外交官(外務省専門)合格体験記
働きながら再チャレンジ
鳥本 楽弥さん
DATA BANK
研修語 | ラオス語 |
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出身校 | 大阪大学 外国語学部 (卒業) |
合格年度 | 2020年度 |
選択科目 | 憲法 |
- 受験動機:国を背負う方々への強い憧れ
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父が自衛官で幼い頃から隊員の方々に囲まれて育ったので、国を支える仕事に漠然とした憧れを持っていました。高校生のときに受けた防衛大学校の入学試験では、面接官の方々の言葉や表情から国を背負うことの威厳や信念を見て、ますます憧れを強くしました。結局別の大学に進学しましたが、好きな語学を生かして国の繁栄を支える仕事がしたいと思い、外務省を志望しました。しかし、学生時代の受験は力及ばずの結果でしたので、合格するまでは国際経済を実務面から学ぶことが出来る物流会社で働くことにしました。そこで目にしたのは、ベトナム現地駐在員の方々が日々駆けずり回って仕事をしている姿でした。このため、途上国とくに東南アジア地域で日本人・日系企業がより活躍できるフィールドづくりに携わることでわが国の繁栄を支えたいと思い、再度受験しました。
- TAC・Wセミナーを選んだ理由:合格占有率の高さと切磋琢磨できる環境
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大学のゼミの先輩で外務省専門職に合格された方がいたのでお話を聞き、そこでTAC・Wセミナーに通っている人が大半だと知ったので迷わず通うことにしました。とくに専門科目(国際法・憲法)は合格への最短ルートがカリキュラムになっており、効率よく求められる知識を吸収することが出来ました。人物試験対策では、同じ目標を持つ方々と切磋琢磨しながら自己認識を深めることが出来ました。
- 社会人の筆記試験対策: 自分に合った勉強法を確立してひたすら信じる
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現職に就職したときから再受験する心づもりでいたとはいえ、実際に仕事をしながら勉強するとなると学生時代の頃とは異なるメリット・デメリットがありました。最大のデメリットはスケジュールが立てづらいことで、特に繁忙期と答練期が重なったことで学習時間が確保できなくなったので当時は焦りもありました。しかし、学生時代と社会人とで1.5年ずつ取り組んだ私としては、むしろ社会人で得たものから学習効率のアップに繋げることが出来たと思うことの方が多かったです。例えば、Word/Excelの使い方がより分かることで効率よく学習内容や進捗状況を整理することができたりとか、費用を惜しまずにオンライン添削サービスを使ったり様々な参考書を購入して内容を確認したりとか。いま振り返ると、外務省専門職試験は、面接試験はもちろん、筆記試験においても社会人としてのメリットを存分に活かすことができる試験だと思います。
科目別の勉強法としては、特に力を入れていた国際法/憲法/英語/一般知識について簡単に紹介したいと思います。国際法は知識の整理が重要な科目ですので、サイトマップに肉付けする形でキーワードからポイントを列挙できるように繰り返し取組みました。キーワードに紐づいて情報が十分に整理されていれば、未知の問題でも柔軟に対処できます。その情報はTAC・Wセミナーの講義/テキストに十二分に揃っています。憲法は、TAC・Wセミナーのテキストを軸に付随論点を市販の論証集や参考書で補って、「○○の自由(人権)」ごとに1シートで1つのExcelファイルに整理し、覚えました。英語はオンライン添削サービスを利用して過去問や社説集を毎日英訳しては見てもらうことを半年程行いました。一般知識はTAC出版の『一般知識 出るとこチェック』を本番までに7周ほどこなして基本を固めました。もちろんスタイルは十人十色ですので、どんな方法であれ自分にとって効率的なやり方を確立してそれを信じてこなしきるのが大事なのかなと思います。
- 社会人の人物試験対策: 仕事も前向きに取り組む!
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一昨年は人物試験で残念ながら不合格となりましたので、社会人生活を通して一皮も二皮もむけて再チャレンジしようという心づもりで貪欲に仕事にも取組みました。学生時代の自分にはなくて社会人になってから身につけられたことは沢山ありますが、人物試験として最も役立ったのは自己認識でした。学生時代は部活でもサークルでも、良くも悪くも似たような友人に囲まれていたのだなと思うことが多く、そこまで積極的に外の世界と関わってこなかった私は、価値観の違う方々と接していくなかで「自分はこういうときにモヤっとするのか」と新しい一面を知ることが多くありました。誰もが異なる価値観を持って真剣に取り組むからこその意見の衝突だったり挫折だったりがあるわけで、そうした経験が出来たのは、私の場合は社会人生活が初めてでした。人物試験では、面接官の方々にその過程を必ず聞いていただけます。ですので、仕事の成果や自己成長の過程をそれより前の自分と繋げてアピールできる点で、社会人の方が引き出しも多く、その分有利だと思います。
- 最後に:これから外務省専門職を目指される方へ
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外務省専門職には年齢制限こそありますが、職歴や学歴・留学経験の有無などの表面的なバックグランドではなく、「そこから何を得たか」という人間力を見ていただける試験だと思います。これまでの経歴にとらわれず、外交官という夢に近づいていく自分に自信を持って頑張ってください。