外交官(外務省専門)合格体験記
信念をもって戦い抜く
仁平 知希さん
DATA BANK
研修語 | スペイン語 |
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出身校 | 法政大学 グローバル教養学部 (卒業) |
合格年度 | 2021年度 |
選択科目 | 憲法 |
- 受験動機:人々の交流を支えたい
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国際社会の平和に貢献したいと思い、外務省専門職員を志しました。大学に入学した年には米国におけるトランプ政権誕生など世界的に保護主義が台頭しており、人々の不安が脅威となる時代を生きていると感じました。人々の不安、とりわけ他民族・人種に対する差別や偏見を解消するためには人々の交流を通じた相互理解が不可欠であり、私は人的交流の前提である良好で安定的な国家間関係の構築に貢献したいと思いました。
また、高校と大学在学時にそれぞれ経験したアメリカ・メキシコ留学により、語学を用いて活躍する外交官に憧れていました。特に、専門職員は特定の言語や地域に精通した人材になることが求められることから、言語や文化に全てをかけてきた私の学生生活を振り返ると、これ以上に魅力的な職業はないと考えています。このような思いからも、外務省で自分の人生をかけてみたいと考えるようになり、外務省専門職員試験の受験を決意しました。
- TAC・Wセミナーのここがポイント:体系化されたカリキュラム
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TACの講義はかなり体系化されており、受講生の学習の得意不得意は関係なく誰でも合格レベルまで成長することができることが最大の魅力であると考えます。私は国際法、憲法ともに初学で全く知識が無い状態から受験勉強を始めましたが、講師を信じて学習を続けると、6月の本試験を十分戦い抜くことができる状態にまで成長することができました。
また、学習を進めるなかで不安なことがあると講師や合格者アドバイザーに相談することができ、些細なことでも相談をして心配が和らいだということがありました。また、受講生を学習面、メンタル面ともにサポートしてくれる方々がいるだけでなく、同じ目標を目指す志高い受験生同士でも切磋琢磨して高めあえる環境がTAC・Wセミナーにはあります。
- 自分に合う学習方法で
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私はTACが自宅から遠かったので、通信講座で学習していました。基礎能力試験科目については、倍速機能を利用し効率良く講座を消化し、復習として問題集を繰り返しました。一方で、専門科目は基礎を理解することが大切なので、無理して3時間の講義を1回で視聴しようとするのではなく、2日に分けて視聴することもありました。特に、国際法の講義についてはビデオを何度も停止し、講師の言ったことを適宜ノートにメモしていました。初めは理解できないことであっても、2周3周と繰り返す内にその意味が理解できたということも多かったです。また、自宅学習だったので周りを気にせずたくさん音読をしました。そうすると、国際法や憲法の慣れない言い回しも、答案としてアウトプットできるようになりました。自分に合う学習方法を見つけ、それを信じて継続することが合格に繋がると思います。
- 苦手科目を得意科目に
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国際法は覚えることが非常に多く大変な科目です。初めは理解することも困難で、問題文で問われていることすらわからず、さらには模範解答を見たときに「こんな文章が自分に書けるようになるのか」と驚いたことを強く覚えています。ですが、講師を信じて粘り強く続け、毎講義のテスト、演習、2月から始まる本番形式の答練、5月の本番前公開模試を受けきることで確実に力はついていきます。私は、本試験で基礎能力試験の点数が受験者平均より低く、スペイン語翻訳も失敗しましたが、丁寧に学習を続けた国際法と憲法で実力以上の力を出すことができ、救われたということがありました。
- 2次試験のスペイン語面接
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外国語面接の際は緊張と興奮で、面接練習でさんざん繰り返した入室の所作等を全て忘れたり、発言中に何度も噛んだりしてしまいました(笑)。というのは、大好きなスペイン語を言語のプロである外務省員と話しているという状況に感動したことと、今まで聞いたことないくらい正しく綺麗なスペイン語を流暢に話されていたことに圧倒されたからです。この感覚を忘れることなく、入省後は自分が言語のプロとして成長し、信頼される言語のスペシャリストになりたいと思います。
- 最後に:不安な時でも、自分を認めること
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専門科目と同様に大変なことが、不安と向き合うということです。学習を続ける中で、「自分は合格できるのか、合格したところで自分には外交官の資質がないのではないか」という不安は必ず生じます。ですが、それは他の受験生も過去の合格者もみんな経験することであり、不安な中でも一歩ずつ進み続けるしかありません。途中で学習が止まることがあっても、また立ち上がって進むことが必要です。私も冬の季節には不安で長い間学習ができないことがありました。ですが、やはり外務省に入省し、専門職員として中南米地域と関わり続けたいという思いを捨てきることができませんでした。そして、不安で学習ができない中でも外務省総合職の説明会に参加したり、外務省専門職員のパンフレットを見たり、合格者アドバイザーのブログを読んでいました。思い返すと、あの冬の季節に味わった苦しみや自分に対して情けなく思った感情は全て必要なことであったと感じます。冬は動物や植物にとっても辛抱の季節です。できない自分も含めて自分を認め、厳しい季節を耐え抜くことで、明るい春を迎えることができると思います。
そして最後に、受験生の皆さんへ。外務省専門職員試験は、長い戦いです。それは単に試験勉強である以上に自分と向き合うことであると感じます。それは、自分の興味や関心に素直に、真摯に、そして誠実に向き合い、自らの決断に責任をもつということだと思います。皆さんが自分との戦いを戦い抜き、合格されることを期待しております!