弁理士合格体験記|T.Mさん

戦略的な学習のすゝめ

T.Mさん

T.Mさん
(29歳)
東洋大学
法学部
企業法学科 卒業

DATA BANK

受験回数 5回
2022年度 論文・口述合格
受講講座 民法トータルパック、口述模試
得意科目とその理由 特になし
全科目バランス良く学習したから
不得意科目とその理由 TRIPS
条文量が多く、非効率的だから
ズバリ合格の秘訣 条文を暗記すること
1日の平均学習時間 入門期~基礎期 平日3時間 休日8時間
直前期 平日4時間 休日10時間
弁理士を目指した理由、TACを選んだ理由

 大学で国際法ゼミに所属し、法律と英語を扱っていました。また、知的財産管理技能士検定®2級を取得していたので、弁理士という国家資格の存在を認識はしていましたが、最難関資格ということから、当然のようにそのキャリアを諦めていました。しかし、社会人になってからも法律に携わることを諦めきれず、既に興味のあった知財分野かつ、国際的な業務を扱える弁理士資格の取得を目指すことにしました。TACを選んだ理由は、知人の紹介、及び通学受講が可能であったため、TACの民法トータルパックを選びました。2021年度の試験で短答試験、必須論文試験を通過しましたが、選択論文試験に落ちてしまい、2022年度は選択論文の民法で通過が必要でした。民法はたった一科目ですが、その条文数、必要な知識量は四法に匹敵するものがあり、独学での勉強は困難です。加えて、私は2023年度試験に不合格となった場合の保険として、2024年度の選択試験免除を獲得すべく応用情報技術者試験も同時並行で勉強する必要があったため、効率的な学習を要しました。そこで、TAC民法講座を受講した知人よりオススメされ、受講を決めました。

TACの講師、教材、カリキュラムで良かった点、活用したフォロー制度

 効率的な学習、通学受講が非常に魅力的でした。まず民法の条文数、必要な知識量は膨大なものですが、TACの民法トータルパックで使用するテキストはたった一冊で、一般的な四法のテキストよりも薄いものです。最初「こんな薄くて大丈夫かな・・」と思い、先生に尋ねたところ、このテキストに記載されている知識量で十分であるとの旨お答え頂きました。今となっては必要十分な内容だったと思います。というのも、確かに民法の条文数は多いですが、弁理士試験で出題される範囲は限られています。また、テキストはその知識の深さ(例えば判例や通説)も試験に適合しているものです。あの膨大な単元の中から、必要な知識だけを抜き取ったテキストが手に入ることだけみても、受講する価値があると感じます。また、民法の通学が可能な講義はTACの他にありませんでした。必須論文がある方は勿論、私も応用情報技術者試験と同時並行だったので、毎週講義があることで強制的に民法を学習する時間を確保でき、非常に助かるものでした。加えて、分からない点は講義後に質問すればお答え頂けるので、その点でも通学受講は魅力的でした。

オリジナル学習法

短答:条文番号、内容を暗記することです。全ての枝に対して根拠条文を指摘出来るようになれば、自信を持って問を進めることが出来ます。私は、毎日条文をインプット、通勤・入浴時間に条文を諳んじるアウトプットを行うことで、本試では51点を獲得できました。
必須論文:インプット面では自分なりのレジュメを作ること、アウトプット面では優秀答案を真似ることです。まず、インプットとして論文特有の知識が必要になります。これを早い段階で自分なりのレジュメとしてまとめることで、その作成過程で知識が身につき、直前期には必要十分な復習用の資料が出来上がります。これは口述段階でも大いに役立ちました。アウトプットでは、合格するための論文の型が必要です。如何に知識を蓄えていても、これを現場で読みやすい文章に仕立てることができなければ、点数はつきません。そこで模試等で配信される優秀答案を徹底的に分析し、優秀答案に共通する事項を自らの答案に採用、改善を繰り返すことで、合格できる答案のアウトプット手法を確立しました。
選択論文:必須論文と同様の手法で行いました。ただし、一般法たる民法の頭の使い方は特別法たる四法と少し異なります。民法の答案の作り方は、TACの民法講義で丁寧に教えて頂けるので、これを身に付ければ心配することはないと思います。また、条文を理解することを心掛けました。民法は条文数が多いので逐条理解はおざなりになりがちですが、適切な条文を引き、当てはめることが出来なければ点数は付きません。2021年度の民法本試では、条文理解が不足したことが敗因となったので、2022年度はこれを重視しました。
口述:とにかく模試を沢山受けることです。口述まで進んだ受験生の知識量は十分なものであると考えると、必要とされるのは適切なコミュニケーションとタイムマネジメント能力と思います。どれだけ独学や勉強仲間と準備しても、最も恐ろしい本試特有の雰囲気や緊張感を再現することは出来ません。自分の癖や本試で起こり得るアクシデントを少しでも体感・想定し、対応出来る力を身に付けるために、TAC含め模試を積極的に活用しました。結果、本試で緊張することはなく、スムーズに進めることができました。

直前期の学習方法

 各試験の直前期全てに共通することは、自分の不安の知識を直前一週間で復習することです。確かに条約のPCTや民法の抵当権等、誰しもが苦手とする分野は存在します。しかし、直前一週間以内に見た知識は流石に覚えています。既に身についている知識は復習の必要性すらありません。よって、各試験の直前に復習できる量の資料を予め用意しておき、一週間前から当該資料をひたすら回しました。これで、仮に覚えきれない知識があったとしても、一時的ではありますが、本試でアウトプットすることができます。

これから受験する人へのアドバイス

 私はダラダラと勉強を続け、結果合格まで時間を要してしまいました。戦略的かつ集中して勉強したのはたった1年です。是非弁理士試験に合った戦略的な勉強法を採用し、短期合格を目指して下さい。そして、戦略的な勉強法にはTACを初めとする大手予備校の講義が大いに役立つと思います。

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