外交官（外務省専門職）合格体験記

　私が外務省を目指すようになったきっかけとしては、大学OBで現在も外交官として活躍されている方の講演会があります。G20大阪サミットで習近平国家主席の後方で通訳業務を行っている姿をみて、「自分も外交の最前線で活躍する人材になりたい！」と強く思いました。その後の学部生活では日中友好事業に何度か参加し、日本に根付いている中国への認識が自身が体験した「中国」とあまりにかけ離れていたことを実感しました。
　そこで自分が外交官として日中間の相互理解を促進し、終極的には日中の友好関係の構築に寄与できればと思い外務省専門職を志望しました。

　全科目を通じてまず言えることは、「TAC・Wセミナーをどれだけ信頼できるか」が重要だと思います。どの科目も常に、「講師が講義でおっしゃったレベルの学習＋α」を心がけていました。

○国際法
　国際法の学習こそ、「どれだけ井能講師を信頼できるか」にかかっていると思います。私の場合、論文マスター講義の復習は講義レジュメに則って行い、答案化指定問題や論文答練で出題された問題は100%の再現ができるように暗記しました。国際法での「＋α」については、解答の中に基本マスター講義テキストの内容を盛り込んだり、答案化指定されていない問題についても、出題傾向や国際情勢から独自に予想を立てて「答案化→暗記」を行ったりしていました（深海底の開発方法、条約の第三国効力等）。
○憲法
　憲法は苦手科目ではなかったものの、高得点を狙うのが難しかった科目でした。したがってとにかく論点落ちだけは避けようと、判例の判旨やテーマ別論点（公務員の人権制約や明確性の原則等）を網羅的に暗記して論文答練ではしっかりとアウトプットできるよう準備しました。また、統治についても論文マスターテキストを全暗記するのは厳しかったので重要度Cまでに限定して学習し、負担が大きくなりすぎないようにしていました。
○時事論文
　一番の苦手科目の時事論文の対策は本当に骨が折れました。というのも日頃の情報収集は、こだわればキリがなく、書いた論文がどう評価されるかが自分だけではわからないからです。そこで関西の受講生で時事対策グループを作り、定期的にオンラインで情報共有と解答添削を行うことで効率的に学習を進めていました。 　このように、TAC・Wセミナーの良いところは、協力して学習する仲間を作れる機会や環境が身近にあることだと思います。TAC・Wセミナー受講生の方は是非勇気を出して、ホームルームなどで他の受講生に声をかけてみてください！
○基礎能力試験
　最大の山の数的処理は比較的得意な方でしたので、知識系の科目に注力して対策していました。とはいえ、全ての科目をカバーすることは厳しかったので、捨て科目（化学・物理・生物のマイナー分野）を作り、それ以外の科目は徹底的に学習しました。具体的な方法としては、動画サイトや講義でインプットを行い、その後V問題集をとにかく繰り返し解くというものです。完璧主義に陥りがちな私は、教科書を暗記することにこだわるのではなく、「V問題集が完璧に解けるようになること」に重きをおいていました。
○外国語翻訳
　大学受験で英作文を徹底的に学習してきたので、私にとって必要だったのは①表現力の向上、②スピードの向上でした。①については外交青書の英語訳と京大英作文対策本を完璧に仕上げ、②については外務省専門職試験の過去問を全て時間を計って練習していました。特に、外交青書の英訳は時事対策にもつながる部分があると思いますので、IELTSやTOEFLのスコア取得が済んだ方はできるだけ早く取り組むことをおすすめします。

○個人面接
１次試験後にじっくりと記入事項について検討し、これに基づいて模擬面接を繰り返すことで完成度を高めていきました。自主ゼミでは面接カードの内容のみならず、面接中の印象や言葉遣いについてもフィードバックをもらい、家に持ち帰って修正しました。また、自主ゼミを通じて、他の受講生の志望動機を聞くことは自分がそれまで気づけていなかった外交の側面についても知る良い機会になりました。
○外国語面接
　１次試験後は、オンライン英会話レッスンを1日50分行い、英語で時事的な情報の収集を行なっていました。IELTSでスピーキング対策をじっくり行っていたため、苦手意識はそこまでありませんでしたが、外交用語や人物名の正確な発音、慣用表現(when it comes to … / in terms of 等)には注意を払って準備しました。

　最後まで読んでくださりありがとうございました。受験生の皆さん、日々の学習本当にお疲れ様です。自分の将来の夢に向かって全力を尽くせる人ほどかっこいい人はいないと思いますし、心から尊敬します。公務員試験は、民間就活とは異なり内定が遅く、焦りや不安に押しつぶされそうになることもあるかもしれません。そんなときは初心に立ち戻ってなぜ外交官を目指したかを思い出してみてください。そして、「夢に向かって頑張れる私はかっこいい」と自分に言い聞かせながら粘り強く頑張ってください！陰ながら応援しています！！