外交官（外務省専門）合格体験記

　英国留学中にアウシュビッツ収容所を訪問し、衝撃を受け、人生の使命について考える機会を得ました。その直後に現地でEU離脱、そしてコロナ禍を経験したことで「日常」は突然変わることを身をもって感じ、不安定な世界で、日本人・日本企業が安心して活躍できる環境を提供し続けたいと思いました。これまでの経験や、国内外で学んできた国際法の知識を活かし、外務省専門職員として日本人が活躍できる国際舞台作りに貢献したいと思いました。

　TAC・Wセミナーを選んだ理由は、一言でいえば、圧倒的な実績からです。わかりやすい講義や教材が揃っているだけでなく、担任カウンセリングや、合格者カウンセリングなどのサポートも充実しており、悩みがあればすぐに相談できる体制が整っていました。中でもTAC・Wセミナーに通ってよかったところは、2次対策の自主ゼミと呼ばれるもので、ここではTAC生同士が1つのグループになって面接やグループディスカッションの練習ができるようになっていました。一緒の目標にむかって頑張る仲間ができることで、「個人戦」の孤独感が払拭され、「チーム」のような連帯意識が芽生えました。自主ゼミのおかげで、本番も知り合いばかりの環境の中で、安心して試験に臨むことができました。

　私が外務省専門職試験に合格することができたのは、「戦友の存在」があったからだと胸を張って言うことができると思います。国際法や憲法の専門知識は、問題を出し合ったことで記憶を定着させることができ、基礎能力試験や時事論文、英語の過去問も隣で時間をはかって解いたことで集中することができました。誰かと一緒に学習することは、一人でやるより断然楽しく、効率よく学習することができました。また、わからないところを質問し合えたり、面接の練習も一緒にできたりしたことも大きかったです。戦友をつくることは、単に成績がのびるということだけでなく、自分自身の成長にもつながり、そして入省後も頼れる仲間になるという意味で良いことづくしなのでぜひおすすめします！

　私は11月まで民間中心の就活をしていたので、本格的に試験勉強を始めたのは、かなり遅い時期からでした。不安な時もありましたが、担任カウンセリング制度などを毎月利用し、あとどれくらいで周りに追いつくことができるかを逆算、焦らず進めることを意識していました。途中でわかったことは、周りのサポートを得ることができれば、間に合うということです。そして大事なことは追いつくことがゴールなのではなく、追いついた後も努力を続け、最終合格することです。その目標を見失わず、落ち着いて自分のペースで学習することで合格につながると思います！

　外務省専門職試験は長丁場です。専門科目の圧倒的な暗記量、内容の難しさ、基礎能力試験で学習しなければならない科目の多さや、高レベルの外国語能力と、ずっと学習していると心が折れることもあります。ダラダラと1日勉強するのではなく、私は自習室に行って朝の時間を有効活用し、18時には切り上げてあとは遊ぶというスタイルを確立していました。辛くて苦しい時に無理に学習することはさらに自分を追い込んでしまうだけです。そんな時は、休息をとって、興味があることや、趣味に没頭してリフレッシュすることが大切です。そのようにメリハリのついた生活を送ることは、この長い戦いに勝つためには不可欠だと思います。大変なこともあると思いますが、自分を追い込みすぎず、たまにはオフの時間も設けてみてくださいね！

　外務省専門職試験を受けるにあたって、民間就活や他の公務員試験を併願する人はいると思います。私もその1人でした。併願に至った最大の理由は、外務省専門職試験に受かる自信がなかったことですが、それ以外にも併願先・内定先との待遇面の比較など、理屈で考えていた部分がありました。そうするうちに、何が正解かわからなくなり、モチベーションの維持が困難になった時期がありました。そういう時、私は大好きな漫画『宇宙兄弟』の言葉を思い出すようにしていました。「何かで迷った時、どっちが正しいかじゃなく、どっちが楽しいかで決めなさい」。この言葉で、受験を決めた時の外交官への憧れの気持ちを思い出し、自分を奮い立たすことができました。皆さんも、自分の気持ちに素直になって、頭でなく、心で決めてみてください。そのうえで、「やっぱり外交官になりたい！」と思った方は、是非その気持ちを大事に突き進んでくださいね！