現役官僚インタビュー 経済産業省
この国の繁栄をどこまでも現実的に考える

末政 憲司さん
Kenji Suemasa 大臣官房 秘書課 課長補佐(採用班長)
入省後の略歴と職務内容
・2012年 秘書課 課長補佐(採用班長)
新産業(IT/ヘルスケア/クールジャパン等)の創出に係る総合調整
・2013年 経済産業政策局 産業再生課【係員(法令)】
産業競争力強化法の立案/作成
・2014年 経済産業政策局 産業構造課【係員(企画)】
企業単位の規制改革(企業実証特例制度/グレーゾーン解消制度)の推進
・2014年 資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 原子力立地・核燃料サイクル産業課【係長(総括)】
震災後の原子力政策の再構築
・2016年 大臣官房 総務課【課長補佐(新政策/法令審査専門官)】
「経済産業政策の重点」の編成、法令審査
・2018年 出向:株式会社産業革新投資機構【ディレクター(経営企画/人事)】
投資ファンドの立ち上げ、投資戦略の策定、人事企画、ファンド投資
・2021年 留学:南カリフォルニア大学【国際公共政策学修士/経営学修士(MBA)】
各国の行政官とのネットワーク、ビジネスへの深い理解
・2023年 現職
総合職事務系の採用担当、採用チーム全体のマネジメント
公務員試験 国家総合職 デジタルパンフレットを閲覧する
Q1 国家総合職(入省先)を志した理由を教えてください。
私は「3つの共感」から経産省を志すに至りました。1点目は、ミッションへの共感です。様々な価値軸の中で就職先を検討する中で、「一度きりの人生、国を背負い、現実的に、社会をより良い方向に変革することにチャレンジしたい。」という価値軸が、最も譲れないものであり、この価値軸と経産省のミッションがピタリと一致しました。2点目は、カルチャーへの共感です。自分の人生観として、「自分のポテンシャルを最大限発揮できる環境に身を置き、顔の見える行政官になりたい。」という点があり、この点が経産省のカルチャーとも一致しました。3点目は、人への共感です。この人と働きたい、この人のようになりたい、という多くの先輩職員との出会いが、私の決断をより強く後押ししてくれました。
Q2 今まで経験されたお仕事で、最も心に残っていることはなんですか?
入省から早11年経ちましたが、すべての仕事が心に残っています。その中でも一つあげるとすれば、産業革新投資機構の立ち上げです。霞が関を飛び出し、ゼロから会社を創っていく経験は、すべてが刺激的で大きな糧となる経験でした。未来の日本を豊かにしていくために、未来の日本にとって重要なスタートアップや技術、イノベーションに向けて、リスクマネーの「流れを変える、流れを創る」という大きな国家プロジェクトであり、また、「ないものは創れば良い」という価値観を体現するものでもあり、まさに経産省のミッションやカルチャーが詰まった思い出深い仕事です。
Q3 これから取り組みたいお仕事はどんなことですか?
これまでに経験していない仕事にチャレンジしてみたいです。私はこれまで、4本の法案の作成や審査に携わったほか、産業横断的な経済政策/産業政策、あるいはエネルギー政策を経験してきました。今後は、個別の産業に着目して、その産業特有の課題にチャレンジしてみたい、と考えています。これまでのキャリアを通して得られた経験やスキル、ネットワークを総動員して、新たな課題にチャレンジしていくことが楽しみです。
Q4 キャリアをめざす受験生へ熱いメッセージをお願いします。
この国の真の繁栄とは何か。繁栄のために社会をどうデザインするか-。残念ながら正解はありません。経産省は複雑化する経済社会、多様化する価値観に向き合いながら、多義的な“豊かさ”を志向します。それぞれの職員が、それぞれの変えたい“原風景”を持ち、現場を駆けずり回りながら自ら課題を設定します。その解決のために、経産省の枠、官の枠、日本の枠すら超えて、関係者を巻き込んでいきます。経産省には、人材に惜しみなく投資する風土、新しい提案を受け入れる柔軟性、それを実現できるだけの実行力があります。そして何より、最前線で世の中を変えてきた、百戦錬磨の先輩たちがいます。社会を本気で変える気概を持った皆さんのチャレンジを待っています。