外交官(外務省専門)合格体験記
「日本と言えば川口」と言われる外交官に
川口 祐樹さん
DATA BANK
研修語 | アラビア語 |
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出身校 | 大阪大学 外国語学部 (在学中合格) |
コース | 総合本科生(現:総合本科生プレミアム) |
選択科目 | 経済学 |
- なぜ外務省専門職なのか
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私はアラブの春やISISの問題をきっかけにアラブに興味を持ち、大学ではアラビア語を専攻しました。大学3年次のエジプト留学中、新首都建設やスエズ運河拡張における中国の莫大な影響力を感じたと同時に、官民の両レベルでの日本に対する印象の良さも実感しました。このような経験から、日本は中東地域との関係をさらに深めていかなければならないし、実際にそうすることは可能だと考えるようになりました。そこで大学時代に学んだ知見を深化させ、相手国の言語・文化・宗教に精通し、相手が何を基準にどういう判断を下すかという価値観を理解した上で、政治・経済・文化などあらゆる観点から中東・北アフリカ地域にアプローチしていきたいと思い、外務省専門職を志望しました。
- 圧倒的な合格実績と支援体制
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外務省の専門職員になりたいという憧れは高校1年生の時からありました。その一方で、自分なんかが外務省に合格するのだろうか、留学もしたいのに勉強時間が確保できるのだろうかという不安も常にありました。そこでTAC・Wセミナーの無料講座説明会に参加し悩みを相談したところ、留学経験者でもしっかり勉強時間を確保して最終合格を勝ち取っていることを知り、入会を決めました。TAC・Wセミナーでは関西の校舎で勉強をしていましたが、人数が少ない分、同じ目標を目指して勉強している者同士みんな仲が良く、お互いに切磋琢磨し、また担任の先生や合格者アドバイザーの先輩方のカウンセリングなどTAC・Wセミナーのサポートシステムをフル活用して合格を勝ち取ることが出来ました。
- 点数は負けても気持ちは負けない
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私は外国語学部出身で国際法も経済学も憲法も学習したことがなかったため、入会当初は各科目の膨大な学習量に気が遠くなることもありました。しかし、絶対に合格して優秀な外交官になるという思いだけは誰にも負けなかったと思いますし、勉強が嫌になってしまいそうな時こそ自分にそう言い聞かせて乗り越えることが出来ました。また受験勉強も、試験のための勉強というより、入省後に必要になる知識を先に勉強しているという感覚で行うことが大切だと思います。卓越した語学力を武器に外交官として活躍する自分の姿をイメージして、たとえテストの点数では及ばない人がいたとしても、外交官になるという熱い思いだけは絶対に負けないことが重要です。
- 国際法は暗記科目ではない
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受験勉強をしていると、国際法はどうしても暗記偏重になりがちです。私は国際法という外交官にとって最も重要な武器を暗記科目にしてしまうと、試験後には国際法の知識を忘れてしまうのではないかという強い危機感がありました。そこで、答練期以降は市販の国際法の教科書や様々な国際法学者の論文を読み漁り、TAC・Wセミナーの教材を別視点から考察して論理的に反駁し、説得的に自説を展開しようという能動的な態度で国際法を勉強していました。国際法初修の私が僅か1年足らずで一つの問題について様々な角度から考えられるようになったのも、TAC・Wセミナーの先生と教材が短期間で基礎から応用まで身に付けさせてくれたお陰だと思います。
- 経済学はミクロ・マクロだけではない
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近年、外務省専門職試験の経済学では、単純なミクロやマクロ経済学以外の分野からの出題が続いています。しかし、TAC・Wセミナーの教材はミクロ経済学・マクロ経済学の基礎から応用まで網羅しているため、国際経済学や財政学・開発経済学など他分野の知識でも、独学で十分な知識を身に付けることができます。また、経済学は教材の中で理論を勉強するだけに留まるのではなく、その理論が現実世界とどのように繋がっているかを理解することが重要です。いったん点と点が繋がれば、後は芋づる式に線と線が結ばれるようになりますし、本試験で見たことのない問題が出ても必ず対応できるようになります。また時事論文試験やグループ討議試験でも経済学で学習した知識が生かせるようになるのは勿論のこと、ニュースの見方が変わり、日々の知的な発見を楽しめるようになるでしょう。
- 地方在住者の東京遠征
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2次試験はおよそ10日間に渡って外務省本省で行われるため、関西をはじめとする地方在住の受験生はその間、東京に宿泊する人が多いです。私は関西の受験生仲間で声を掛け合って、同じホテルに宿泊していました。みんなでご飯を食べに行ったり部屋で面接練習をしたり息抜きに散歩に行ったり、仲間たちと良い時間が過ごせたと思います。その一方で、やはり費用のこともある程度は覚悟しておくべきでしょう。私自身、民間就活や国家総合職の試験も合わせると、6月から8月の間に東京と大阪を4往復し、東京に計18泊しました。新幹線代やホテル代だけでなく、滞在中の食費や移動費も加えるとかなりの金額になるので、事前に心の準備もしておくことが重要です。
- 外交官になるということ
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それは、その言語で日本一のプロフェッショナルになるということです。私は外務省専門職試験の過酷な受験期間中、一度たりとも「日本一のアラビストになる」という野望を忘れたことはないつもりです。アラブ諸国出身の外交関係者だけでなく、アラブ諸国に駐在している外交団からも「日本といえば川口がいる」と言われるような外交官を目指し、終わりのない道に向かって一歩ずつ進んで参ります。また外交官になると、日本国の威厳を体現する存在として外交特権が付与されます。この果てしない責任感・使命感の下で語学力を磨き、それを日本に捧げることのできる外務省専門職は、外国語を学ぶ者にとって最高の職業です。このページを開いて下さった皆さんと、外務省でお会いできる日を楽しみにしています。