外交官(外務省専門)合格体験記
2度目の正直
片桐 亜耶さん
DATA BANK
研修語 | フランス語 |
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出身校 | 慶應義塾大学 法学部 (卒業) |
合格年度 | 2022年度 |
選択科目 | 憲法 |
- 志望動機:途上国に対するマイナスイメージをプラスに変えるために!
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私はコロナ禍や昨今の国際情勢の中で、会社の枠組みでしか利益を還元できないことにもどかしさを感じ、会社の枠組みを超えたより多くの人のために働きたいと思い、転職活動を開始しました。その中でまずは資格を取ろうと思い、TAC・WセミナーのHPをみていたところ、外務省専門職という職種を見つけたことが始まりでした。当初、楽しそうという気持ちで講座を申し込みましたが、そこからまさか2年間学習することになるとは、夢にも思いませんでしたし、その間、沢山の挫折も経験しました。家に多くの教材が届くたびに自分が申し込んだ講座の範囲の量に心が折れましたし、1年目は仕事をしながら学習していたので、両立を図ることに難しさを感じました。それでも外務省専門職を諦めなかった理由は、幼少期を過ごしたミャンマーでクーデターが起き、多くの日本企業が撤退している報道を見た際に、外交の当事者として、途上国であっても民間企業が進出しやすい安定した土壌の形成に関わっていきたいと思った為です。また、前職では、お客様に資産運用の一環として金融商品をご提案している際にも、先進国の商品と、新興国や途上国の商品とはではお客様の反応も大きく異なっていたことから、やはり、民間企業や、投資家の方々の、途上国に対する不安や、マイナスなイメージを、プラスに変えたいと思い、それを実現するためにはその基盤部分を作る外務省でなければ実現できないと思い、志望しました。
- TAC・Wセミナーを選んだ理由:圧倒的な合格者数!
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やはり圧倒的な合格者数に惹かれました。WEBでは講義も繰り返し視聴できますし、私は記憶が曖昧な論点は、何度か2倍速で隙間時間に視聴し直しました。一次試験後には二次試験対策がありますが、実際合格者のほとんどがTAC・W セミナー生のため、お互いに切磋琢磨することができます。
- 科目別試験対策:教養科目対策
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教養科目の対策は毎日午前中に取り組んでいました。私は数的処理が苦手であったため、一日5問は必ず解くように意識していました。一方で数的処理では点数が稼げないことも実感していたため、TAC・WセミナーのV問題集を何度も繰り返し解いて、知識部分で13問中9点は取りたいと思い演習していました。知識用ファイルも作り、最終的にはとても分厚くなりました。実際本試験では、数的処理は半分以下でしたが、知識部分を得点源とすることができました。時事問題や人文科学・ 社会科学・自然科学に関しては、範囲は多いですが、私のように数学よりも暗記の方が得意という方は、諦めずに幅広く取り組んでください。
- 科目別試験対策:専門科目対策
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国際法:最も多くの時間を割いた科目でした。TAC・Wセミナーの基本マスター、論文マスターは必要な知識が網羅されているため大変重宝しました。一方で、参考文献として挙げられていた「サブテキスト国際法」「パラダイム国際法」「国際法のダイナミズム」「国際法判例百選」などの市販の本や、試験委員の執筆した論文を活用しながら、主要論点をノートにまとめ、TAC・Wセミナーのテキストと並行して理解を深めました。最終的には、ノート3冊程度に国際法の主要な論点をまとめ、どんな問題が出ても書けるように暗記しました。
憲法:再チャレでかつ、基礎能力や外国語では他と比べ大きく点数を稼げないと自覚していたので、憲法でいかに点数を稼ぐかに注力していました。1年目は人権のみで統治は捨てていたので、今年は統治も学習しました。またTAC・W セミナー生は当然のように論文マスター、基本マスターを最終的には暗記してくるので、それ以上に頑張らなくてはと思い、直前期には「基本問題120選」を一通り暗記し、他に「憲法判例百選」、無料で公開されている司法試験の過去問を解き、模範解答を活用しながら、幅広く論点や判例をカバーしました。加えて12月から2月くらいまで、2週間に1回ほど、同じ再チャレの友人と論証をお互いに言い合って、机に向かうだけでなく五感を使って暗記できるように意識していました。
- 科目別試験対策:外国語対策
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外専の一次試験の外国語試験は、外国語文和訳・和文外国語訳であるため、いかに政治的、時事的な文章を速く正確に訳すかが課題でした。私は中学・高校でフランス語を学び、それ以降触れていなかったので、昨年フランス語受験した際には破壊的な点数をとりました。ただ語学自体の学習は好きでしたので、そこから深く反省し、フランス語のテキストを買い、新聞を読んだり、フランスの外務省のHPをみたり、毎日語学に触れました。フランス語は英語に比べて市販の単語帳も少ないので、自分でノートを作っていました。秋頃からは一週間に1回程度気になる新聞記事を選び和文仏訳を行い、オンラインの講師に添削してもらいました。この作業を通じ、時事用語や決まりきったフレーズを習得することができたと感じています。また、英語力に関しても示す必要があると思い、英検1級用の単語帳やテキストを使い単語力を補いながら、学生時代に受けた英検などの資格も冬に取得し直しました。
- 最後に:学習を続けて得た経験は何にも変え難いもの
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社会人の方は、時間的制約もあり、本当に厳しい期間が続くと思います。私自身も一回落ちた身ですし、努力が必ずしも報われるとは言い切れませんが、少なくとも学習を続けて得た経験は何にも変え難いものであると思いますし、どんな道であれ、今学習していることは将来の為になると思います。是非最後まで試験を受け切って、後悔しないよう、全力を尽くしてください!応援しています。