東京23区で公務員になる!特別区の仕事、試験、対策について解説

東京23区

特別区とは、東京23区のことを指し、独立した自治体として政令指定都市と同程度の機能を有しています。そうした特徴から、独自の部局も少なくありません。

そこで本記事では、特別区の仕事やめざす職員像、さらに平均年収や特別区職員採用試験の内容、試験対策について解説します。

1.特別区職員の仕事、キャリア

特別区とは、東京23区のことをいいます。
一般的な市町村と同じように、「基礎的な自治体」として位置づけられており、区民にもっとも身近な行政を担っています。 

主な業務案内 

主な課 業務内容
政策経営部 区の基本構想や総合計画などを策定し、その実現のため、予算編成、組織全体の進行管理、行政評価に取り組みます。
総務部 職員の人事、給与、福利厚生、研修などを通じて、職員がいきいきと働ける環境づくりに貢献します。
区民生活部 住民登録、国民健康保険、年金、税金など、区民の生活に密着した業務を行います。
保健福祉部 地域保健や生活衛生に関する業務を担当します。区民の健康を守り増進するため、さまざまな活動を行います。
環境清掃部 ごみの減量化やリサイクル、エコライフの提案など、循環型社会形成に向けた施策を実施しています。
まちづくり推進部

地域の景観を守りながら都市計画・再開発を通じて個性あふれるまちをつくることや、

道路や橋などを整備・管理することで区民が安心して利用できる都市の基盤づくりに携わります。

特別区の役割は、23の自治体が、それぞれの地域特性を活かした政策を推進し、区民の期待に応えることです。大都市東京の確かな未来をつくるために、常に新しい課題にチャレンジしています。
また、3年~4年程度を目安に異動があり、異なる分野の仕事をしていくため、異動はまさに転職のようなイメージです。公務員の仕事はつまらないのではと思っている方もいるかもしれませんが、そんなことは全くありません。社会貢献しつつ、幅広いキャリアを通じて自己成長も実現できる魅力的な仕事なのです。

2.特別区が求める人材像

特別区は、「自ら考え、行動する人材」を求めています。

1

人の思いを理解し、誠実に[聴く]。そうして、自分のことのようにまっすぐ向き合う。

2

向上心を持って、自ら[学ぶ]。そうして、自分をみがき、人として成長していく。

3

想像力、そして創造力豊かに、人々が笑顔になるための方法を[考える]。そうして、「私は、こう考えます」とポジティブに表現できる。

4

チャレンジする気持ちを忘れず、周りに働きかけて[行動する]。そうして、チームの中で自分の役割を果たしていく。

このような4つの視点がもとめられています。

3.特別区職員の平均年収

特別区職員の平均年収は約650万円!?

公務員は法律により身分を強力に保障されており、短期的な業績や経済動向に左右されることなく、長期的な視点に立ってじっくりと職務にあたることができます。
特別区職員(豊島区)の場合、平均年収668万円(平均年齢43.5歳)※1で、民間企業の平均443万円(男性545万円/女性302万円)※2と比べて高い水準となっています。

※1 特別区の平均年収はTACが独自に算出した事務職の推定額です。
平均年収=「月額支給される給料及び手当」×12+「年額支給される手当(期末手当・勤勉手当(ボーナス等)」/「月額支給される給料及び手当」=給料+各種手当(扶養手当、通勤手当等)[参考資料]特別区職員 給与等実態調査報告書(令和4年度)
※2 [参考資料]国税庁民間給与実態統計調査(令和3年度)

4.特別区職員の採用試験

特別区職員採用試験は、年齢によって採用区分が変わります。ここでは大学生の方で事務・行政で受験する場合について解説していきます。
大卒以上のレベルの採用区分として、特別区Ⅰ類があり、試験内容は、教養択一試験、専門試験、論文試験、口述試験です。

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Ⅰ類(事務)受験資格・試験内容・スケジュール

Ⅰ類は大卒レベルを想定した試験で、試験区分によって入庁後の主な配属予定先が分かれています。
このうち事務での受験を前提に受験資格、試験について詳しくみていきましょう。

例)令和6年度

受験資格:日本国籍を有する人で、採用年の4月1日時点で22歳以上から32歳未満の人

内容 実施時期 詳細
出願

3月8日(金)10:00

~3月25日(月)17:00

第2次試験(口述試験)で参考資料として使用する「面接カード」も申込時に入力をします。
第1次試験 4月21日(日)9:30~16:45(予定)
・教養試験(択一式、120分、48問中40問選択解答)
…一般教養についての五肢択一式の試験を実施します。

・専門試験(択一式、90分、55問中40問選択解答)
…一般行政事務に必要な基礎知識についての五肢択一式の試験を実施します。

・論文試験(記述式、80分、2題中1題選択解答)
…課題式の試験を実施します。
第1次合格発表 6月14日(金)10:00
第2次試験

7月8日(月)~7月18日(木)の間で指定する1日 

・口述試験
…人物及び職務に関連する知識等についての個別面接
最終合格発表 7月30日(火)10:00
試験内容
  • 第1次試験
    教養試験

    120分で、48問中40問を解答する択一式の試験です。主に高校までで学習した分野が出題されます。出題分野は以下の通りです。
    【出題分野】
    知能分野(28問必須解答)…文章理解、英文理解、判断推理、数的処理、資料解釈、空間把握
    知識分野(20問中12問選択解答)…人文科学4問(倫理・哲学、歴史、地理)、社会科学4問(法律、政治、経済)、自然科学8問(物理、化学、生物、地学)、社会事情4問

  • 第1次試験
    専門試験

    90分55問中40問を解答する択一式の試験です。大学で学習するような高度な専門的知識が出題されます。出題分野は以下の通りです。
    【出題範囲】
    憲法、行政法、民法①[総則・物権]、民法②[債権・親族・相続]、ミクロ経済学、マクロ経済学、財政学、経営学、政治学、行政学、社会学

  • 第1次試験
    論文試験

    特別区が抱える社会・経済問題などの一般的な課題について、自分の考えを手書きで論述することが求められます。解答時間は80分、文字数は1,000字以上1,500字程度です。

  • 第2次試験
    口述試験

    出願時に提出した面接シートに基づき、職務に関連する専門知識及び人物についての個別面接を行います。
    個別面接の冒頭では必ず面接カードの1番目の記入項目である『あなたが特別区でどのような仕事に挑戦したいか、あなたの強みと志望動機も含めて具体的に記入してください。』について、受験者が3分間でプレゼンテーション(口頭による説明)を行うことになっています。その後、プレゼンテーションの内容に関する質疑応答が行われ、その他の記入項目に関する質疑応答に移っていきます。

  • 最終合格後

    人事院面接の後に、最終合格者は全員、いずれかの区へ高得点順に提示され、採用面接を受験します。23区ごとに行われる面接を経て正式に内定が決まります。

5.特別区職員採用試験の倍率、難易度

公務員試験の難易度を図る指標として倍率があります。全都道府県の事務系の試験倍率と比較することで特別区採用試験の難易度を知ることができます。

試験結果

- 採用予定数 受験者数 最終合格者数 倍率
2022年 983 8,417 2,308 3.6
2023年 1,181 7,668 3,013 2.5
2024年 1,312 6,868 3,035 2.3

参考/2021年 都道府県・政令市 大卒事務系試験 実施状況

- 受験者数 最終合格者数 倍率
2021年合計 39,821 8,460 4.7

このように年によって倍率が異なることもありますが、過去の試験結果からおおよその「目安」は把握できます。一般的に公務員試験の合格ラインは、教養試験、専門試験ともに約6割とされています。

もちろん、この数字はあくまで目安です。受験者のレベルが高い年には、合格ラインがこれよりも高くなる可能性があります。しかし、このように目安の点数や合格ラインばかりを気にして、勉強に集中できないことは避けるべきです。

まずは集中して勉強を進めたうえで「あとどのくらい得点できれば合格の見込みがあるのか」などの目安にしてください。

6.特別区職員採用試験の対策

ここまで試験について解説してきました。「やることが多いな」という印象を持たれた方は多いのではないでしょうか。

公務員試験はまさにその通りで、他の就職試験や資格試験と比べて科目が多いというところに特徴があります。しかし、科目によって出題数や配点ウエイトが異なることから学習にメリハリをつけることで効率的に合格を目指すことができます。

ここでは特別区の試験対策について解説していきます。

筆記試験

択一

教養択一試験

教養択一試験は出題科目が多いため、出題数の多い科目から優先的に勉強を始めていきましょう。48題のうち40題を選択して回答することが可能ですので、高校までに全く習ったことのない科目で出題数の少ないものについては勉強をせず、他の勉強に力を入れていくというもの一つのポイントです。

択一

専門試験

専門試験は出題科目が多いものの、55題のうち40題を1問1問自由に選択できるため、難易度が低いものや自分の得意科目から解答をすることがポイントです。満遍なく学習を進めながら、自分の得意科目に集中してより勉強を進めることも一つの取り組み方となっています。

論述

論文試験

論文試験は提示された複数の資料(新聞記事や統計資料)をもとに、区政が抱える課題についてどのような取り組みを進めるべきかを1,000以上1,500字程度で書いていく必要があります。ご自身の書いた論文を客観的に見てもらえるような環境を用意することが重要です。

人物試験

面接

口述試験

口述試験は面接が中心になりますのでガクチカと区政の政策研究はしっかりと進めるようにしていきましょう。3分プレゼンの準備も忘れてはいけません。自分がどのような人間なのか分析したうえで、3分という長さで簡潔に自分をPRし、相手に伝える練習をする必要があります。

7.まとめ 特別区職員になるには?

いかがでしたか?特別区の職員になるための試験は、筆記試験対策、面接対策などいろいろなことを準備していく必要があります。その反面、他の公務員試験と重複する部分が多いことや教養試験対策は民間就活のSPI対策にもなり、将来の選択肢を広げることができますので、特別区の採用試験を受験してみませんか。

本記事を担当させていただいた私どもTAC公務員講座は、特別区Ⅰ類であれば合格者の3.0人に1人が私どもTACに通っており他の試験種を含め高い合格実績を誇っています。なぜこれだけ高い合格実績が出せるのか一度無料講座説明会や無料体験入学にご参加ください。しつこい勧誘など一切しませんのでお気軽にご参加いただけたらと思っています。

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