外交官(外務省専門)合格体験記
勉強も悩んだ日々も全て将来につながる
K.Aさん
DATA BANK
研修語 | フランス語 |
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出身校 | 東京外国語大学大学院 総合国際学研究科 (在学中合格) |
合格年度 | 2021年度 |
選択科目 | 憲法 |
- 受験動機:きっかけは在仏日本大使館での説明会
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初めて外務省専門職に興味を持ったのは、フランス留学中にパリにある大使館で説明会に参加した時でした。その後は漠然と外務省専門職に興味がありましたが、実際に受験を決めたのは帰国してからです。フランス留学中、フランスや欧州諸国に日本の文化が広まっているおかげでフランス人との交流が増えたり、日本に対して好感を抱いている人に多く出会ったりしました。文化は人々の交流を支えているものだと考え、将来は自分が日本と他国を結ぶ架け橋のような存在になれたらと思い、また公務員を志望していたので、この2つの思いを実現できるのは外務省専門職だと思いました。一度心を決めてからはこの職業への思いが強かったので、併願はしませんでした。
- TACのおすすめポイント:地方出身者に便利な通信制度
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私は地方出身だったので、TACの講義や答練、公開模試は全て自宅で受講・受験しました。全て自分でスケジュール管理するのは少し大変でしたが、大学の勉強とも並行して進めたかった私にとっては、通信講座で空いている時間を利用しながら効率的に学習を進めることができたと思います。また、TACではテキストや問題集がとても充実しているので、私はTACのテキスト以外特に自分で何も購入しませんでしたが、十分試験に対応することができました。
- 基礎能力試験対策:自分に合った戦略を
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基礎能力試験の知識は将来外交官として働く際にも活かせる科目がたくさんあると思ったので、最初は捨て科目は作りたくはないと思っていましたが、スロースターター+専門科目が初学だったこともあり、基礎能力試験対策は得意な科目に絞ることにしました。全て満遍なくコツコツと学習することに越したことはないと思いますが、試験に通るためには自分に合った戦略を考えることも必要だと思います。
- 専門試験対策:試験のためだけではなく、将来のために
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私は国際法も憲法も初学でした。特に国際法は暗記する量に圧倒され、さらに講義を受けてもなかなか自分の中で消化できない期間が長かったように思います。憲法は、始める前は苦手意識があったものの最終的には一番得意な科目になりました。憲法の講師のの講義スタイルが自分にあっていたことやニュースと関連づけながら学習できたことが、比較的早く覚えられることに繋がったと思います。
国際法も憲法も共通して言えることは、暗記ではなく「理解」することを意識しました。もちろん試験のためにある程度の知識を身に付けなくてはいけませんが、どちらの科目も試験のためだけではなく入省後も重要になると思います。学習が大変だと思った時は、そのように考えるとさらに頑張れると思います。
- 2次試験対策:初心を忘れずに
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私は外務省専門職一本に絞って受験したので、面接は外務省専門職の2次試験が初めてでした。形式面で言えば、恥ずかしながらはっきりと大きな声で喋るということから練習しました。緊張すると自分の良くない癖が出がちなので、練習から意識して直すようにしました。内容面では、ある程度自分の方向性は決まっていましたが、同じ受験生からアドバイスをもらったり、性格については主観的な考えと客観的な考えがあっているか確認するために他己分析を友人にお願いしたりしました。周りからのアドバイスは積極的に吸収しましたが、その一方で自分の初心を常に忘れないように心がけました。外務省に興味を持ったきっかけや自分がどのように貢献したいか、自分の強みなど軸が定まっていれば、面接も対応できるようになると思います。
- コロナ禍での受験:自分の学習スタイルを作る
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大学院も全てオンライン授業、TACの講義も全てWeb通信講座…。元々勉強は大学や図書館など外部で、家では自分の好きなことをするというように勉強と自分の時間を分けるのが自分のスタイルだったので、当初は新たな生活リズムを確立するのに苦労しました。そこで、○:○〜□:□までは勉強、●:●〜■:■までは自由時間というように時間を区切って生活するようにしました。実際、勉強時間の中身も具体的に決めないと勉強に偏りが出るので、それぞれの科目の進み具合でその日費やす時間を決めていました。一方、自由時間にはよく映画や海外ドラマを見ていました。映画は英語の良いリスニング教材にもなりますし、映画には人生を豊かにしてくれる素敵な言葉もたくさんあります。気分転換しつつ励みになりました。リフレッシュする時間を作るのもとても大切だと思います。
- 最後に
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私は1次試験前も2次試験前も緊張でよく眠れませんでした。しかし、これほど緊張するのはこれまで全力を注いできた結果だし、真剣に向き合ってきた証拠だと思ってプラスの方向に捉えることができました。振り返れば、進歩を感じられた日は少なくて、不安や焦りを感じている日々の方が多かったです。それでも外務省専門職試験に通ることができたし、自分の思いを伝えることができ、採用してもらえたと思います。悩みながら進んだ日々は決して無駄にならないと思います。今後受験される皆様が全力を尽くされることを願っています。