外交官(外務省専門)合格体験記
意志あるところに道は開ける
松田 芽久さん
DATA BANK
研修語 | 英語 |
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出身校 | 上智大学 外国語学部 (在学中合格) |
合格年度 | 2022年度 |
選択科目 | 憲法 |
- 志望動機:日本人として海外で働きたい
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大学1年生のときに大学の公務員ガイダンスで外務省専門職を知り、外交官という仕事に興味を持ちました。受験を決意した大きなきっかけは、交換留学が新型コロナの影響で中止になってしまったことです。帰国後に就職活動を進める中で「海外で働きたい」という気持ちが高まっていた頃、外専の存在を思い出しました。TAC・Wセミナーのパンフレットを取り寄せ、厳しい試験ではあるもののコツコツと努力を続ければ合格の可能性があることを知り、挑戦を決めました。
- TAC・Wセミナーの良かった点:最後まで走り抜けられるカリキュラムと環境
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私は専門科目(国際法・憲法)が初学であり、本当に合格レベルに達することができるのかとても不安でした。どちらも一筋縄ではいかない科目ではありますが、講義の視聴と復習を繰り返すことで基礎を固め、2月から始まる論文答練で実践力を養うことができました。二次試験対策では面接やグループ討議を実際に行う機会があり、本番を想定した練習をすることができます。他の受講生の方たちと一緒に行うことになるのですが、お互いに高めあえる有意義で貴重な時間になります。
- 科目別試験対策:完璧主義に陥らない
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学習を始めると、範囲の広さと量の膨大さに圧倒されると思います。実際に私がそうでした。そんな中、井能講師や合格者アドバイザーの方から言われていたことは「完璧主義に陥らない」ことの重要性です。ここでは完璧主義に陥りがちだった私が学習で「こうしておけばよかった」という反省点と役に立った方法を紹介したいと思います。よければ参考にしてください。
【国際法】
・基本マスターの時期
テキストを音読し用語や概念の暗記に励むものの、国際法特有の言い回しに戸惑い、心が折れかけていました。今思えば細かい部分の暗記に気を取られ、テキスト各章の全体像が把握できていなかったと思います。全体像をつかんだうえで用語の暗記をした方がやりやすいですし、1500字の答案を書くことにつながる学習であったと反省しています。
・論文マスターの時期
答案の音読・暗記をしていたのですが、ここでも一言一句正確に覚えることに注力し疲れてしまうことが多々ありました…。段落内の内容をざっくりと掴み、各段落間のつながりを意識して反復することで無理なく頭に入ることに後になって気づきました。また答案化する際、どうしても構成が思い浮かばない問題に出会ってしまったら、担任カウンセリングのときに講師に相談することをおすすめします。
【憲法】
論証の暗記が学習の基礎になると思いますが、論証の中でもキーワードになる用語を意識して暗記するようにすると、少し楽になります。また具体的検討の部分で何も思いつかないことが多かったのですが、テキスト・答練・ゼミ・公開模試の答案をインプットすることで書き方のコツを掴むことができました。検討のパターンを覚えてしまうことも、一つの手だと思います。
【基礎能力】
数的処理が大の苦手でした。なので問題を一日5問解くことを習慣化させて数字に慣れていくとともに、間違えた問題はなぜミスをしたのかを解明することで正答率を上げていきました。どうしても解けない問題はとりあえず放っておくのもありだと思います。3ヶ月後解いてみたらできた!ということが結構ありました。
- 語学試験対策:資格取得は早めのうちに
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外専の学習を始める前に英検やTOEFL・IELTSを取得していたことで専門科目や基礎能力の学習に時間を割くことができました。英語試験の学習をするうえでもこれらの資格で学んだことはとても役に立ちます。もちろん並行して行うことも十分に可能ですが、余裕のあるうちに語学の学習を進めておくとアドバンテージになると思います。
- 受験生活を振り返って:継続するために息抜きを!
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外務省専門職試験は全体を通して長丁場であるため、適度に息抜きをしながら最後まで試験を受け切ることが合格のカギになってくると思います。私は「外交官を目指す人のコミュニティ」(外コミ)の記事を読んだり、ストレッチをしたり、音楽を聞いたりと休憩を挟みながら学習をしていました。自分なりのリフレッシュ方法を知っておくと行き詰まったときに役立ちます。また、私は答練の時期にサークルの同期との卒業旅行が重なってしまったのですが、旅行中同期に励ましてもらったことはその後の支えになりました。学習でこもりがちになっても、人とのつながりを大切にすると良いことがあると思います。
- 最後に:誰にでもチャンスはある
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外専の受験を決めたときは、本当に自分が外交官になれるのか半信半疑の状態でした。振り返ってみれば、学習を開始しても思うように進まなかったり、民間就活を終えた友人たちを見て焦ったりと、もやもやした時期が長かったです。しかし「私がやりたいことは外務省にある」という意思が、ぶれそうになった心を軌道修正してくれました。完璧な人しか試験に受からないのではないか…と自信をなくす必要はありません。一人ひとり受験に至る背景は異なりますし、受験生活を通して成長することができると思います。志望動機が定まっていなくても、長期の海外経験がなくても大丈夫です。少しでも「外交官になりたい」という気持ちがあれば、是非挑戦してみてください。心から応援しています。