外交官(外務省専門)合格体験記
地理的にも「外交上」も最も近い日韓関係を目指して
稲川 みなみさん
DATA BANK
研修語 | 朝鮮語 |
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出身校 | 早稲田大学 国際教養学部 (在学中合格) |
合格年度 | 2021年度 |
選択科目 | 憲法 |
- 受験動機
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私が外務省専門職を志望した最初のきっかけとして、子供の頃に感じた現実とのギャップがあげられます。母の実家が九州であったため、里帰りの度に「対岸に釜山の街並が見えるよ」と言われ育った私は、隣接する異国に対し幼いながらに親近感を有していました。しかし成長すると同時に日韓関係の現実を知れば知るほど、韓国は地理的には最も近い一方で外交上は遠い存在である、という矛盾に違和感を覚えるようになりました。そこで、自らのスキルを活かして、日韓関係の改善の一助となりたいという志望を抱くようになりました。
大学では、安全保障分野において日本が推進するF O I Pの構想に関心を持ち、学習しました。今後の日韓関係・日米韓のミニラテラリズムは、同構想を推進していくうえで大切となると考えます。そこで、外交交渉を通じて、これらの関係強化を図っていく道筋として外務省専門職を志すに至りました。
- TAC・Wセミナーを選んだ理由
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私がT A Cへ入学を決めたのは、やはりその合格実績に惹かれたからです。そして実際にT A C生として合格を掴んだ今、その高い合格率の謎がすべて解明されました。ズバリ、T A Cのサポート環境は受験生にとって不可欠なものであると思います。1次試験対策の冊子や解説のわかりやすさ、答練などの実践対策の充実性はいうまでもなく、2次試験の対策まで抜け目なくサポートしてくれます。
私が最も感銘を受けたのは担任講師制度です。月1回担任講師の先生がマンツーマンでカウンセリングを行なってくださり、その時々にどのように学習に取り組むかを示してくださります。いわば合格への道標を辿ることができるため、迷うことはありません。また、個々のレベルに合わせた丁寧かつ的確なアドバイスは、特に直前期の精神的な不安要素を払拭し諦めずに取り組むための糧となります。担任講師に限らず、T A C講師・社員の皆さんは常に全力で受験生を応援してくださるため、その応援を信じて頑張ることで必ず合格を手繰り寄せることができるでしょう。
- 併願について
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外務省専門職試験を勝ち抜くうえで併願先をどうするかは大切です。私は最終的に公務員試験に絞り、防衛省専門職のみを併願することにしました。この決断に至るまでには、総合職を受けるか否かを迷った時期もありました。また、周りの友人が民間就活を終えていく中での焦りや、本当に民間就活を並行しなくもいいのかの葛藤がありました。これは公務員試験を受けるうえで誰しもが通る試練であると思います。そこで、今後の受験生の皆さんへ私ができるアドバイスとしては、自らの実現したい将来に対する揺るぎない軸を持つことです。10年後、20年後の自分を想像した際に何を心に描くか。私の場合、「日本の安全保障を向上させる」業務に勤しむ自分の姿を想像しました。それが、軸であり、あなたの将来を支える基盤となります。
この軸に沿って、私は安全保障に携わることができる防衛省専門職のみを併願するに至りました。併願先ばかりに気を取られて本命の試験準備が疎かになってしまっては元も子もありません。また、軸を早い段階から意識することは、2次試験において一貫した志望動機を練り上げるうえでも大いに役立つでしょう。併願先に迷っている人は、一度立ち止まって自分の実現したい「軸」を考えてみては?
- 希望研修語について
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と、ここまで読んで下さった方は、いかにも私が朝鮮半島情勢や日韓関係に関する学習に励んできたように思えるでしょう。しかし、実のところ朝鮮語を研修語として志望すると決めたのはつい最近のことです。私は欧州への留学経験があり安全保障強化であるならば、欧州諸国との関係構築でも十分実現できると考えていました(実際に、入学当初は東欧諸国の言語を志望していました笑)。
しかし運命の巡り合わせとは面白いものであります。外務省専門職試験の勉強を行う1年の間に、日本の安全保障にとって最も重要なのは近隣諸国との関係であると気付かせてくれたゼミの先生との出会いや、私生活における大きな心境の変化など様々な分岐点がありました。そして、今年度は東欧諸国の言語が殆ど募集されていない事実を知った際、私が目指す道は「朝鮮語のスペシャリストとなって、近隣諸国との関係を構築していくこと」であるという運命を感じました。その衝動に従った結果、実際に朝鮮語研修生となっています。小さな出来事や変化に目を向けてみることが、その後の人生を大きく左右するというバタフライ・エフェクトを実感した経験でした。
- 最後に:受験生の方へ
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私は、朝鮮語のスペシャリストとなって日本と他国との関係が良い方向に向かう一助となれるよう尽力して参ります。朝鮮語は初学ですが、言語を習得するセンスは自らの誇れる長所であると自負しています。私のように言語習得に自信がある方、複数言語が話せるという方は、ぜひ外務省専門職をおすすめします。最大の武器となるでしょう。外国語に長けていないという方であっても、言語を学ぶことが好きであるならば研修語のスペシャリストとして輝ける素質が十二分に備わっていると思います。すなわち、現時点で言語能力に長けている、長けていない関係なく言語を活用することを楽しめる人は、外務省専門職を目指してみませんか。きっと後悔しないはずです。
私自身、1日でも早く業務で活かせるように知見を増やし、日韓が親友になれるような未来を創り上げていけるように頑張ります。外務省専門職を考えている方、将来一緒に働けることを願って外務省でお待ちしています。自分の弱さに打ち勝ち、周りに感謝することを忘れずにぜひ夢に向かって頑張ってください、応援しています!