弁理士合格体験記|李 思明 さん

失敗しない勉強で合格を導く

李 思明 さん

李 思明さん
大阪工業大学大学院 知的財産研究科 修了

一発合格

DATA BANK

受験回数 1回
受講講座 2年本科生(1年目で合格)
その他 上級論文本科生・民法トータルパック・松宮ゼミ・口述模試等
得意科目とその理由 特許法
他の法域の基礎となっており、特に入念に学習したため
不得意科目とその理由 特になし
苦手意識を持たず、各科目をバランス良く学習したため
ズバリ合格の秘訣 「私は失敗しない」の強い信念と、それを言えるほどの努力。
1日の平均学習時間 入門期~基礎期 平日3時間 休日9時間
直前期 平日2~3時間 休日7~8時間
スケジュール
TACを選んだ理由

 10年前の2013年に来日し、しばらく関西にいましたが、2017年就職のため関東に来て、現在まで鉄道関係の仕事をしています。入社当初は車両工場の現場職で、2年後私の希望により知財部に異動し、現在に至っています。弁理士という資格に関しては、以前から知っていました。「いつか取れたらいいな」という漫然な気持ちでしたが、2021年夏過ぎ頃、とあるきっかけで、「弁理士になる!」と決心しました。
 そこで予備校探しをはじめましたが、もともと、弁理士講座を開講している予備校等は少ないです。そのなかで、単なる受講料の比較よりも、きちんとしたカリキュラムに沿った、過不足のない講義設定になっているか(少なすぎるのも不安、多すぎるのも気分的には重い)、いつでも気軽に使える各種サポート体制が充実しているかどうかを重視しました。TACは受講料が一般的な通信型、ネット型より高めかもしれませんが、短期に合格できれば、その投資は十分回収できると判断しました。
 また、正式に決める前に、新宿校で小松先生の講義を、渋谷校で齋藤先生の講義を体験受講し、どれもとても分かりやすく、進行ペースも自分に適しているとわかりました。そして「体験受講」であるにもかかわらず、私の質問も親切に答えてくださったことや、講座事務局の方も、真摯に私の状況を聞いたうえで、受講計画の相談に乗ってくれて、無理なセールもなかったことも、とても信頼におけると思って、この「受講生のことを考えている」対応も、決め手でした。ほかに、以前TACで(他の資格)勉強経験のある知人からの薦めもありました。

TACのカリキュラムで良かった点

 法律の勉強経験のない初学者にとって、いきなりガッツリした知識の勉強から始めるのがとても困難。そこで、まず体系編で法律の構成を学んで、そしてそれぞれの法律にはどのようなテーマがあるか、どのような場面でそのテーマが登場するかを、イメージしやすい事例を通じて勉強できました。このステップを確実に踏むことで、それ以降の勉強が非常にスムーズになりました。
 また、勉強にまだ慣れていないことへの配慮もあり、講義の量(時間数)は少しずつ増えていく設計となっており、最初から頓挫してしまう事態を回避し、無理なく講義についていけます。逐条編の講義も、年明けてからの答練との接続が図っており、講義のスケジュールに従って勉強していけば、インプットからアウトプットへの切り替えも順調にできます。
 合わせて、同時進行のゼミやオプション講座も受講すれば、より高い完成度の仕上げを短時間内にでき、総じて言えば、可能な範囲内で、時間節約し、効率の高い勉強ができます。

TACの教材についてよかった点

 基本講義・体系編:エレメンツを大に押します。私自身含めて、初学者としては、1回目の勉強の時は恐らく気づかないかもしれませんが、法律の体系、大まかなイメージを把握するには非常に有効です。また、条文の順番にとらわれず、一つのテーマに関連する知識を要領よくまとまった構成となっており、復習の際にも、一つのテーマから出発して、関連する条文を思い出す練習として非常に役立ちました。このために、口述直前の復習でも、私はエレメンツをフル活用しました。
 基本講義・逐条編:特に主要法の短答の知識として、この逐条編テキストは完璧です。合格に必要な知識が、過不足なく記載されており、完成度が非常に高いです。特に、意匠・商標では、条文だけではやや不十分ですが、一方、膨大な審査基準、青本記載や判例を漠然として勉強していくとキリがありません。その点において、逐条編テキストは試験に必要な分だけ厳選したうえで、解説してくれる点が非常に助かります。私自身も、条文の勉強として、条文集とこのテキスト以外の教材は一切使っておらず、結果としては高得点で短答試験を通過できました。

TACの講師について良かった点

齋藤先生:基本講義の受講者は、大半初学者であり、また法律の勉強の経験がない方も多くいらっしゃる。そのため、経験者(2年生以降など)からしては詳細説明不要なことでも、初学者は理解ができなかったり、消化するには時間がかかったりする場面が多いです。このようなことも配慮して、できるだけ分かりやすい例で説明してくれたり、別途作成のまとめ資料や対比資料を多用することで、理解度と効率が上り、とても助かりました。

小松先生:重要条文と「出ない条文」の軽重緩急が明確で、色んな意味で助かります。限られた時間の中で、確実に点数につながる学習ができ、そして、今はあくまで「試験をクリアする」が目標で、法律学を過剰に研究しているわけではない、という講義の目標が明確。そして試験の勉強は人生の勉強でもあり、試験に対する考え方のお話も、とても考えさせられます。

松宮先生:ゼミ形式だからこそ、画一にならざるを得ない基本講義とは違って、秩序が保たれている上で、比較的に自由な雰囲気で勉強ができ、講師のみならず、周りのみなさんとの意見交換や、相互の長所を取り入れる学習ができました。また、受験生それぞれの課題や弱点に応じて、訓練課題を出してくれたり、指示とアドバイスをくれたり、特に直前期ではかなり有効であり、他には代えられない指導と強く思います。

田畑先生:必須科目があるなか、民法の勉強に時間を割けないのが正直なところです。また民法そのもの自体が膨大であり、一般的に勉強すると年単位になってもおかしくない。そんな中、弁理士試験に必要な分だけ抽出してくれる点が何より助かります。残りの時間は、必須科目の勉強に充てることができました。また、民法の知識がなくても、分かりやすい事例とともに、条文・判例の解説をしてくれるから、1回で理解でき、そして同時に規範を覚え、また直近の答練でそのテーマに関するアウトプットの練習もでき、一気に完成度を高められました。

モチベーション維持の方法

 プラスの循環を作ること。失敗ばかり、他の受講生(特に同期生)との差があまりにも大きく状況が長く続くと、心理的マイナス要素も増えてしまい、「自分は無理だ」になりがち。そうならないために、絶対講義に遅れない、絶対疑問を抱いたままにしない、そして答練などでは「成績優秀者」リストに絶対毎回自分の会員番号が掲載されることを目標としました。これにより、自然に、かなり入念に勉強するようになります。大変ですが、試験合格に必要であるし、小さな成功体験を重ねることで、次の勉強の動力になり、その勉強方法の改善もでき、心理的にも「もっと来い!」と思うようになります。如何に、プラスの循環を作る、受動的でなく、ポジティブな勉強に導くことが、モチベーション維持に有効だと思います。
 もう一つは、期限と逆算方式の勉強スケジュールを厳守し、目標を明確にすること。まず、私は事務所転職したいため、一般的に未経験者は35歳まで、と言われる「目安」の壁を意識しました。これに間に合うよう、入所←登録←修習←合格 とを逆算方式で考えると、私には猶予がないことが分かりました。すると、R5合格(当初はR6目標だが)するためには、それぞれの本試験までに、どのような勉強が必要になるかが明確になりました。これをモチベーションと言うかどうかは微妙ですが、要するに「この日までに合格しないと、その後の人生が終わる」ということ。逆に言えば、目標のない漠然とした勉強は、如何なる「達成評価」(自己へのフィードバック)も不可能のため、モチベーション維持につながりにくいです。これは、会社での仕事と同じであり、結果につながらない作業は誰もがしたくない・続かないと一緒。これを避けるべく、目標と希望が見えれば、当然モチベーションも向上されると思います。後は、気合いだ!

私の学習方法

【短答編】
 短答は、絶えぬ小さな努力の積み重ね。
短答試験は、一切参照できる物がないため、覚えているかどうかで正解できるか否かが決まる場合が圧倒的に多いです。ただし、これは全てがいわゆる「丸暗記」という機械的な作業を意味するものではありません。
 まずは条文の確実な理解です。すなわち、この条文はなぜ設けられたか、どのような場面を想定しているのか、どのような問題を解決するのか。これらを理解すれば、その条文が存在する法的合理性も見え、さらに前後の条文と合わせて記憶すると、一つ連続したストーリーが成立します。これができれば、丸暗記しなくとも、「法的思考」からすれば、そうであるべきだ、あるいは、そのはずがない、という「本番に強い」問題解決力も向上します。
 また、こだわるべきところは、きちんと条文の文言にこだわる。条文には、その法律ならではの価値観があり、文言の少しの違いには、その性格と温度差があります。文言にこだわることによって、これらもを読み取れ、要件効果の記憶もかなり効率的になり、本試験では文言や聞き方が変わっても、ぶれない処理能力で正解を導くことができます。
 さらに、手続き条項は、関連付け方式で、「次から次へと」の勉強法をすることで、常に脳に新鮮な刺激を与えることで、効率の良い、再現性の高い勉強を図りました。

【論文編】
 論文は、「1%のひらめきと99%の努力」。ただし、ひらめきと努力どちらかが重要の話ではなく、両方重要です。
 まず認識すべきなのは、論文試験を受けられるのは短答を通過した者のみということ。つまり、みんなが最低限必要知識の持ち主です。ここから「ひらめき」と「努力」の話につながります。
 ひらめきだが、論文では、自分が持っている知識をそのまま無造作に押し付けるではなく、問題設定に沿って、出題者の意図もを汲み取って、問われていることを軽重緩急のある形で答えることが肝要です。さらに余裕があれば、「人間同士」としての配慮もする(用紙の使い方や綺麗な記載などの形式面)。論文は、○×ではないので、人間である採点者に読ませるものである以上、きちんと意図が伝わるかを意識する必要があるからです。
 総じて、「私が」という目線ではなく、「出題者が」という目線を持つこと。このひらめきがないと、例え知識があっても、正しいことをいっぱい書いても、そもそも「話がかみ合わず」、相対評価で落ちてしまう可能性があります。
 一方、地道な努力も引き続き必要です。完璧な知識がないと、まず話になりません。「ひらめき」は求めて得られるものではありません。また、いわゆる「高得点」を狙わない姿勢も大切です。少なくとも、受験者大多数が失敗しないとろこで失敗しないのが、論文の鉄則です。特に、近年の本試験傾向からみれば、短答からのストレート通過者や、一発通過者の割合が増えています。これは、短答受験により条文等の知識力が高いためと思われ、他者に対して知識で負けないことも、失敗しない前提条件だと思います。

【本試験直前編】
 直前期こそ、いつも通りのブレない「失敗しない勉強」が一番大事。
 具体的に言えば、短答なら重要条文、論文なら重要趣旨・判例、口述なら法体系全般(試験官が何を聞いているのかすぐ反応できるようにするため、また条文を探せるようにするため)、といった基本中の基本を再度確認しました。本試験では間違ってはいけない箇所、みんなが失敗しない箇所、正解できるか否かで合否が決まるような知識を100%確実にすることをこころがけました。いずれの段階でも、最後に見る内容の範囲を決めておき、それ以外のところで時間を無駄にしないようにしました。
 一方、新規の知識に手を出さないようにしました。なぜなら、知識の勉強は最後の1日2日でできるものではないから。蓄積していなければ、今更どうにもならないことが多いから。ここまで来たら、不安要素を作らない方が、精神面にも良いです。自分のできることを全て発揮する、「素の自分をそのまま見せる!」という意気込みで十分。
 そして、私の直前期では、おそらく多くの受験生と異なり、私は意図的に勉強時間を減らしました。知識が十分なはずというのが理由の一つですが、もう一つは体調の万全を期するためです。通常期では、講義など全体計画に遅れないよう、多少無理した時もありましたが、直前期では絶対に睡眠時間を削りませんでした。せっかくここまで来られたのに、体調を崩れてしまうと、全てが台無し。これだけを避けたいと考えたからです。

これから受験される方への応援メッセージ

 弁理士試験に挑戦するみなさんは、何らかの夢があって、何らかの目標をもって、何らかのきかっけで、決意したはずです。その中身は人それぞれですが、自分なりの「初心」があるのは同じ。しかし、日にちが経つにつれ、「勉強」という行為ばかり気に取られ、当初本来の目標と夢を忘れがちです。そこで思い出してください。試験合格はあくまでも通過点、今後の人生の夢を実現するための手段です。ぜひ最後まで、自分の初心を忘れずに、強い意志をもって頑張ってほしいです。明確な目標さえあれば頑張れる。「合格」は遠くない将来で、逃げずにみなさんを待っているから、堂々と取りに行けば良いのだ!
 そして、短期合格、一発合格を目指す方には、確かに現実は厳しいものの、直近数年間本試験の統計を見れば分かるように、短期集中して確実に、かつ正しい努力ができる人の通過率が上昇しています。ぜひこれもをモチベーションとして、勉強に励んでください。私のみならず、TAC過去の一発合格者・ストレート合格者全員が、この事実を証明しています。私たちのできることは、頑張る貴方もできる!
 弁理士試験は、いくら早い人でも、1年以上辛い生活が続く長期戦です。様々な事情により、2年コースの計画の場合は、なおさらです。そのため、努力はすぐに報われるとは言えない場合もあるでしょう。しかし、その努力は、絶対、いつか、嘘つかない形で現れます。自分を信じて、最後まで頑張ろう!

弁理士への第一歩はココからスタート!

資料請求

この講座のパンフレットを無料でお届けいたします。

無料でお送りします!

無料講座説明会

まずは「知る」ことから始めましょう! 無料セミナーを毎月実施しています。

お気軽にご参加ください!

弁理士講座のお申込み

申込み方法は4種類

申込み方法は4つ

TAC受付窓口/インターネット/郵送/大学生協等代理店よりお選びください。

申し込み方法をご紹介します!

インターネットから申込む

インターネットで
すぐに申込む

インターネットで、スムーズ・簡単に申し込みいただけます。

スムーズ・簡単!

電話やメールで、受講相談を受け付けています。

TACの受講相談で疑問や不安を解消して、資格取得の一歩を踏み出してみませんか?

>TAC受講相談