外交官(外務省専門)合格体験記
特種言語・経済学・民間併願のトリプル少数派の受験生生活
青木 遥さん
DATA BANK
研修語 | インドネシア語 |
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出身校 | 東京外国語大学 言語文化学部 (在学中合格) |
合格年度 | 2021年度 |
選択科目 | 経済学 |
- 受験動機:東南アジア・インドネシアに広い視点で関わりたい
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大学の専攻である東南アジア・インドネシア関連の仕事をしたいと思う中で、確実に、なおかつ一番広い視点で関われるのは外務省だと思い志望しました。実際留学中に、日本のODAで建設されたインフラが人々の生活に大きく貢献していたり、大使館のインスタグラムが人気だったり、様々な場面で日本政府の存在を感じました。また、民間企業だと「必ずこの地域・言語に関われる!」という仕事は中小でない限りなかなかなく、外務省専門職は貴重な職業だと思います。
このような表向きの理由以外に、コロナ禍で勉強に没頭できる余裕があったことも理由です。留学から急に帰国して暇になり、また民間就活イベントもオンラインばかりで、今なら手が届かないと思っていた外交官の仕事に挑戦できるかもしれないと思いました。
- 超・特殊言語受験「インドネシア語」
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インドネシア語で受験した方は歴代のTACでもほぼ記録がないほど珍しいです。そのため、他の外国語受験の方の体験記・助言を参考にしました。
〈日々の語学学習〉
現地メディアの記事を読んでは知らない単語を覚えることを繰り返しました。1日2-3個は読みEvernoteのwebクリッパー機能でスクラップしておきました。2次試験の外国語面接で、「普段どんなメディアでインドネシアのニュースをチェックするか?」という質問をされたので、多岐にわたってチェックしておいて良かったと思いました。また、インドネシア語検定は毎回受けるようにして、その対策もしていました。
〈1次試験対策〉
過去問は、何も見ずに訳す→辞書などを見て自分で添削→日本語が堪能なネイティブスピーカーの友人にオンラインで説明しながら添削してもらう、と言う流れで2月頃から計10年度分ほど行いました。私は、本番で解答用紙の字数配分を失敗したため、とくに特殊言語受験の人は長めの過去問を1回は書いてみるといいと思います。
〈2次試験対策〉
4月から週1回インドネシア人の友人とニュースやトピックを用意してオンラインで意見交換をしました。1次試験後は、面接の質問リストと回答をインドネシア語で作成して添削してもらい、流ちょうに言えるように練習しました。しかし本番では志望動機ややってみたい仕事等の質問はなく、与えられた記事に関連するものが大半でした。
- 経済学は面白い!経済学受験のススメ
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私は初学でしたが経済学を選びました。憲法と比べると少数派かもしれないですが、選択する価値はあると思います。
〈選んだ理由〉
①憲法より興味が持てる内容だった②塾講師バイトで培った自分の理数系の能力を試して見たかった③2つの法学(国際法と憲法)を学ぶより別の分野を学んだ方が有意義だと思ったから。
〈メリット〉
①「暗記科目ではない」経済学は初めは難しく感じますが、一度理解してしまうと忘れにくいです。基本マスター講義期間中は不安になりましたが、論文マスター講義に入るとだんだんと理解でき、心理的負担が軽くなりました。
②「質問が多くできる」経済学は人数が少なめなので特に教室講座で受けている方は講義前・後に質問し放題です。私は毎回わかるまでしつこく聞いていました。TAC web schoolでもたくさん質問できます。
③「他人と差別化できる」言語・国際系の学部の受験生は憲法を選択することが多いので、面接で差別化できたと思います。経済学受験だと言うと理由を聞かれ、上記3つの理由を答えられたのでプラスの印象を持ってもらえたと思います。
〈学習方法〉
TACの助言に従いました。
- 的を絞って戦略的に!民間就活との並行
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私は東南アジア・インドネシアに関わりたかったので、外務省専門職じゃないなら民間で海外関連の仕事をしたいと思い、民間就活と並行していました。面接・面接練習の場数をたくさん踏んだことが、結果的に外務省専門職の2次面接にかなり役立ったと思います。
民間就活は、数を絞って確実に取りに行くことが肝要と思います。夏インターンはいろいろな業種を見ましたが、それ以降は業界を絞りました。早々に切り捨てるのはもったいなく感じましたが、時間・労力を100%民間企業対策に使っている他の学生たちに勝ちに行くことが最優先だと考えました。
適度に他人のアドバイスを活用しつつ自分の意思を貫くことも重要です。私は選考に何度も落ちたり、周りの人々から「国家公務員と民間就活両立は難しい」と言われたりして年末頃に病んでしまいました。「A社の結果が今週中に来なかったらにB社に申し込もう」「4月末までに内定が出なかったら一旦止めて外務省専門職の学習に集中しよう」と先を見据えて計画を立てるようにしました。
- 国際法の学習法
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基本的にTACのアドバイス通りにしていました。初学者にも分かりやすく、大変助かりました。
答練期は2週間のルーティンを作っていました。A単語レベルの暗記「ミニテスト→サイトマップ→章末問題2周」とB流れの暗記「全ての論文マスターテキストの問題を答案化→暗記」を並行して行うというものです。2週間のうち初めの方はA多めで、Aはできるだけ7日目までに終わらせます。答練が近づくにつれてBの分量を増やしていき、最後2日で総復習・穴埋めしました。
暗記方法は、①ノートに書きまくる、②音読(できない場面では黙読)です。私は読むだけでは覚えられなかったので、ひたすらノートを消費して書きました。
- 最後に:地域・言語にのめりこめる あなたに打ってつけの職業
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私はぼんやりと「海外に関わってみたいなぁ」と思っていたものの、昔から外交官になりたかった訳でも国家公務員にふさわしいような優等生だった訳でもありません。しかし、外務省専門職試験について知るにつれ、また実際に試験を受けてみて、外交・言語への熱意を持って学習・対策すればなれる職業なんだとの思いが強くなりました。こんな自分が外交官なんて無理と思っているそこの貴方!挑戦するのは自由ですよ!