現役官僚インタビュー 国土交通省
我が国の将来像を見据え、自ら考え、動く仕事
淺野 北斗さん
Hokuto Asano 観光庁総務課 総括補佐
入省後の略歴と職務内容
・2011年 鉄道局総務課係員
東日本大震災からの鉄道復旧・リニア新幹線に係る法制を担当
・2012年 (現)不動産・建設経済局不動産市場整備課係員
G20で合意された国際基準に基づく不動産価格指数を開発。国際基準の策定にあたり、IMF等との調整。
・2014年 (現)不動産・建設経済局不動産業課係長
不動産業に関する法律・予算・税を担当。不動産のネット取引緩和に向けた関係者との調整。
・2015年 スタンフォード大学留学
イノベーション創出、安全保障等幅広く学ぶ。
・2017年 内閣官房事態室課長補佐
国民保護法を担当。度重なる北朝鮮のミサイル発射に即時即応で対応。
・2019年 観光庁国際関係参事官室兼MICE室兼G20観光大臣会合準備室総括補佐
北海道で開催したG20観光大臣会合を担当。20か国以上と調整し、大臣宣言を取りまとめ。
G20後は、国連世界観光機関の条約批准を担当。
・2020年 観光庁観光戦略課総括補佐
官邸で開催する観光戦略実行推進会議等を担当し、コロナ禍での観光戦略を立案。
・2021年 不動産・建設経済局不動産業課課長補佐
不動産業に関する法律・予算・税を担当。事故物件からブロックチェーン活用まで幅広く担当
・2022年 観光庁総務課総括補佐
観光に関わる予算の取りまとめを担当。
Q1 国家総合職(入省先)を志した理由を教えてください。
<国家公務員総合職の志望理由>
我が国には、経済成長、社会保障、安全保障など喫緊で取り組むべき様々な課題があります。学生時代に、国家公務員となった先輩と議論する中で、私も我が国の経済・社会の発展に広い視野を持って携わりたいと考え、国家公務員を志望しました。
<国土交通省の選択理由>
大学時代から現在まで地域活性化の活動に携わっており、これからの地域は海外との関係を深めることで地域経済を発展させていく必要があると考え、地方と国際の両面に関わりたいと考えました。また、自分の性格上、プライベートでの地域活性化の活動等を基に、自ら具体的な施策を立案し、実現させたいとの思いを持っていました。その上で、経済面以外でも政策を実現できることも踏まえて、国土交通省を選択しました。
Q2 今まで経験されたお仕事で、最も心に残っていることはなんですか?
以前にも観光庁にいたことがあるのですが、その際の2年3カ月は非常に濃密な時間でした。最初のG20観光大臣会合は、我が国で初めてのことで、日本こそが出来る世界への貢献という視点から、企画立案を行いました。G20での観光スタートアップピッチコンテスト等の企画を立ち上げつつ、大臣宣言案を起草、各国と調整を行いました。会合直前には、某国と個別に調整する等、ギリギリまで調整を行いました。また、その後は、コロナ禍で急激に観光が落ち込んだタイミングで、観光戦略課に異動しました。コロナ禍での観光戦略立案のため、様々な方にお話を伺いながら、省庁の垣根を越え、既存事業にとらわれず、日々アイデアを出し続け、観光戦略を策定しました。「真に必要な政策は何か」考え抜く、非常に楽しい時間でした。
Q3 これから取り組みたいお仕事はどんなことですか?
我が国の安全保障環境は急速に変化しており、海上保安庁等の安全保障関係の業務に関心を持っています。また、観光など地域経済に関わる仕事に引き続き取り組みたいと考えています。
Q4 キャリアをめざす受験生へ熱いメッセージをお願いします。
厳しい財政状況、他国との競争、少子高齢化、変化する安全保障環境など、我が国の将来像自体から考え、政策を立案する必要があります。我が国の経済・社会の発展のため、国家公務員にしかできない仕事があると思います。皆さんと一緒に働けることを楽しみにしています。