Vol15【2020年度内定者海外体験記】 オマーン
こんにちは!関東の合格者アドバイザーを務めている大矢と申します!私は、大学二年の春休みの2か月間を利用して、中東のオマーンにある、Sultan Qaboos College for Teaching Arabic Language to Non-Native Speakers(以下SQCと省略)で正則アラビア語(いわゆるフスハー)を学んできました。
・留学先の学校について
留学先の学校SQCについて知ったのは、大学一年の時に自大学で開かれた日本・オマーンの国際シンポジウムにてです。偶然、上記の学校で勤務されているオマーン人の方が参加されており、SQCを紹介していただきました。
授業は基本、朝の八時から午後一時まで、休憩を挟みつつ行われ、私が参加したときには中級コース、上級コース、イギリス陸軍士官専用のクラスの、計3クラスが開かれていました。少なくとも私が留学したころは、世界各国の大学や機関が語学研修の派遣先としてこの学校を検討しており、イギリス陸軍が人材育成の為に派遣していたほか、ヨーロッパの大学から教授が見学しに来たりしていました。
さて、実際の授業の話に戻ります。
私が属していたのは上級クラスで、主にオマーンのニュースに関するメディア教材、古典詩なども同時に用いていました。授業がほぼ全て正則アラビア語で行われ、私のクラスメートも10人おり、学習歴が3~4年の人、またアラビア語を専攻している学生がほとんどであったので、大学でアラビア語を専攻していたわけでなく、学習歴も2年に満たない私にとって、最初は困難でした。
ですが、日常的にアラビア語に触れる中で、口語(アンミーヤ)も併せて学び、徐々にアラビア語に慣れていきました。
・留学中のあれこれ
勿論二か月間ただひたすら勉強をしていたわけではなく、週末や授業期間終了後には首都マスカトやオマーン内の他地域を訪れる機会も持ちました。ラクダに乗ったり、現地で仲良くなったオマーン人の友人らと島にキャンプしに行ったり、綺麗な渓流をのぼっていったり、旅行先が豊富で、正直なところ、見たいところの半分も見ることができませんでした。
またオマーンは、古くから、インドやペルシア、バローチスターン、東アフリカ(特に、現在の王朝がかつて首都を設置していたザンジバル)などといった周辺地域との交流も盛んであったため、多様な文化が共存している点も、非常に興味深いと思いました。話される言語は十人十色で、スワヒリ語の混じったアラビア語を話す人なども沢山見かけました。料理についても、特に住民の中にもインドやアフリカ出身の方が多いこともあってか、それらの地域の影響を受けた料理も多かったです。ただ油っこいものや甘いものが多いせいもあり、滞在中にかなり体重が増えてしまいました(笑)。
・さいごに
2カ月という短い期間でしたが、私はこの留学経験から、ただアラビア語やアラブ諸国を眺めるだけでは中東地域に関して十分に理解できないと実感しました。私はこれまでアラビア語の学習に注力してきましたが、外務省受験の際にペルシャ語を第一志望としたのも、この留学経験があったからこそだと思います。
今後はペルシャ語専門職員としてペルシャ語を極めつつも、より広い視野を持つことを心掛け、日本の将来の為に尽くしていきたいと思います。
①オマーンの首都マスカト
②マスカトのスルタン・カーブース・モスク
③オマーンの伝統衣装、ベラルーシ人のルームメイトとともに
④オマーンの自然
⑤オマーンのダウ船
⑥ラクダレースに参加する前のラクダ
⑦カブサ、アラビア半島でよく食べられる料理
⑧マスカトのブックフェアでの日本展