簿記2級で出題される問題は?
傾向や学習方法について解説!
簿記2級は、保有していることで企業からの需要が高まり、就職・転職にも大いに役立ちます。試験問題は商業簿記と工業簿記の2種類です。
落ち着いて試験に臨むためには、必要な知識をインプットするだけでなく、簿記2級で出される問題に慣れておくことも重要です。本記事で解説するので、参考にしてください。
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簿記2級とはどんな試験?
簿記2級は認知度も高く、保有していると、就職や転職の際にも評価されやすい試験のひとつです。「2級」と書いたように、簿記には他にも1級や3級があり、それぞれ難易度が異なります。
そこで本章では、簿記という試験について、種類ごとの特徴や企業からの需要、合格率の推移などを解説していきます。これから簿記2級の試験に臨む方は、参考にしてください。
参照:日商簿記検定試験|日本商工会議所
「簿記」には5種類がある
日商簿記検定試験には、初級と3級〜1級の4種類、日商原価計算初級と合わせて5種類あります。それぞれの試験に合格することで、以下のようなスキルがあることを証明できます。
種類 | 特徴 |
---|---|
1級 | 高度な「商業簿記」「会計学」「工業簿記」「原価計算」に関する知識を修得していることの証明となる |
2級 | 経営管理に役立つ知識を有していることの証明となる |
3級 | ビジネスパーソンが身につけておくべき、必須の知識を理解していることの証明となる |
簿記初級 | 簿記の基本用語や複式簿記の仕組みを理解していることや、それらを業務に活用できることの証明となる |
原価計算初級 | 原価計算にまつわる基本的な用語や、原価と利益の関係性を分析または理解し、業務に活用できることの証明となる |
2級保有者は、企業からの需要が高い
日商簿記試験にはは5種類あると説明しましたが、簿記2級は、経営管理に役立つ知識を学べる試験です。
3級では簿記の基礎である勘定科目、仕訳等のルールを理解するのに対して、2級では3級の知識を土台として中小規模の株式会社の会計処理、新たに学ぶ工業簿記ではコスト管理の仕組みを理解していきます。そのため、経理、財務担当者だけではなく、あらゆるビジネスパーソンに必要な知識が2級に含まれています。そのため、企業からの需要が高いと言えるでしょう。
2級取得者が企業から求められるのは、試験合格へ向けた学習のなかで、経理業務に活かせる知識だけでなく、経営管理や経営分析がおこなえるスキルを身に着けることができるからです。実用的な内容を習得し、実際に役立てると判断されるでしょう。
合格率の推移は?
簿記検定は、相対評価ではなく、100点満点中70点以上が取れるか否かという絶対評価の試験であり、実施回により多少の違いはあるものの、合格率は10~30%前後で推移しています。
ここ最近の合格率は以下の通りです。
参考:2級受験者データ|日本商工会議所
統一試験 | ネット試験 | ||
---|---|---|---|
第166回 (2024.2) |
15.5% | 2023年度 | 35.2% |
第165回 (2023.11) |
11.9% | ||
第164回 (2023.6) |
21.1% | ||
第163回 (2023.2) |
24.8% | 2022年度 | 37.1% |
第162回 (2022.11) |
20.9% | ||
第161回 (2022.6) |
26.9% | ||
第160回 (2022.2) |
17.5% | 2021年度 | 38.1% |
第159回 (2021.11) |
30.6% | ||
第158回 (2021.6) |
24.0% |
簿記2級の試験科目
簿記2級の試験は商業簿記と工業簿記、いずれの知識も身につけておかなければなりません。特に「工業簿記」は2級から試験科目に含まれるものであるため、簿記3級を取得している方でも、一から学習しなければならない科目です。
ここでは、簿記2級の試験科目や問題の出題傾向について解説します。また2016年以降、範囲が拡大されたことについても説明するので、参考にしてください。
参考:日商簿記検定試験2級|日本商工会議所
試験問題は「商業簿記+工業簿記」
簿記2級の試験科目は「商業簿記」と「工業簿記」の2科目です。工業簿記は、簿記3級の試験では出題されず、2級以降から試験範囲に追加される科目です。
商業簿記では、3級で学習している商品売買、固定資産などをさらに幅広く学習するとともに、日本企業の大半を占める中小企業の株式会社の会計処理を加えて学習します。具体的にはリース会計、為替取引、連結会計、税効果会計などの学習があげられます。
工業簿記では、まず製造業における原価計算全体の流れを学習し、注文を受けてから製品の製造にかかる個別原価計算や企画品製造にかかる総合原価計算を学習します。また、実際の製造活動が目標どおり行われているかをチェックする標準原価計算や短期的な利益計画と結びつく直接原価計算などを学習します。
問題傾向は?
簿記2級の試験に出題される問題は、大きく第1〜5問までの5つです。各問題において、過去の試験を元に、多く出題されると予想できるものは、以下の通りです。
第1問 | 仕訳形式の問題 |
---|---|
第2問 | 特定分野に関する問題 ※応用含む |
第3問 | 決算整理に関する総合問題 |
第4問 | 工業簿記の仕訳問題 製造原価報告書の作成問題 |
第5問 | 各種原価計算の全額計算 |
出題傾向を把握しておくことはもちろんですが、実際に問題を解くことで「慣れる」ことも重要です。
参考:日商簿記検定 新試験対策特集|資格本のTAC出版書籍通販サイトTOP
2016年以降範囲が広がった
実は簿記2級の試験範囲は、2016年以降改定を繰り返しています。以前と比較すると、外貨建取引やリース取引、その他有価証券の処理、税効果会計、連結会計、連結会計アップストリーム、本支店会計などが増えており、全体的な出題範囲も広くなっています。
改正前後の違いとしては、時代のニーズに合わせてよりビジネスの実務に沿った出題内容となっていることが挙げられます。2016年以前よりも、従来では1級から学習する項目も2級に入ってくるなどしたことで難易度の高い問題や長文問題などが頻出するようになりました。
そのため、以前よりも合格率は低くなっています。より万全な対策が必要になったといえるでしょう。
現在では、また時代も変わりネット試験が導入されるなどして、受験もしやすくなっています。試験問題でも従来のような解きにくい難問というよりは基礎力をしっかりと計るための検定試験に移行してきている状況です。
簿記2級ってどんな問題が出るの?過去問は?実際に問題を解いてみよう!詳しい解説付き!
TAC講師が公開されている出題区分と現在の出題傾向を分析し、模擬問題を作成しました!実際の試験問題と同じくらいの難易度ですので、一度腕試ししてみませんか?
効率的な勉強方法は?
試験範囲が広がったことや、3級の試験では出題されなかった「工業簿記」が追加されたことから、合格へ向けた学習方法にも工夫が必要であるとわかります。より一層「効率」を求めた学習をしなければ、万全な対策ができるまでに時間がかかってしまうことが予想されます。
本章で紹介する「効率的な勉強方法」を参考に、試験合格へ向けた対策をおこなってください。
参考:日商簿記検定 新試験対策特集|資格本のTAC出版書籍通販サイト
工業簿記をマスターしよう
簿記2級に合格するためには、「工業簿記」をマスターしなければなりません。工業簿記は、試験全体のうち、4割の配点を占めているため、マスターしていなかった場合の失点も大きくなります。
工業簿記は、製品を作る活動(製造活動)を記録していくものですが、3級で学習してきた商業簿記に比べ、製造業をイメージしにくく、苦手意識をもたれる方が多いです。しかし出題内容は、工業簿記の中でも基礎に当たるものが多いため、丁寧に学習しておけば、確実に得点を狙える科目でもあります。
問題集を通して出題形式に慣れよう
試験準備として、闇雲に知識をインプットするだけでなく、問題集をを使用したアウトプットも重要です。また実際の試験を受験していると想定して時間配分を考えたり、問題集を使って苦手分野の復習をしたりと、準備の強化に繋げましょう。
通信・通学講座の受講もおすすめ!
簿記2級は、独学でも合格を狙える試験です。しかし、より確実に合格したい、初心者で自信がないという方は「通信・通学講座」の利用がおすすめです。
また範囲の改正など、試験に関する情報をいち早く得られるといったことも、通信・通学講座ならではのメリットです。
TACでは、最新情報をすぐに入手できるだけでなく、教材なども揃えることができるため、自身で準備やリサーチをする必要がなく、勉強に集中できます。
最終的には検定試験というからには実際の能力が無いと意味をなしません。試験合格だけのための勉強は自分にとって財産にはなりにくい。ビジネスの現場でスキルを活かすためにもやはり、通信・通学講座などで各項目の中身をしっかり学習することがその後の自分のためになるでしょう。
2020年からネット試験方式が導入された
簿記3級・2級の試験は、今までの統一試験(ペーパー試験)と並行して2020年12月からネット試験が導入されました。ネット試験が導入されたことで、受験生が自由に受験日を選択することが可能となり、合否結果も即時判定ため、学習のスケジュールが立てやすくなりました。
一方、ネット試験特有の問題が画面に表示される、解答を直接入力するなどの操作方法に戸惑う方もいらっしゃるかと思います。
TACでは「ネット試験模擬プログラム」があり、ネット試験での解答入力もしっかり体験できるよう、試験とほぼ同じプログラムをご用意しているので安心です。
またTACの校舎はネット試験の会場(※一部校舎を除く)にもなっているので、通いなれた校舎で本試験を受験することができます。
参考:日商簿記2級|資格本のTAC出版書籍通販サイト
問題傾向を掴んで、簿記2級に合格しよう!
簿記2級の試験について、試験科目や問題の出題傾向、効率的な学習方法などを解説しました。商業簿記はもちろんのこと、2級からは「工業簿記」も試験範囲に含まれるため、よりしっかりと対策の時間を確保しなければなりません。また、ネット試験で受験を検討されている方はネット試験対策も重要になってきます。
学生や社会人の方で学習に確保できる時間が限られている方、独学だと学習が継続できるのか不安な方、効率的に学習を進めていきたい方は、通信・通学講座を活用するのがおすすめといえるでしょう。
TACでは、受講生の方のレベルや状況に合わせて選べる学習メディアがあること、学習レベルに合わせて選択できるコースなどがあり、安心して合格を目指していくことができます。
資格の学校TACの簿記コンテンツ!
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