外交官(外務省専門)合格体験記
語学の専門家を目指して
H. Rさん
DATA BANK
研修語 | ブルガリア語 |
---|---|
出身校 | 東京大学大学院 人文社会系研究科 (在学中合格) |
合格年度 | 2022年度 |
選択科目 | 憲法 |
- 志望動機:研究の対象としてだけではなく仕事でも東欧にかかわりたい!
-
もともと私は西洋史を専攻していました。3年生の春休みに実際に東欧を訪れ、研究の対象としてだけではなく仕事でも東欧にかかわる仕事をしたいと思うようになりました。また、言語を学ぶからにはリーディング以外の3技能も使って働きたいと考えるようになりました。これが外務省専門職に興味を持ったきっかけです。大学院1年目の冬、実際に職員の方にお話を聞かせていただく機会に恵まれ、それ以降真剣に専門職を目指すようになりました(翌年3月TAC・Wセミナーに入会)。
- TAC・Wセミナーを選んだ理由:合格実績と充実の受験サポート!
-
文学部だったこともあり、今まで法律(憲法・国際法)を本格的に学ぶ機会がありませんでした。そこで予備校に通って勉強することにしました。TAC・Wセミナーに決めたのは合格実績と講義以外の要素(月1回の担任カウンセリング・合格者アドバイザーカウンセリング・2次試験対策など)が充実していたからです。特に1次試験後はTAC・Wセミナーに通う同じ受験生の方と2次試験対策を行うことができ、民間就活の経験がほとんどない私でも、面接慣れすることができました。私の班には再チャレンジ生の方がいらっしゃり、昨年の2次試験の流れを聞くことができたため、とても参考になりました。
- 科目別試験対策:国際法について
-
国際法は内容量が圧倒的に多く、終始苦手意識を持っていました。量の多さゆえに論マス期(受験前年の秋冬)は構成だけ確認していたのですが、論文答練期(受験年春)に焦ることになってしまいました。論文マスター期からもう少し自分の手を動かす勉強をすべきでした。また、今思えばですが、比較的余裕のある基本マスター期(受験前年の春冬)にTAC・Wセミナー以外の国際法の教科書にも目を通しておくべきだったと思います。同じ事項の説明でも、教科書によって説明の仕方が違っていることもあり、気に入った方を暗記する方が効率的だと思いました。またTAC・Wセミナー生との間でも差をつけることができ、自信につながります。
- 科目別試験対策:選択科目について
-
憲法と経済学は選択科目ですが、私は憲法を選択しました。数学があまり得意ではないというのもあったのですが、やはり行政官として働く以上、憲法をしっかり学んでおきたいという思いから選択しました。国際法と異なり、憲法はどちらかというと得意科目でした。暗記しなければならないことも多かったですが、暗記したことをもとに行う具体的検討が得意だったのだと思います。私の場合はTAC・Wセミナーのテキストをベースに勉強していましたが、答練期は判例百選も参照するようにしていました。判例一つの論点が見開き1ページにまとまっており、最新の論点も反映されていたことから、単純な読み物としても面白かったです。本番でも自分なりに納得できる答案を書くことができましたし、憲法学的な視点は昨今のニュースを読むうえでも非常に役立っていると感じます。
- 科目別試験対策:英語について
-
大学でも英語を読む機会はありましたが、外交・国際政治で使われる単語はなじみがないものばかりだったので、最初は戸惑いました。外交青書や外務省のページの英訳、新聞の社説とその英語版などをこまめにチェックし、自分用の単語ノートを作って勉強していました。日本語を英語に訳す作業は最初とても難しく感じるのですが、よく使われる表現というのがある程度決まっていて、慣れてくるとあたりをつけながら翻訳できるようになりました。
- 科目別試験対策:教養科目について
-
数的処理だけは早くから始めていましたが、その他の勉強はあまり計画的にはできていませんでした。論文答練期に入ってしまうと国際法と憲法の勉強でキャパシティがいっぱいになってしまうので、年が明ける前に一周しておくことをお勧めします。実際に勉強内容が定着しているかどうかよりも一周は済ませたという自信があることで、その後の勉強もスムーズに進められると思います。
- 受験生活を振り返って:モチベーションの維持
-
私の場合、周りに外務省専門職を目指す人は一人もおらず、気軽に相談できる人はいませんでした。そのため月1回ある担任カウンセリングや、合格者アドバイザーカウンセリング・在席制度を活用して、些細なことでも相談するようにしていました。井能講師はこれまで長い間受験生を見てこられましたので、過去の合格者・現役職員の話をしてくださることもあり、モチベーション維持につながっていたと思います。
- 最後に:勉強次第で合格できる!
-
外国語学科卒でなくとも、法学部卒でなくとも、勉強次第で合格できるのが外務省専門職試験の特徴です。むしろそれ以外の学科で勉強して、そこで得たものは働き出してから武器になるものだと思います。外務省専門職を目指す上で、課された科目を勉強する必要があるのも事実ですが、自分の専門についても勉強に励むことをお勧めします。