外交官(外務省専門)合格体験記
不忘初心
T.U.さん
DATA BANK
研修語 | 中国語 |
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出身校 | 大阪大学 外国語学部 (在学中合格) |
コース | セレクト憲法本科生 |
選択科目 | 憲法 |
- 外務専門職の志望理由
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幼少期に父親の仕事の都合で中国の北京に長期滞在したことで、中国の悠久な歴史や多種多様な文化に興味を持ち始め、漠然と将来は日中関連の仕事がしたいと思うようになりました。進路選択に悩んでいる時期に偶然外務省専門職のパンフレットを見かけて、“言語と地域のスペシャリスト”というフレーズが心に刺さり、これまで培ってきた語学力や知見が発揮できる職業であると確信し、志望しました。
- TAC・Wセミナーを選んだ理由
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数多くある公務員予備校がある中で、TAC・Wセミナーを選んだ理由はやはりその圧倒的な合格率です。毎年、合格者のほとんどがTAC・Wセミナー受講生であり、もともと専門科目が未修の方々も多数合格していると伺ったため、迷わず選択しました。独学では難しい外務省専門職の国際法や憲法をTAC・Wセミナーのカリキュラムに沿って勉強を進めたことで本番も難なく解答することができました。
- 勉強法
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【専門科目】(国際法、憲法、時事論文)
まずは敵を知ることが重要です。全科目1500字強の論文を書くことは共通してますが、憲法(人権)は事例が、時事論文は参考文章がそれぞれ与えられ、それらを踏まえた解答が必要になるのに対して、国際法や憲法(統治)はそれらの条件なく問いに対して自力で文章を構成して答える必要があります。論理的な論文答案を仕上げるためには単に知識を暗記すること、また単に文章力を磨くことだけでは不十分です。すなわち、暗記と理解の絶妙なバランスが重要であると思います。実際に私が行っていた勉強法は、自習室や図書館ではひたすら問題を解き(外務省専門職の過去問、基本マスター・論文マスターに記載の問題、試験委員の著書に記載の問題、試験委員の所属する大学院の入試問題などを片っ端から解きました)、家ではリラックスしてお風呂に入りながら章末問題や論証を覚えていました。
【基礎能力】
外務省専門職の試験において一番重要な科目だと思います。理由は2つあり、まず点数に差が出やすいことが挙げられます。基礎能力の点数は偏差値に換算されて表示されるため、基礎能力試験の1点の差が実際の点数ではかなり大きな差になることが多々あります。もう1つは、基礎能力試験が足切りに使われているということです。近年、足切りラインが低下傾向にありますが、基礎能力試験は試験後に唯一正確な自己採点ができる科目であるので、高得点を取って安心して2次試験対策に挑むことが精神的に重要であると思います。具体的な勉強法としては、過去問を140分(本番よりも短い時間設定にするとなお良し)はかって解くだけです。確かに毎日数的処理を数問、文章理解を数問といった様に解くのも学習を継続化させる点においては良いかもしれませんが、それでは時間配分の感覚を養ったり、臨場感を味わうことができないので私は40問一気に解くことをお勧めします。
【英語】
私は外務省専門職の英語対策の軸を語彙量の増加と演習に置いていました。まず、語彙に関しては英検1級の単語帳を半年かけて丸暗記しました。単語そのものだけでなく、熟語や短文も合わせて覚えることで和訳のみならず、英訳にも活きました。また、演習に関しては本番と同じくらいの分量の文章を時間をはかって英語に翻訳していました(和訳に関しては大学受験で相当訓練したのでカットしました)。この1次試験の英語が悪いと面接官にも印象が悪いと思うので(実際、面接で突っ込まれている方もいた)、TOEFLやIELTSのスコアが高い人も入念に対策する必要があると思います。
- これから外専を志す皆さんへ
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“根拠のない自信を持て。それを裏付けるだけの努力をしろ”。これは私が受験勉強の際に自らに言い聞かせていた好きな言葉です。いざ学習を始めてみても、周りの人の優秀さや試験科目の難しさを目の当たりにして自信を失うことも多いと思います。私もそうでした。私は然したる社会経験もなく、専門科目も初学であり、中国留学後で英語の学習も出遅れており最底辺の受験生であったと思います。そんな私が合格できたのは日中友好の懸け橋になるんだという強い熱意と自分を信じて努力できたことにあると思います。嘘でもいいから自分を、自分の夢を信じてみてください。すべてはそこから始まります。頑張って下さい。