外交官(外務省専門)合格体験記
試験勉強は自分自身とのコミュニケーション
I.Fさん
DATA BANK
研修語 | ロシア語 |
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出身校 | 一橋大学 社会学部 (在学中合格) |
合格年度 | 2021年度 |
選択科目 | 憲法 |
- 受験動機:コロナ禍の留学で…
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大学で芽生えた言語への興味を実践的に社会に活かしたいと考えていた折、留学先でたまたま受講した日本文化論の授業でまわりから質問攻めにあって四苦八苦した経験から、自分の生まれ育った日本や、この国の世界の中での立ち位置について理解を深めることを通じて国に貢献したいという気持ちが生まれました。これが形になったのは、コロナで留学先から帰国するときに在英日本大使館からの情報発信やサポートをとても心強く思い、国難や世界の危機に際して最後まで最前線で立ち向かうことが求められる外交官になりたいと思った瞬間です。
- TAC・Wセミナーを選んだ理由:高い合格実績と手厚い2次試験対策
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まずは高い合格実績に信頼できると感じたことと、実は本試験よりも心配だった2次試験対策がとても手厚いと知って頼もしく思ったからです。ほかにも、国際法の教材は単なる採用試験対策以上に、色々な論文や学説の比較、時事問題の検討などがたくさん盛り込まれており、まったくの初学の人でも丸暗記だけでなく自分の頭で考える練習を通じてどんな問題にでもチャレンジできる実力を身に着けることができます。
2次試験対策では、個人では手に入れにくい試験のこまかな情報が今まで合格された先輩方のおかげでたくさん共有されており、様々なケースに備えてイメージトレーニングに励むことができます。また、同じ志を持った仲間たちに囲まれて面接練習に打ち込めるのも強みの一つです。
- 専門試験対策
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国際法:一通り講義を観終えた後は、ひたすら論文マスターや試験、答練など手に入る問題と基本マスターテキストを照らし合わせ、教材の内容を正確に思い出しつつも、枝葉の知識まで芋づる式に連想できるように余白に新規情報をみっしり書き込みました。また、英語の学習も兼ねて海外の国際法系のニュースやブログを読むことで実際の事件について国際法的に考えてみる機会を作りました。特にベラルーシがジャーナリストの乗った飛行機を無理やり自国に着陸させた事件は、苦手な航空法が舞台だったこともあり、生の事例で学ぶチャンス!と思ってニュースウォッチングに励んだのをよく覚えています。
憲法:巻末の論証カードを何周もして落とせない得点は抑えつつ、社会問題にふだんから関心を持つことで充実した答案が書けるように心がけました。また、判決文や裁判当時の新聞記事・社説などを検索して世間のリアルタイムな実況感を追体験し、どんな問題でも自分事のように地に足の着いた検討ができるように努めました。
また答練は受けっぱなしにせず、特にビデオ受講していると普段は画面越しでしかお目にかかれない講師から直々にフィードバックを戴くまたとない機会を無駄にしないように、赤字の隅々まで骨肉にするつもりで気負いました。欲を言えば、質問メール制度をなんとなく大事に取っておかずもっと上限まで積極的に活用すべきだったと思います。
- 2次試験対策
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1次試験までは部屋にこもり切りで修行僧ばりの生活を送っていたので、2次試験対策初日はちゃんと人との話し方を覚えているだろうか……という不安な気持ちで始まりました。幸い、自主ゼミではやる気と思いやりにあふれた力強い仲間に恵まれ、対面にオンラインにと粘り強く面接練習やフィードバックを繰り返すことで、筆記対策で図らずも身についてしまったしゃちほこばった考え方や話し方がどうにか人間らしくなるまでになりました。 練習だけでなく、2次試験期間中も落ち込んだときにはお互いにLINEで励まし合うことでなんとか気力を保ち、最終日まであきらめずに通い抜くことができました。こうして得られた友人が春から世界各地で働く同僚になるのが、今からとても楽しみです。
- 自宅学習(通信生)の心得
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迷わず通信受講を選んだは良いものの、周りに同じ受験生がいないため、自分は遅れすぎていないだろうか…と常に不安と隣り合わせでした。そのため、積極的にカウンセリング制度を利用し、講師やアドバイザーの方に親身に相談に乗っていただきました。そしていただいたアドバイスを元に、つねに試験まで半年間の全体像を見据えて自分自身と何度も相談を繰り返しながら学習の計画を立てたり変更したりと、たとえなんだか捗らない日が続いても軸だけは見失わないように気を付けていました。 また、(TAC外ですが)オンライン自習室に参加してみて、他国で公務員試験を受けている友人や、ステイホームしている世界中の学生と出会い、ビデオをつないで一緒に勉強したり雑談を交えた休憩時間で息抜きしたりしたことで、留学からの帰国後も英語力を保つことができました。コロナで家から出るのには気が引ける通信生の方には、こういったオンラインのコミュニティを探してみるのもおすすめです。
- 最後に:受験生の方へ
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専門科目を今まで学習したことがなかったり、海外経験が少なかったりと、たくさんの華やかな合格体験記や周りの受験生と自分を比べて不安を抱えている私のような人にとって、外務省専門職試験はとても高い壁に見えると思います。ただ、それぞれの受験生が一人一人違った強みや、弱点、個性や目指す理由を持っています。そんな中で、決して完璧ではない自分自身について試行錯誤を繰り返しながらとことん知りぬく努力をした人こそが、筆記試験でも2次試験でもよい結果を手にできる試験だと受けていて感じました。体調に気を付けてがんばってください!