心や探求心はこれ以上なく満たされますし、知らなかったことを知り、多様な価値観のぶつかり合いを突き付けられ、職員の方に挑戦的な「思考実験」を投げつけられる素敵な機会です。省庁で行われるイベントもさまざまありますが、えてして適切なマッチングのための場というのはもちろん、たとえ自省庁に入らなかったとしても、同じ霞が関で一緒に働くことになる若手として育ててくださろうとしていることが強く感じられます。自己成長が好きな人にはたまらない環境だと思います。無事に入省(庁)したときのためにも、盛れるバフは盛っておいたほうがいいはずです。「なんとかなるはず」ではなく、「なんとかする」の精神で、悔いのないように取り組んでいただければと思います。