現役官僚インタビュー 国土交通省
チームワークで乗り越える

内波 聖弥さん
Seiya Uchinami 物流・自動車局物流政策課/総括課長補佐
入省後の略歴と職務内容
・2013年 港湾局総務課 係員
港湾局関係の法令や組織改正を担当
・2014年 港湾局港湾経済課 係員
国際戦略港湾や港湾運送業を担当
・2015年 大臣官房地方課公共工事契約指導室 企画係長
公共工事の入札制度を担当
・2017年 鉄道局総務課 法規係長
高速鉄道など海外のインフラ事業に日本企業が参入しやすくするための新法制定
被災した鉄道路線の復旧を促進するための鉄道軌道整備法の改正を担当
・2018年 大臣官房総務課 法規係長
省内の法令審査を担当、自動運転を位置づけるための道路運送車両法改正を担当
・2019年 UCSD留学
計量分析や経営学など幅広く学ぶ、公共政策修士を取得
・2021年 総合政策局物流産業室 総括課長補佐
倉庫業やフォワーダー等物流産業を所管、予算や税制を担当
・2022年 物流・自動車局物流政策課 総括課長補佐
物流関係の法令や予算を担当。
荷主を所管する経産省や農水省と共同で有識者検討会を立ち上げ物流関係の制度改正や支援措置を立案
公務員試験 国家総合職 デジタルパンフレットを閲覧する
Q1 国家総合職(入省先)を志した理由を教えてください。
私は元々研究職志望だったのですが、「グローバル競争下における造船業の立地調整と産業集積」をテーマに卒論を書いているときに、愛媛県今治市で巡検(フィールドワーク、現地調査)を行った際、造船業に関連する事業者の方々にお話を聞かせていただく中で、政府でないと解決できない問題があるといわれ、国家公務員が担う役割の重要性を改めて痛感し、国家公務員を目指しました。その中でも、幅広い業界を担当していて、色々な分野の仕事ができ、また、官庁訪問で、先輩方からとても熱い話を聞かせていただき、同じ環境で働きたいと思ったため、国土交通省を選択しました。
Q2 今まで経験されたお仕事で、最も心に残っていることはなんですか?
現在進行形ですが、私がアメリカから帰国してから、物流の問題に取り組んでいます。今、トラックドライバーの時間外労働規制が適用されることにより、モノが届かなくなることが懸念されるという、いわゆる物流の「2024年問題」が社会問題となっています。トラック事業者や倉庫事業者等の色々な物流事業者にヒアリングを行い、何が課題かを洗い出し、課題を解決するために何が必要なのか、どのような対策であればみんなが納得するものになるか、ひたすら色々な事業者や有識者、関係省庁・部局に相談しながら考える日々を過ごしており、とても楽しいです。物流の効率化のためには、荷物を送ったり受け取ったりする側の「荷主」の協力が必要不可欠であるため、荷主を所管する経済産業省や農林水産省と共同で有識者の検討会を立ち上げることを提案し、その提案が実現したときは非常にやりがいを感じました。さらに、検討会で議論を進めていく中で、徐々にメディアで取り上げられるようになるなど、物流に注目していただけるようになり、岸田総理も出席する関係閣僚会議を立ち上げることにつながりました。省庁の垣根を越えて、団結して政策を実現していくことができて、とても楽しいです。このように、問題だと考えたことを、色々な人の知恵や力を借りながら、みんなで大きな運動にして解決に向かっていけるということは、国家公務員だからこそできることであり、やりがいを感じながら毎日がんばっています。
Q3 これから取り組みたいお仕事はどんなことですか?
観光は近年地域経済にとって非常に大事になってきているので、観光分野を担当してみたいと考えています。
Q4 キャリアをめざす受験生へ熱いメッセージをお願いします。
私は法律区分だったのですが、法学部ではなかったため勉強することが多く大変でした。説明会に参加したりして、モチベーションを高めるようにしていました。皆さんも各種イベントに参加するなどして、国家公務員として働く姿をイメージしながら、試験勉強等々がんばってください。
一緒に霞ヶ関で働けることを楽しみにしています!