不動産鑑定士試験をズバリ解説! 不動産鑑定士の実務修習

不動産鑑定士の実務修習

不動産鑑定士試験合格者は、不動産鑑定士の登録をするために「実務修習」(研修)を修了する必要があります。実務修習は講義や演習に分かれて実施され、1年コース、2年コースから選択することが可能です。修了を認められ国土交通大臣の修了の確認を受けた方だけが不動産鑑定士として登録することができます。 下記で1年コースの実施例をご紹介します。

開始月 例年 12月上旬(※ 2023年度は12/1)
内容 講義

<実施期間>
例年12月~3月(※ 2023年度は12/1~翌年11/30)

<実施形式>
eラーニング

<内容>
不動産の鑑定評価に関する実務について、その各段階における基礎となる知識を修得する課程です。

※eラーニングによる講義は、オンライン環境のある任意の場所で視聴し、視聴終了後に確認テストが行われます。

基本演習 <実施期間>
■第一段階 : 例年 5月(※ 2023年度は4月中の2日間)
■第二段階 : 例年 6月(※ 2023年度は5月中の3日間)
■第三段階 : 例年 8月(※ 2023年度は8月中の2日間)
■第四段階 : 例年 9月(※ 2023年度は9月中の3日間)

<内容>
鑑定評価報告書の作成において通常採用される手順を、修習生自ら作成することにより、段階ごとに指定された内容を修習する課程です。
東京において、1段階2日間又は3日間の日程で、4段階に分けて実施され、合計10日間の演習を行います。
実地演習 <実施期間>
■物件調査実地演習(2件): 例年12月上旬~12月末日
■一般実地演習(13件)  : 例年12月上旬~翌年11月下旬

<内容>
不動産の鑑定評価に関する実務について、実地において鑑定評価報告書の作成を通じて評価方法を修得する課程です。指導鑑定士のいる不動産鑑定業者、または指定大学機関で履修します。

※ コース別に提出案件は異なりますが、それぞれ3月末、7月末、10月末を締切とする実地演習の報告内容により修得について審査が行われます。 eラーニングによる講義は、オンライン環境のある任意の場所で視聴し、視聴終了後に確認テストが行われます。

修了考査 実務修習の全ての課程を修得した者に対して行われます。
<時期>
■記述の考査 : 例年 1月中旬~1月下旬
 ・多肢択一式
 ・論文式
■口述の考査 : 例年 1月中旬~2月上旬

<内容>
・記述の考査(多肢択一式)
 …鑑定評価の実務に関する基礎的知識、種類別鑑定評価及び手法適用上の技術的知識について行う。
・記述の考査(論文式)
 …不動産鑑定評価基準及び不動産鑑定評価基準運用上の留意事項について行う。
・口述の考査
 …規定第27条に規定する鑑定評価報告書を用い、実地演習の内容について行う。

動画でポイント解説!不動産鑑定士の実務修習

実務修習とは? 実務修習の期間は?

不動産鑑定士の実務修習とはなに?なぜ修習をするの?修習の期間はどれくらい?意外と知られていない実務修習の内容を、TACの高橋信也講師がわかりやすくポイント解説します。(2'12”)

【ここがPOINT】実務家になるのに必要な技能と高度な応用能力が習得できる

「不動産鑑定士試験合格者に対して、不動産鑑定士となるのに必要な技能と高度な専門的応用能力を習得させるのためにおこなわれるもの」とされているのが実務修習です。実務修習は公益社団法人・日本不動産鑑定士協会連合会が主催しており、各種情報についても連合会が適宜案内を出しています。

【ここがPOINT】1年コースと2年コースが選べる

実務修習には1コースと2年コースがあり、好きな方を選択して申し込むことができます。期間こそ異なりますが、どちらを選択しても修習の内容は一緒です。速やかに修習を終わらせ実務に携わりたい方は1年コースを、ゆとりをもって仕事と両立したい方は2年コースを選択するとよいでしょう。 修了考査に合格すると、晴れて実務家としての登録が可能となります。

実務修習の内容は?

実務修習について具体的な内容に踏み込みます。講義ではなにをするの?基本演習は?実地演習は?それぞれの難しさは?TACの高橋信也講師がわかりやすくポイント解説します。(3'22”)

【ここがPOINT】「講義」はeラーニング形式で全16科目を受講する

定められた期間内に、不動産鑑定評価に関わる全16科目(不動産鑑定士の倫理、土地の税金、評価法など)を受講します。科目の最後には簡単なテストが用意されており、満点をとることで科目のクリアとなります。

【ここがPOINT】「基本演習」は集合形式で1年間に4回受講する

基本演習は全4回、10日間に渡って修習生が1つの会場に集まり、指導鑑定士から指導を受けます。なお、現在のコロナ感染症下においてはオンライン研修がおこなわれています。

【ここがPOINT】「実地演習」が最大の山場。13類型を実際に鑑定する

実地演習には物件調査実地演習と一般実地演習の2種類があります。メインとなる一般実地演習は13件の類型を実際に鑑定評価し、報告書(鑑定評価書)を作成して提出することになります。

鑑定業者への就職は必要? 支払う料金は?

実務修習を受けるために鑑定業者への就職は必要なの?就職の他に方法はないの?修習に必要な料金はどれくらい?TACの高橋信也講師がわかりやすくポイント解説します。(3'42”)

【ここがPOINT】鑑定業者のほか、実務修習のみを請け負う機関での修習が可能

実務修習を受講するためには、実地演習実施機関に「所属」する必要があります。実務修習を受ける多くの方は実地演習の実施機関をかねる鑑定業者に就職しますが、就職せずに修習を受けたい場合は、実務修習のみを請け負う機関(大学・専門の鑑定業者)を選任することで実務修習の受講申請が可能になります。

【ここがPOINT】実務修習にかかる費用は36万円~120万円と開きがある

実務修習の料金は、日本不動産鑑定士協会連合会に支払うもの(約36万円)と、実地演習実施機関に払うもの(0~75万円)の2種類があります。実地演習実施機関に就職先の鑑定業者を選んだ場合は、就職先の会社が料金を負担してくれるケースもあります。

修了考査とは?

実務修習の修了考査とはなに?どんなことをするの?合格率は?合格できなかった場合にどうなるの?TACの高橋信也講師がわかりやすくポイント解説します。(2'28”)

【ここがPOINT】最後の関門として修了考査が待ち受ける、が・・・

実務修習の全ての課程を習得した方は修了考査を受験することができます。内容は記述(択一式・論文式)と口述があります。合格率は例年7割~8割程度と高めで、終了考査に合格できなかった方に対する救済措置(追試)も用意されています。

TACの動画で学ぼう!実務修習のすべて

実務修習の内容と進み方・修習の受け入れ先の種類と探し方、申込方法、必要な費用など、なかなか手に入らない情報を、高橋信也 講師と実務修習を修了したばかりの3人が座談会形式で語りつくします。

まずは不動産鑑定士試験合格を目標にしましょう

実務修習は不動産鑑定士試験合格後に、「実務家となるための具体的なテクニック」を教えてもらえる場です。まずは基礎知識となる鑑定理論や行政法規、民法・経済学・会計学などの教養知識をしっかりとインプットし、不動産鑑定士試験合格を目指しましょう!

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