教員採用試験は独学でいけるの?!独学と予備校、結局どっちが良いのかを考えてみた!
教員採用試験は、ほんとのところ予備校に通わなくても合格できる?
できればお金をかけたくない?
でもそれで合格できなかったら本末転倒!
試験対策のプロの目線で「独学VS予備校」論争に結論を出します!
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はじめに結論から
それでも、あえて、しかも強く言いたいと思います―予備校を利用した方が良い。
文部科学省が令和4年1月31日に発表した「令和3年度(令和2年度実施)公立学校教員採用選考試験の実施状況について」によれば、令和2年度に実施された全68自治体(都道府県・指定都市・豊能地区)における公立学校教員採用選考試験では、全校種・教科等で134,267人が受験し、35,067人が採用されたとのことです。
受験者が前年度より3,775人減少したのに対して、採用者は192人増加し、これにより、採用倍率は前年の4.0倍から3.8倍に低下しました。
予備校の立場にあるTACとしては、教員採用試験の受験者、採用者のなかで教員採用試験対策の予備校にどれくらいの人が通っていたのかを知りたいところですが、上記のデータからそれを知ることはできません。
さらにいえば、採用者の予備校利用率が受験者全体のそれより高いようなら大変喜ばしいところですが、残念ながらそれも分かりません。
こうしたデータもない中で「独学と予備校、結局どっちが良いのかに結論をだそう!」ということは、極めて困難な試みであり、そうであるだけに恣意的な結論になりがちであると言わざるを得ません。
それでも、あえて、しかも強く言いたいと思います―予備校を利用した方が良い、 と。
当記事は予備校サイドが執筆しているため、宣伝だと思われても仕方ありませんが、そう思った方にこそ、受験対策を始める前に以下の3つの理由を読んでほしいと思います。知らなかったこと、甘くみていたこと、想像もしていなかったことがあるはずです。1年に1度しかない採用のチャンスです。後悔しないように準備を進めていきましょう。
理由1.学習効率に格段の差!試験対策にそんなに時間をかけられますか?
予備校を使うと学習効率が格段に上がる。つまり、学習上のムダを省くことができる。
教員採用選考試験では、ご存知の通り、多くの試験科目があります。
筆記試験の教職教養では、教育原理、教育法規、教育心理、教育史、教育時事(ローカル問題が加わることも)が出題され、一般教養では、人文科学分野、社会科学分野、自然科学分野が出題されます。加えて専門教養としての各教科・科目に関わる学科や実技の試験があり、さらに人物試験として、面接試験と論作文が課されています。
教員採用選考試験に合格して採用されるためには、これらの試験をクリアしなければなりません。しかし、これらの科目が含む情報量は膨大なものといえます。では、そのすべてを網羅し理解しなければ合格は難しいのでしょうか。
はっきりと言えます、そんなことはない、と。
たとえば、教職教養では、学問としては重要であるが試験には出題されない、あるいは出題頻度はきわめて低い、という分野(項目)があります。それを知るのと知らないのとでは、学習効率という点で大きな差が生じます。
予備校は、過去問分析を通じて、そうした分野(項目)をしっかりと把握しており、試験対策としてムダな分野(項目)に時間をかけたりしません。端的に言えば、予備校は“試験に出るところ”しか扱わないのです。
再受験組が多く、校種・教科によっては1発合格が難しいと言われる教員採用試験、限られた時間を有効に活用する方法があるなら、使わない手はありません。
理由2.人物試験対策がとにかくやっかい!独学では厳しい
教採でウエイトの高い人物試験、独学での対策は難しい。
多くの自治体が、個人面接・場面指導・集団面接・集団討論・模擬授業などの複数の試験を組み合わせて実施しており、また1次筆記試験の結果を2次に持ち越さず、最終合否を人物試験のみで決める自治体も少なくありません。そのため、教員採用試験の面接試験に向けては、民間就職や公務員試験とは比にならないほど入念な準備と対策が必要です。
しかし実際には、人物対策は後回しになりやすく、多くの受験生が対策を十分に行えていない状況にあると言われています。なぜ人物試験対策は後回しになりやすいのでしょうか。独学の受験生によくみられる失敗の要因を以下に3つあげます。
独学の受験生によくみられる失敗の要因
1 筆記試験対策に時間をとられ、人物対策の準備ができない
2 人物試験対策に取り組みたいと思うものの、何をどの順で進めればよいのかわからない
3 人物試験に対する認識が甘い
1については、筆記対策を効率よく行えていない可能性が考えられます。前項の「理由1」でも述べましたが、筆記対策は、学習方法を見誤らなければ、各段に効率よく仕上げることができます。
2は新卒の受験者に多くみられる事例ですが、人物試験の評価観点や対策の手順がよくわからないまま準備を進めると、頻出とされる質問に形だけの回答を準備するだけとなり、面接対策が表面的なもので終わってしまいます。
そんな、その場しのぎの面接は通用しません。民間企業や他の公務員試験と違い、教員採用試験は、同一勤務地での併願の選択肢はありませんので、場数をふんで、その中で意識が変わり対策が深まり、経験を積むことが同時に学習となって、その結果、採用されたという事例も起こりえません。
3も近年よく聞かれる理由です。「面接受けが良いので、多分大丈夫。」とタカをくくっている受験者もいるかもしれませんが、本当にそんなに楽なのでしょうか。人物重視といわれる教採の面接試験は多様な形式で複数回実施され、ライバルの多くは多受験組や臨時的任用教員など教職経験者です。面接試験で求められるレベル(=合格水準)は当然高くなりますので、人あたりがよいだけでは太刀打ちできないでしょう。
失敗しないための人物試験対策
1 対策の指針をつくる
2 適切な手順を踏む
3 適切な指導者からアドバイスを受ける
受験経験者の方は痛感していると思いますが、人物試験対策はそう簡単なものではありません。また長い時間と膨大な労力が必要となります。
予備校では、まずはどのような回答・立ち振る舞いが望ましいのか、人物試験の内容や評価観点を分析することでできるだけ明確にし、目指すべき姿・対策の指針を示します。
また人物試験において、適切な教育論を展開するにあたっては、教職教養の知識が必要となりますので、教職教養が人物試験へどう発展していくのか、人物試験で問われる論点と回答の考え方をおさえていきます。
そうしてはじめて回答作成のステップに立ち、あらゆる想定質問に回答を準備していけます。もちろん形にするだけでは合格につながりません。適切な指導のもと、時間をかけてじっくり回答を練り上げていきます。
それでもまだ終わりません。最後に本番を想定した実践練習を行い、立ち振る舞いや表現方法・印象などの調整を行います。ここでも複数の指導者による、適切な指導が必要となるでしょう。
仮に人物試験対策に対する認識の甘い受験生がいれば、これを契機に人物試験に対する意識を新たにし、やるべきことと考えるべきことを理解し、適切な手順を踏み、練習を繰り返していきましょう。
理由3.10数万円を惜しんで、100万円以上の損をする?!
転ばぬ先の杖。長い目でみて考えてください。
予備校利用のデメリットとして真っ先に思い浮かべるのは、やはりその費用でしょうか。
コースにもよりますが、費用相場は、TACだと10~20万、他大手予備校だと20~40万円くらいとなっています。
“10数万円もかかるのか”ということで、受講をためらう人もいますが、その気持ちはわからないでもありません。
しかし、考えてみてください。予備校の費用をおさえて独学を選んだとして、もし学習がうまくいかず残念な結果に終わってしまった場合、採用後に得られるはずだった給与をもらえず1年間過ごさなくてはなりません。
臨時的任用教員や非常勤として働く道を選んでも、正規採用とは年収にして、100万円以上の差があります。
つまり、10数万円を惜しんで、100万円以上の損をすることになるのです。
“10数万円”であこがれの教師という職業に、ぐっと近づくことができるなら、予備校の受講料は必要な自己投資ではないでしょうか。
まとめ
1
出題範囲が膨大なため、メリハリのない学習は危険!筆記対策はでるとこだけやろう!
2
認識が甘い受験生に活を入れたい!合格したいなら、人物試験対策にこそ入念な対策を!
3
合格への道筋がたてられないなら迷わず予備校へ!TACは転ばぬ先の杖!
次は、あなたの番です!思い立ったときに始めていただけます
TACでは、通学講座だけでなく、通信講座も充実しています。講義はオンラインで自分の好きなときに受講することができ、面接指導も校舎はもちろん、オンラインでの対応を実施しています。教室が終わってしまった講義は受けられないということは一切ありません。オンラインやTAC校舎のビデ―ブースでの視聴が可能ですので、思い立ったときに学習を始めていきましょう。
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