外交官(外務省専門)合格体験記
どれだけ自信がなくても最後までやり抜いて
椙村 真琴さん
DATA BANK
研修語 | ドイツ語 |
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出身校 | 慶應義塾大学 法学部 (卒業) |
合格年度 | 2021年度 |
選択科目 | 憲法 |
- 外務省専門職を目指したきっかけ
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私が外務省専門職を目指したのは、得意の語学を使って日本のために働きたいと考えたからです。幼少期のトルコ・チェコ在住経験やドイツ留学を経て、自分の日本人としての自覚を強めたことから、次第に母国に貢献する仕事がしたいと考えるようになりました。そのうえで、これまで多くの時間を割いて勉強してきた英語やドイツ語が使えるということ、世界を舞台に働くことに魅力を感じたため、外交官を目指しはじめました。
- 各科目への取り組み方法
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勉強方法は人それぞれですから、私の意見はあくまで参考程度にみていただけると嬉しいです。
① 国際法
私は国際法が大の苦手だったので、「平均点を取れればよし」と割り切り、とにかく基礎を固めることを最後まで意識して勉強していました。非常に難解な内容ですが、繰り返し読んだり書いたり口に出すことで少しずつ定着していきました。最初から全てを覚えようとすると挫折してしまうので(私がそうでした)、苦手意識がある方はまず基本マスターテキストやミニテストの内容を理解して繰り返すことを優先すると良いと思います。
② 憲法
まず論証カードを覚えないと答案が書けないので、早めのうちにきちんと覚えるようにしました。電車に乗っている間や歯を磨いている間などのスキマ時間を有効活用して、少しずつ消化しました。答案のいわゆる「具体的検討」の部分は、とにかく書く練習することが必要です。人が書いたものを読んだだけでは書けるようにはならないので、早い段階から自分で書いたものを人に見てもらい、フィードバックをもらいながら徐々にブラッシュアップしていくのが理想だと思いますが、私自身は一緒に勉強する友人友達もおらず人に見てもらえる機会があまりなかったので、自分の検討に説得力があるか、論理的にずれていないかと常に批判的に見ていました。
③ 外国語
英語が一番の得意科目だったので、ここで点を稼ぐ戦略でした。私は読売新聞の「The Japan News」というコラムを毎週切り抜いて、知らない単語を覚えるとともに英→日と日→英で訳す練習をしていました。年が明けてからすぐに過去問を解き始め、外交用語を暗記したり自然な言い回しができるようにしたり工夫していました。しかし、本番では時間があまりないのでとにかく全てを訳しきることが最も大切です。日頃から素早く訳す練習を積んでおくと良いと思います。
④ 基礎能力
数処数的処理は11月から毎日必ず5問解いていましたが、本番では結果があまり芳しくありませんでした。数処数的処理はもちろん勿論大事な分野ではありますが、基礎能力試験の範囲も膨大なので自分の得意分野を見定めてある程度取捨選択することも必要かと思います。私は文章理解と人文科学に重きを置いて安定的な得点源にしていました。
⑤ 時事論文
NHKの「時論公論」を見て時事ネタを拾っていました。後回しになりがちな科目だと思いますが、本番前に慌てないためにも早いうちから答案を書く練習をしておくべきだったと反省しています。
- 最後に:どれだけ自分に自信がなくても
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今でこそ合格し、このような体験記を書かせていただいていますが、受験受講生だった当時は全く自分に自信がありませんでした。周りはみんな頭が良さそうだし、専門試験科目の範囲は膨大、やってもやってもできるようにならない数処数的処理、答練の悲惨な結果…。外交官に憧れて受験勉強を始めたけれど、やっぱり自分には無理だったんじゃないかと、何度も思いました。そんなことを思いながら年が明けて数日経ったある日、突然無気力になり勉強が何も手に着かなくなりました。コロナの状況は当時過去最悪レベルで、息抜きに友人友達にも会えない、諸事情により家庭内の空気も過去最悪レベル、そして迫りくる大学卒業(=待ち構える無職)…。様々な要素が重なりあい、私は1月初旬から2月初旬までの期間、何もかもが嫌になり国際法と憲法の一切の勉強を放棄してしまいました。外専外務省専門職の受験をやめることを半ば決意し、2月初旬LA合格者アドバイザー(LA)とのカウンセリングでその旨を伝えたところ、「ここまできて諦めるのは勿体ない。最後までやってみないと結果はわからない。」と強く背中を押していただき、翌日重い足を引きずってなんとか第1回目の答練に向かいました。その週を境に私は徐々にやる気を取り戻していき、とりあえず最後まで外専の試験を受けきろうと考え始めました(LAの皆さん、本当にありがとうございました…!)。3週間もの間、専門科目の勉強を放棄していたので、勿論答練の結果は毎回ひどいものでしたが、それでも「本番がうまくいけばよい」というマインドで残りの期間は勉強していました。
もし、受かる気がしない、受験勉強が辛くてやめたいと考えている人がいれば、最後まで諦めないでほしいです。試験勉強は私にとって確かに苦しいものでしたが、最後までやり切ったことで学力面、精神面共に得たものは多く、非常に成長できたと感じています。ずっとポジティブに勉強学習を続けられるのが理想ですが、私は最後まで自分が合格できるなんて微塵も思っていませんでした。試験を最後まで受けきればは誰にだって合格するチャンスがありますし、本当に、結果は最後まで誰にも分かりません。どれだけ自信がなくても、自分を信じて是非最後までやりきってほしいと思います。心から応援しています。