外交官(外務省専門)合格体験記
会社員を続けながらでも合格できます!!
植田 陽香さん
DATA BANK
研修語 | アラビア語 |
---|---|
出身校 | 神戸市外国語大学 外国語学部 (卒業) |
合格年度 | 2020年度 |
選択科目 | 憲法 |
- 受験動機
-
私の人生での達成したい目標(ミッションのようなもの)が主に以下の三点なのですが、そのすべてを実現する可能性のあるフィールドが外務省だと考えました。また、単純な憧れというよりも、一度会社員を経験してみて、自分の現時点の能力や適性を現実的に熟考したうえで、私が現時点で持ちうる選択肢の中で、最も現実的かつ自分とマッチしていると考え、外務省専門職を目指すことにしました。
具体的な目標
① 紛争後の復興開発に貢献したい。
学生時代にパレスチナの大学に1年留学した際、休暇に訪れたヨルダンで、シリア難民のご家庭に泊めていただく機会がありました。そのご家庭のお母さんが「ベイトナ(私たちの家)」と言って見せてくれたものが、紛争で破壊された瓦礫だったことに、人生で一番といっていいほどの大きな衝撃を受けたことが原体験です。
② 中東和平に一滴でも良いので関わりたい。
中学生のころにパレスチナのガザ地区が侵攻されている報道を見て以来、中東和平に強い関心を持ち、大学時代にはパレスチナ自治区の大学に1年留学しました。卒業後は、会社に普通に就職しましたが、エルサレムの首都承認などのニュースを見て、やはり仕事でイスラエルやパレスチナに必ず帰ると決意するに至りました。
③ 性別に関わらずに、自分のキャリアを追い求めたい
学生時代の就活や、会社での経験から、日本社会において、女性であることを理由に職場で海外駐在や海外出張の機会があまり与えられない場合が多いということを知りました。特に、中東やアフリカに女性を送り出してくれる組織は、日本ではとても少ないと思います。外務省であれば、自分の性別に比較的とらわれることなく働けるし、必ず海外赴任ができるので、私にも活躍のチャンスがあると思いました。
- 基礎能力試験対策
-
基礎能力試験は、早めにコツコツと取り組むことが重要だと思います。私は、1.5年コースで入会したので、数的処理を早めに取り組むことができました。数的処理のDVDを夏までにすべて視聴し、そのあとは毎日5問ずつ演習しました。空間把握は本当に分からなったのですが、最終的には頻出分野の折り紙にだけ取り組みました(しかし本番は落としてしまいました笑)。夏以降は、知識分野のDVDを視聴していましたが、V問題集で問題演習を始めたのは、年末年始くらいからでした。最終的には、完全に捨てた科目は物理くらいで、そのほかは基本的には捨て科目は作らないように、広く浅く取り組みました。直前期の4月は、現実逃避しすぎて専門科目よりも日本史や世界史のV問題集にばかり取り組んでしまっていました。知識分野はやり始めるととても楽しかったです。試験当日は、数的処理がいつもより、思ったように解けずかなり焦りましたが、知識分野で結構得点が稼げたので、全体的な点数はそこそことれて命拾いしました。
- 人物試験対策
-
2次試験対策の自主ゼミで、同じような志をもった優秀な人たちと切磋琢磨した時間が本当に楽しかったです。私はフルタイムで働いているため、昼間の自主ゼミには参加できなかったですが、夜にzoomで、グループディスカッションの練習を中心に参加しました。また、途中から、自主ゼミの枠を超えて数名のメンバーでzoomでお互いをいじめあう(笑)面接練習を何度もしました。圧迫面接の練習をしておくと、当日の質問が楽に思えるので、おススメです。そのzoomメンバーがみんな最終合格できたことは本当にうれしかったです。
- 社会人の勉強法
-
私は会社員を続けながら受験勉強をしたので、効率的な時間の使い方と、モチベーションを最大限に保つことをいつも考え、自分なりに工夫しました。学生に比べてどうしても勉強時間が少なくなってしまうので、隙間時間をかき集め、10分でも多く勉強しようと意識しました。答練の模範解答を音読したものをスマホに録音し、歩いているときには常に聞いていました(危ないので本当は良くないです)。また、会社のお昼時間には、昼食を食べながら時論公論をチェックし時事論文対策をし、その後はこっそり英語の筆記試験対策として30分で社説を和訳・英訳していました。英語の勉強だったら、会社でしていても怪しまれないのでおすすめです。
モチベーションを保つためには、会社のパソコンのデスクトップをヨルダンで出会ったシリア難民の子供たちの写真にしたり、シリアの瓦礫のポストカードを会社のデスクに飾ったり、自分のモチベーションリソースが毎日視界に入るようにしました。また、すでに外務省で働いている友人が数名いたので、その人たちと連絡をとったり、会ったり、外務省での業務の話を聞いて刺激をもらえるようにしていました。その中の一人が、私が受験勉強を始めたときに、「始めたときには半分終わっている」という言葉を送ってくれました。韓国のことわざらしいのですが、この1年半の受験勉強中に、この言葉は常に自分の頭の中にあり、どれだけ勉強がつらくなっても最後まで挫折することなく頑張れました。外専の勉強は、途中であきらめて最後まで受験しない人も多いと思うのですが、TAC・Wセミナーに入会して勉強を始めることが最もハードルが高いので、一旦受験を決意し勉強を始めたからには、半分終わったも同然なのです。つらい方がいたら、この言葉を思い出してください。