外交官(外務省専門)合格体験記
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I. Yさん
DATA BANK
研修語 | 中国語 |
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出身校 | 上智大学 外国語学部 |
コース | セレクト憲法本科生 |
選択科目 | 経済学 |
- 外務省専門職員を目指したきっかけ
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学生時代に米国へ留学した経験から、漠然と日本の国際社会でのプレゼンスを向上させる仕事をしたいと思っていましたが、外交官は遠い存在で自分には全く縁がないと思っていました。しかし、民間企業に勤務する中で外務省員の方々と接する機会が多くあり、将来何を成し遂げたいかを再考した時に、外交官という選択肢が浮かんできました。試験について調べていると、憲法と経済学が選択制となり、社会人が受験しやすくなったばかりだったことが分かり、天啓にうたれたように即座にTAC・Wセミナーに申し込みに行きました。、遅れているアフリカ」という認識は思い込みによる部分が大きいことを痛感しました。
アフリカは、おそらく私(我々?)が思っているより遥かに発展しています。ルワンダの渡航を通じて、ODAや経済外交を通じた日本とアフリカとの関係強化が両国・両地域の発展に寄与すると思ったため外務省専門職員を志望したわけです。(でもまさかのアラビア語採用になったので、アフリカと関わる機会は少ないかもしれません…笑)
- 合格者占有率の高さ
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なんといっても、長年の蓄積による豊富なノウハウに裏打ちされた合格実績でしょう。受験生一人ひとりのバックグラウンドや勉強の進捗状況に合わせて、講師の方々に適格なアドバイスを頂けます。
また、合格者占有率が高いということは、同期入省する多くの方々と前もって交流する機会に恵まれるということです。自分と共通する志を持った優秀な方々と接するのは刺激的ですし、今後の人生のかけがえのない財産になると思います。
- 社会人として挑戦すること
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私の場合、幸いにもワークライフバランスがそれなりに尊重される会社にいたため、平日も約3時間の勉強時間を確保できました。社会人の方は、効率的に勉強方法を確立するのは勿論のこと、週末や長期休暇も勉強に時間を費やすリスクに対する覚悟が必要です。
1次試験は単純に筆記の出来不出来のみで判断されますが、2次試験の人物試験では、むしろ社会人でなければ持ちえない経験や実績をアピールできます。外務省は多様な人材を求めています。学生とは異なる魅力をしっかり伝えられれば、合格を手繰り寄せることが出来るはずです。
- 各科目の勉強方針
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【国際法】
根気の要る科目ですが、外交官を志す以上避けては通れませんし、実務でも国際法の知識は使われます。初めのうちは全体像が中々掴めませんが、焦らず自分のペースで一歩ずつこなしていけば問題ありません。 ある程度慣れてくると受験生皆同じような答案になってくるので、他の文献を読む等してオリジナリティを出せれば理想かもしれませんが、そもそもの暗記量が膨大な為、余裕のある方は少数だと思います。絶対に落としてはいけない論点を確実に書けるようにすることがまずは何よりも重要ではないでしょうか。
【経済学】
経済外交に興味があったこと、民間企業に勤務する中で日々経済ニュースに接していたため選択しました。しかし、ド文系&初修の自分にとってはグラフや数式の意味を理解するのに時間がかかり、「選択ミスったかな」と思う場面が幾度もありました。
しかし、入省後に活かせるであろう知識もあること、憲法より相対的に選択者が少ないため一目置かれる(?)と勝手に考えてモチベーションを維持しながら、分からない箇所を講師に確認しながら丁寧に一つずつ潰していきました。
【基礎能力】
一定のボーダーラインに達しないと足切りを喰らうため決して侮れません。私は、全40問中16問を占める数的処理が苦手だったので、どんなに他の科目で良い点数を取れても数的処理が原因で不合格になるのではないかと、常にヒヤヒヤしていました。外専受験生は文系の方が多いですが、数的処理は早め早めに問題に慣れておくことが重要です。
一方で、その他の知識分野は基本的にコスパが悪い(要する勉強時間に見合う結果に繋がりにくいという意味)と感じました。実際、私は日本史と世界史に相当な時間を費やしましたが、本番では両方とも不正解でした(泣)。一方で、思想や地理等、短時間で得点に繋がりやすい科目もあるので、自身の得意不得意に合わせて勉強時間の配分を決めることが重要です。
- 狭き門を行け
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『新約聖書』-「マタイによる福音書」7章13節から14節にこう書かれています。 「狭き門より入れ。滅びにいたる門は大きく、その路は広く、これより入る者は多し。生命にいたる門は狭く、その路は細く、これを見出すものは少なし。」
楽な道よりも、苦労を覚悟して困難な道を選ぶことで理想に辿り着けるということだと思います。外務省専門職試験の倍率は年々低下しているとはいえ、難関試験であることに変わりはなく、受験勉強を選択することで生じる機会費用は相当なものです。志高い皆さんが、この狭き門をくぐり抜けることを切に願いつつ、私の大好きなB'zの「ユートピア」という曲から一フレーズを紹介します。
「強く願うだけじゃ足りないよ Now is the time 狭き門を行け
あなたの生まれた瞬間がこの世界の始まりなんだから
遅くはない早くもない Now is the time 燃える道を行け
あり得ないと決めて安心するのはやめて 描きなおしてもいい
遠い日の落書きのユートピア 辿り着けるようにやりましょ」