行政書士試験│科目別対策や試験内容をわかりやすく解説

行政書士試験│科目別対策や試験内容をわかりやすく解説

行政書士試験には大きく分けると2つの科目があり、さらに複数の出題内容が含まれています。難易度や特徴の違いなどがあるため、それぞれに合わせた試験対策をすることが大切です。

今回は、行政書士試験の科目合格基準対策などを解説します。ぜひ参考にしてください。

行政書士試験の科目は大きく2つにわかれる

行政書士試験│科目別対策や試験内容をわかりやすく解説

行政書士は、国民にもっとも身近な「街の法律家」といわれる存在です。そのような行政書士になるための国家資格を取得する試験の科目は、大きく分けると以下のとおり2つあります。

  • 「行政書士の業務に関し必要な法令等」科目
  • 「行政書士の業務に関連し必要な基礎知識」科目

法令等に関するもののほうが扱う内容が多く、行政書士試験のメインとなる科目です。それぞれの科目を確認していきましょう。

※なお、基礎知識は、今までは「行政書士の業務に関連する一般知識等」(政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解)でしたが、令和6年度の行政書士試験より「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」(一般知識、行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令、情報通信・個人情報保護、文章理解)に変更されることが試験センターより発表されています。

1.「行政書士の業務に関し必要な法令等」科目

業務遂行のために必要となる、法律の知識を学ぶ科目です。法令の内容は、試験実施年度の4月1日現在で施行されているものが出題されます。

「行政書士の業務に関し必要な法令等」科目の出題形式は、5肢択一式(40問)多肢選択式(3問)記述式(3問)の3つです。総得点の配点における80%以上が法令科目であるため、この科目でしっかりと点数を取る必要があります。

2.「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」科目

試験では、行政書士業務に関する基礎知識も出題されます。基礎知識の科目の配点は低いものの、この科目で4割以上(14問中6問以上)の得点ができないと不合格になってしまうため、取りこぼしのないように注意しましょう。

この科目の出題形式は5肢択一式のみで、14問が出題されます。

行政書士試験│科目別合格基準

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行政書士試験には明確な合格基準があるため、ほかの受験者のレベルにかかわらず 合格基準点以上得点できれば合格可能です。行政書士試験の科目別の合格基準点は、以下のとおりです。

  • 「行政書士の業務に関し必要な法令等」の科目の得点……244点中122点以上
  • 「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」の科目の得点……56点中24点以上

さらに科目別だけではなく、試験全体での合格基準点も設定されています。合格基準を満たすためには、試験全体の得点の6割にあたる、300点満点中180点以上を得点する必要があります。

参考: https://gyosei-shiken.or.jp/pdf/basis.pdf

※なお、基礎知識は、今までは「行政書士の業務に関連する一般知識等」(政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解)でしたが、令和6年度の行政書士試験より「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」(一般知識、行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令、情報通信・個人情報保護、文章理解)に変更されることが試験センターより発表されています。

行政書士試験 	合格実績

「行政書士の業務に関し必要な法令等」科目別対策

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それでは、行政書士試験の科目別に試験対策を解説します。出題内容は、「憲法」「行政法(行政法の一般的な法理論・行政手続法・行政不服審査法・行政事件訴訟法・国家賠償法・地方自治法が中心)」「民法」「商法」「基礎法学」です。実際にはさらに多くの法律がありますが、行政書士として必要となるもののみに絞られています。

効率よく学習を進めるには、民法・行政法・憲法・商法・基礎法学の順番で進めていくのがおすすめです。民法と行政法が最重要科目で、法律知識がない初学者でも、ポイントを理解して勉強すれば十分合格できます。それぞれの科目別の対策を確認していきましょう。

民法

民法は、条文に加えて判例も多く、学習範囲が広いのが特徴です。そのため、条文判例の双方に焦点を当てて、学習を進めていきましょう。学んだ内容は身近な事例に当てはめてインプットすると、理解度が深まって効果的です。

さらに、事例問題でアウトプットすることによって、実戦的な知識を身につけられます。民法の科目の難易度は高いものの、配点が大きいため避けることのできない科目です。しっかりと学びましょう。

行政法

行政法は試験の重要科目です。300点満点中112点を占めており、行政法の得点が試験の結果に大きく左右するといえます。

憲法や民法よりもなじみの薄い法律用語が多いため、文章自体の意味が理解しにくいといえます。法律用語の意味を一つひとつおさえていくようにしましょう。

内容的には行政の運用ルールであるため、条文知識が中心です。学習量に比例して得点が伸びやすく、また配点も大きいため学習効率の最も良い科目といえます。内容そのものの難易度は高くないため、難解な法律用語にひるまずに、理解よりも覚える科目として学んでいきましょう。

憲法

すべての法律や司法、行政の指針を示すものが憲法であり、正しく理解するべき科目だといえます。憲法の科目の配点は大きくないものの、比較的難易度は低いです。そのため、民法と行政法に次ぐ、第3の科目と位置づけられています。

対策としては、人権分野は判例を、統治分野は条文を中心に学習を進めると良いでしょう。なお、人権分野とは国民の自由や権利を定めたもので、統治分野とは国家の運営について定めたものです。

商法(会社法含む)

商法や会社法は、出題範囲が広いうえに出題が少ない分、過去問のデータが乏しくて対応の難しい科目です。行政書士試験のなかでも特に難易度が高いといわれている科目で、配点が高くないため後回しにしてしまいがちです。

しかし、会社法含む商法の科目として出題される5問のうち、商法と、会社法の中の設立と株式の2問程度は基礎的な問題が出されますから、全てを捨てるのではなく、得点しやすいところだけを押さえていくことがポイントです。商法と、会社法の設立と株式の基礎をしっかりと押さえておくようにしましょう。

基礎法学

基礎法学の科目は、出題範囲が広くて難易度が高いうえに、配点が少ないのが特徴です。そのため、時間をかけて取り組んでも得点に結びつきにくく、学習効率はとくに低いといえます。基礎法学の学習は、過去問演習のなかで出題傾向をつかんでいく程度にして、そのほかの科目に力を注ぐようにすると良いでしょう。

「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」科目対策

行政書士試験│科目別対策や試験内容をわかりやすく解説"

続いて、「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」の科目を学習するときの試験対策を確認していきましょう。出題内容は「一般知識」「行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令」「情報通信・個人情報保護」「文章理解」です。

基礎知識科目にも合格点が定められているため、基準点をクリアできるように学習を進めることが大切です。それぞれの科目の試験対策のポイントを確認していきましょう。

一般知識

一般知識は、従来の政治・経済・社会の分野で出題されていた内容を見ると、世界情勢や世界の政治体制、日本経済、社会保障や時事問題が出題される可能性があります

そのため、問題を予測して勉強範囲を絞り込むのは困難です。対策としては、問題集を解くのではなく、普段から新聞ニュースから情報をインプットする必要があります。

行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令

諸法令の中でも「行政書士法」は、「行政書士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、行政に関する手続の円滑な実施に寄与するとともに国民の利便に資し、もって国民の権利利益の実現に資することを目的」とした法律で、過去の行政書士試験にも出題されたことがあります。

独学では対策が取りづらい部分でもあるため、TACのような長年の受験指導歴があり、過去の本試験問題を分析して対策を取る予備校に任せるのも手です。

情報通信・個人情報保護

情報通信・個人情報保護の科目では、政治・経済の科目と違って過去問での演習が効果的な対策になります。徹底的に過去問をやり込んでおき、取れるところで得点を伸ばしておきましょう。

個人情報保護は個人情報保護法から出題されるため、対策の取りやすい問題です。出題範囲が狭い分、細かな条文や規則まで出題されることを理解したうえで学習を進めましょう。

情報通信に関する内容では、最新の通信手段やインターネット用語などの問題が出されます。

文章理解

文章理解の科目は、いわゆる現代文(国語)の問題です。行政書士試験のための特別な知識は要求されず、出題傾向が固まっていて難易度が易しい問題が多く、一般知識の中では最も得点しやすいといわれています。

文章理解は、確実に毎年出題される問題です。時間切れで得点できる問題を逃すことのないように、解答時間に気を配りながら、落ち着いて解くようにしましょう。

行政書士試験合格に向けた学習のポイント

行政書士試験│科目別対策や試験内容をわかりやすく解説

行政書士試験の合格に向けた学習のポイントは、大きく分けると以下のとおりです。

  • まずはテキストを使って理解を深める
  • 科目ごとの難易度を見極めて学習に取り組む
  • 繰り返し学習し、法律の理解を深める
  • スケジュールを管理し、効率的に学習を進める
  • 身の回りのことを法律と結び付けて学習する

科目ごとで見ると、「基礎法学」「民法」「商法・会社法」の難易度が高く、「憲法」「行政法」の難易度はそこまで高くありません。「憲法」「行政法」は行政書士試験での出題数が多いため、しっかりと点数を獲得できるように取り組むと良いでしょう。

合格のためには、独学ではなくスクールを利用するほうが、合格に近道であり効率的な学習ができます。ぜひ、TACなどのスクールを活用して効率良く合格しましょう。

行政書士試験は科目ごとの配点数を理解することが大切

行政書士試験│科目別対策や試験内容をわかりやすく解説

行政書士試験の科目は、大きく分けると「行政書士の業務に関し必要な法令等」科目「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」科目の2つです。科目ごとの配点数や難易度などが異なるため、それぞれの特徴や試験対策のポイントを理解して、効果的に学習を進めていくことが大切だといえます。TACなどのスクールを活用し、効率的に行政書士試験を突破しましょう。

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