外交官(外務省専門)合格体験記
自分なりに、一歩ずつ
下中 隆太郎さん
DATA BANK
研修語 | オランダ語 |
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出身校 | 神戸大学大学院 国際文化学研究科 (修了) |
合格年度 | 2022年度 |
選択科目 | 憲法 |
- 志望動機:相手国との関係の維持発展に最前線で携わりたい!
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高校時代、海外への修学旅行で現地の高校生と外国語で交流し、日本に寄せる好感と信頼の高さに衝撃を受け、どんな国や地域であれ、日本との関係を大切にし、その維持・発展に自ら携わりたいと思ったのが最大のきっかけでした。大学に入って、現役外交官の方のお話を聞いたり、元外交官の方の著書を読んだりする機会がありました。外交と言えば華やかなイメージですが、私はむしろ、言語と地域の専門家として、地道に相手国に向き合う外務省専門職員の姿勢に感銘を受け、受験に至りました。
- モチベーション維持:関東以外でも、関西ホームルームでモチベーションの維持!
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担任の井能講師による国際法の「判例テスト」の解説がとてもためになりました。他の受講生と一緒に国際法の判例解説を対面で聴くことで、「将来はこの知識を使いこなして外交官になるんだ」という実感が湧いてきました。私の学習進度が追いついていなかったため未習事項も多く、所々(というよりかなりの部分)外国語を聞いているかのようでしたが、「早く先生の話をちゃんと理解できるようになりたい」と思うと、学習へのモチベーションが上がりました。また分からないところはその場で講師に質問すれば優しく教えていただけたので、キャッチアップできました。
- 国際法のコツ:変人のススメ
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国際法の本試験では、基礎知識を踏まえて、様々な問いに対して、議論を構成する力が求められます。そのためには、基礎知識に加えて、国際法の構造や歴史的発展の「本質」に対する理解を深めることが重要だと私は考えました。TAC・Wセミナーでは、基本・論文マスターという二冊のメインテキスト、演習や論文答練というアウトプットの機会など、多層的かつ多角的に勉強できるカリキュラムが整っています。と言いながら、私は入会時期が遅かったので、クリアできなかった段階も多く、周りと比べて著しく遅れをとっていて、正直途中で諦めたら楽になれると思ったことも何度もありました。それでも、優先順位をつけて勉強し、利用できる時間を最大限活用し、自分なりの工夫を重ねました。
買い物や大学への道中など、スキマ時間に重要判例や、テキストの章やテーマごとの内容を思い出し、忘れていたら即確認。日頃国際ニュースを見て疑問や興味を持った論点について、関連するテキストの内容の独り言を言い、忘れていたら即確認、など日々国際法に入り浸り、次第に定着しました。変人になる!くらいの勢いがあっていいと思います。
その際、単に暗記するのではなく、時間はかかりますが焦らず「理解」してから覚えることで、頭に入りやすくなります。また、私の場合には試験直前でしたが、国際法の本質が次第に分かるよう(な気分)になって、初見の問題に対応する応用力が向上します。
- 二次試験対策:自他共の成長
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一次試験終了後の約1ヶ月半、同じく外交官を目指す受講生と共に、来るべき種々の面接やグループ討議に向けて切磋琢磨できることは、TAC・Wセミナーの最大の強みの一つです。客観的に見れば、お互いライバル同士ですし、それゆえ最初は不安もなくはなかったですが、実際に会ってみると素晴らしく尊敬できる方ばかりで、すぐにライバル関係などまったく意識しなくなりました。そんな仲間と共に同じ目標に向かって文字通り切磋琢磨できたことで、知的にも、精神的にも成長し、この期間で合格に一気に近づいたと思います。仲間同士で自分の興味関心のある事柄についての知見を共有することで、試験対策になるのはもちろん、将来の仕事内容や自分の目指す姿を考える機会になりました。「ダイヤモンドはダイヤモンドでしか研磨できない」という井能講師の言葉をひしひしと感じました。
- 最後に:マイスタイルで
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私は、スロースターター(入会が遅い受講生)、既卒者、民間就活との並行、という三重の属性で本試験に臨んだので、その分苦労することも多かったです。しかし、志望動機や各人の持ち味も違っているように、試験対策の仕方も人それぞれ違っていて当然です(裏を返せば、「他の人があのようにして受かったから、自分もそうすればうまくいく」というわけではないと思います)。要は自分の置かれた境遇をどう活かすか、だと思います。
TAC・Wセミナーでは、どんな疑問でも気軽に尋ねられる合格者アドバイザーの皆さんのおかげで、不安を解消しながら、私なりの勉強方法を模索し、しんどい日々を何とか乗り切りました。また既卒だったこともあって精神的不安も時には感じましたが、自主ゼミ期間中は、毎日のように自主ゼミメンバーと顔を合わせることができたので、大きな励みになりました。加えて私は独立行政法人を中心に就活も行っており、準備不足で面接に臨み失敗することも多々ありましたが、今振り返れば、自己分析は進み、面接の経験値も上がり、特に独立行政法人の筆記試験・面接対策は、外専の時事系の科目の対策にもなるなど、相乗効果もありました。とはいえ外専の勉強も思うように進まず、就活で落ち続けた時期は本当に辛かったです。民間就活で全て落ちたとき、改めて自分が本当にやりたいこと、自分にとって大切なことに向き合わざるを得なくなり、外交官になるんだと覚悟を新たにし、心身の隅々まで浸透させました。本番ではその覚悟が伝わったのかもしれません。
つい他の受験生や同級生が気になるかもしれませんが、そんな時こそ、自分なりの方法を模索しながら、一歩ずつ進むのみです。きっと周りも応援してくださるはずです。