外交官(外務省専門)合格体験記
日本の安全と繁栄を守りたい
久野 紀子さん
DATA BANK
研修語 | 英語 |
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出身校 | 東京外国語大学 言語文化学部 (在学中合格) |
合格年度 | 2022年度 |
選択科目 | 憲法 |
- 志望動機:自然災害を前にして、日本のために自分に何ができるかを考える
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私は地元の福島県いわき市で東日本大震災を経験してから、漠然と「日本のために働きたい」と考えるようになりました。震災では罪なき人々の命が失われ、風評被害等で日本全体が経済的損失を被る中、他国からの支援や周りの人々の温かさなどから、日本という国に誇りを感じました。世界中で紛争が起き、日本の安全保障環境も厳しさを増す中、日本が戦争などに巻き込まれるような事態になってはいけない、と使命感を抱くようになりました。自然災害は人間の力ではどうにもできませんが、戦争のような人災は外交で事前にアプローチができるのではないか、その可能性を捨ててはいけないのではないか、という考えの下、外務省専門職試験に挑みます。よく、「防衛省専門職員でもいいんじゃない?」と言われることがありますが、日本の安全や繁栄を守るためには安全保障分野だけでなく、広報文化活動やODAなどの多様なアプローチで日本の国際的なステータスを向上していくことも重要です。国益に資する多岐にわたる分野に触れることができるのは外務省しかない!というのが、私が防衛省ではなく外務省を目指す理由でした。
- TAC・Wセミナーを選んだ理由:友人との些細な会話がきっかけ
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大学3年生になる直前に外務省専門職という職業に興味を持ち始め、外務省を受けようとしていた友人に相談したところ、TAC・Wセミナーに通っているという話を聞きました。それからTAC・Wセミナーについて調べると、合格実績が圧倒的に高く、予備校に通うならここしかないと思いました。外務省専門職員の仕事や研修制度等も入会前に説明会で詳しく聞くことができました。外交官への憧れが強まり、TAC・Wセミナーに入会する決意が固まります。実際に入会してみると、試験本番のための予想問題や合格者アドバイザー制度などが充実しており、段々と「合格」がイメージできるようになりました。
- 合格の秘訣:遠きに行くは必ず近きよりす
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海外生活経験も少なく、専門科目も初学で、学習を始めたばかりの頃は不安でいっぱいでした。国際法や憲法は初めて目にする言葉ばかりがテキストに綴られており、全く頭に入ってこずにやる気が起きない日もよくありました。しかし、毎日継続してテキストや関連資料に触れることで、必ず頭の中に定着していきます。大学3年生の夏から本格的に勉強を始めましたが、「あ、わかってきたな」と感じたのは大学4年生の2月頃でした。試験のために勉強しなくてはならないも量も多いですので、取捨選択しながら、継続して勉強を続けられる自分のスタイルを見つけていくと良いと思います。ちなみに国際法は複雑で難しい科目ではありますが、「世界ってこういうふうに動いているんだな」とイメージしながら勉強すると、けっこう楽しいです。ニュースの内容も前より理解できるようになりますよ〜。どうせなら楽しみながら勉強しましょう!
- 受験生活を振り返って:反面教師
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私は必ずしも他の人のお手本となれるような受験生活を送っていたわけではありませんでした。毎日決まった時間に起きて予備校に通うことは最低限受験日まで続けたかったのですが、一人だとどうしても朝起きられずにサボってしまう…。そこで友人と予備校に一緒に通い、自分を奮い立たせることにしました(と言っても友人が用事で朝一緒に予備校に行けない日は気が緩んで寝坊することもありました)。ここで一件落着かと思いきや、勉強時間をぶっ続けで朝の8時から夜の10時半まで(移動時間も含む)という理想主義的な考え方で設定してしまいます。一人暮らしの私は予備校から帰ってきたらお風呂に入って寝る、朝は友人との待ち合わせ時間のギリギリに起きて朝ごはんも食べずに予備校へ、という生活を繰り返しました。食生活も偏り、肌荒れも進んでいきます。そんな中事件が起きました。朝電車の中で意識を失って倒れてしまったのです。朝ごはんを食べていなかったので貧血になったと思われますが、身体を壊しては元も子もないということを実感しました。それからは予備校でも2.3時間ほど勉強の合間に散歩したり、受験期が近くなる前までは予備校から帰る時間を早め、オンとオフの切り替えを意識していました。皆さんも私のような受験生活は絶対に送らないようにしてください笑。
- 最後に:決して努力は無駄にならない!
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外務省専門職試験の受験は長丁場になりますが、自分自身を成長させる絶好の機会です。基礎能力や専門科目、外国語対策など莫大な量の科目の勉強をどう効率よくこなしていくか考えることも、ある意味今後社会人として多くの仕事をこなしていく上で役立つ経験です。2次試験対策では他の受験生の意見や面接練習を聞いて考えさせられたり、自分自身の人生を振り返って将来何がしたいのかをイメージしていくことができます。決して努力は無駄になりません。外務省でお会いできることを楽しみにしています!