公務員試験の全落ちはよくある? その後の選択肢や全落ちしないためのポイントを解説
公務員を目指していたのに試験に全落ちしてしまうと、将来が不安になってしまいます。この記事では、公務員試験の全落ちはよくあるのか、その場合の選択肢などを解説します。
上手に併願を利用する方法まで紹介するため、公務員試験の全落ち回避の対策をしたい人はしっかりとチェックしましょう。
公務員について詳しく知りたい方は!
公務員試験の全落ちはよくある?
公務員試験は志望する試験種や採用人数によって倍率が非常に高い場合もあり、難易度の高い就職試験と言われています。そのため、公務員試験を複数受けていても全落ちしてしまうことは、決して珍しいものではありません。
しかし、全落ちしてしまった本人にとっては、その後どうするのかを急に決めなくてはならないため、人生が詰んだ気分に陥りかねないでしょう。
はじめに、公務員試験で全落ちする人の割合や特徴を解説していきます。
公務員試験で全落ちする人の割合
公務員試験で全落ちする人の割合自体は公表されていません。ただし、以前実施した試験の倍率は公表されているため、落ちる人が多い試験であることはわかります。
公務員試験の合格率は20%以下である場合も多い傾向にあります。たとえば、特に令和3年度は都が採用人数を減らしたこともあり、東京都職員1類A採用試験では、事務の倍率は15.4倍でした。つまり、試験を受けた人のうち、15、16人に1人しか受からなかったという時もありました。
職種にもよるものの、このように受験した人の多くが落ちてしまう試験だといえます。公務員試験のなかでも難易度が高い試験は、国家公務員の総合職です。しかし、難易度が高くはない試験であっても、倍率が高ければその分合格が難しいのが事実となります。
参考:https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/07/13/13.html
公務員試験で全落ちする人の特徴
公務員試験で全落ちしてしまったのはなぜか、または今後の試験に向けてどういう人が試験に落ちてしまうのかをチェックしておきましょう。公務員試験で全落ちする人の特徴は、筆記試験と面接、集団討論のどの試験種目で落ちたのかで異なります。
<筆記試験>
筆記試験で落ちた人の場合、勉強の質や勉強量が十分ではなかった、復習が十分ではない、などの特徴があります。筆記試験に合格するには、勉強した内容を定着させるように、過去問を繰り返し解くようにすると良いでしょう。
<面接>
面接で落ちた場合には、緊張しすぎてうまく話せなかった、志望先の情報収集・分析が足りなかったなどの準備が不十分だった、面接のマナーに至らない点があったなどの特徴が考えられます。試験勉強だけではなく、面接もしっかりと対策すると良いでしょう。
<集団討論>
集団討論で落ちた場合には、他の就活生の意見を聞けていない、発言がなく討論にならない、グループの雰囲気を悪くしてしまうなどの特徴が考えられます。自分の意思を伝えつつ、協調性のあるところを見せましょう。
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公務員に全落ちした場合の選択肢
公務員に全落ちした場合の選択肢は、大きく分けると以下のとおりです。
- 民間企業に就職する
- 大学院に進学する
- 公務員浪人して来年の公務員試験を再受験する
また、民間企業に就職したうえで、働きながら来年の公務員試験を再受験するという選択肢もあります。経済的に安定しているうえ、民間企業に就職して受検要件を満たす期間働いていれば、社会人経験を活かして挑戦することも可能です。
それぞれの選択肢を、詳しくチェックしていきましょう。
民間企業に就職する
公務員試験に全落ちした場合であっても、民間企業に就職することは可能です。公務員試験は5~9月頃に実施されることが多いため、合否がわかってからでも民間企業の秋採用や通年採用の就職試験であればまだ対応が間に合います。
ただし、大手企業などの多くの企業で、早めに内定を出しています。公務員試験の合否がわかってからでは、人気企業の求人はあまり残っていないかもしれません。
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大学院に進学する
公務員試験に全落ちしてから、大学院に進学するという選択肢があります。大学院に進学後また公務員試験を再受験し、合格したならば大学院を中途退学するという方法もあります。
学生であるため公務員浪人した場合と違って空白期間を面接で指摘されることはなく、また公務員試験に落ちてしまってもそのまま大学院を卒業できます。ただし、金銭的な負担はあることに注意が必要です。
公務員浪人して来年の公務員試験を再受験する
試験に全落ちした場合には、公務員浪人して来年の公務員試験を再受験するという選択肢もあります。公務員浪人をするならば、正解がわからないまま1人で勉強するよりも、受験予備校で通学講座や通信講座を受講し、長年のノウハウを活かした対策を受講するのがおすすめです。
2年以上もの期間公務員浪人をした場合には、新卒や第二新卒の求人が使えなくなるうえ、即戦力を求められることの多い中途採用枠での合格難易度が高まってしまうと考えられますが、近年の公務員試験では一般枠の受験年齢上限が高くなってきており、30歳を越えた年齢でも一般枠として受験可能な場合もあります。
公務員に全落ちしないためにも上手に併願を利用しよう
公務員試験に全落ちしないために、うまく併願を利用すると良いでしょう。
一般的に、公務員になるためには教養試験や専門試験、論文試験、面接試験を受けます。公務員試験では、職種が違っても試験で能力を問われる科目や分野は共通していることが多く、異なる職種の公務員試験も併願しやすいのが特徴です。
また、場合によっては民間企業と併願するという選択肢もとれます。
併願先の正しい選び方
公務員試験の併願は、ごく一般的におこなわれることです。公務員試験に全落ちする可能性を減らすために、第一希望だけではなくほかの公務員試験を併願する場合には、自分にあった併願先を選ぶようにしましょう。併願先を選ぶ際は、以下のポイントをチェックしてください。
- 日程
- 出題科目
- 難易度
- 仕事内容
それぞれ詳しくチェックしていきましょう。
日程
日程が被っていては両方の試験を受けられないため、基本的に一次試験の日程が重ならない併願先を選択します。ただし、二次試験の日程が重なる場合にはどちらを選ぶのかなど、事前に検討しておくといいでしょう。
新型コロナウイルス感染症の影響などによって、試験日が変更されてしまうケースがあります。変更がないかどうか、最新の試験情報をチェックすることも重要です。
出題科目
併願先を選ぶ際は、本命の試験と出題科目が被っているかどうかも確認しましょう。大卒程度の試験では、一般的に教養科目や専門科目、論文、面接の試験があります。
教養科目はさまざまな試験で共通しているため、被っているかどうかは専門科目の出題範囲を確認しましょう。専門科目では法律系や経済系、政治系の出題があり、それぞれ同じような割合で出題される場合と、分野に偏りがある場合があります。
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難易度
難易度も併願先を選ぶ際のポイントのひとつです。キャリア組と呼ばれる「国家総合職」がとくに難易度が高く、その次に「国家一般職」や「地方上級」と続き、最後に難易度が比較的低い試験として「一般市役所」や「国立大学法人等」があります。
高卒程度の公務員試験は、国家一般職(高卒程度)や地方初級などです。比較的短期間で合格が目指せるうえ、一次試験の出題科目が教養科目のみであるため、併願での試験対策が容易だといわれています。
仕事内容
公務員には国家公務員や都道府県職員、市役所職員、警察官、消防官などの幅広い職種があります。公務員試験に通るだけではなく、その後仕事を続けられるように、やりたい仕事はなにかを基準に併願先を選ぶといいでしょう。
たとえば仕事内容でみた場合には、国家公務員の一般職と都道府県・政令指定都市などは近いといえます。
国家公務員になりたい場合の併願先を選ぶ際は、同じく国家公務員試験を受けたり、国家公務員の一般職と地方上級公務員試験を併願したりなどが考えられます。
公務員試験の全落ちは事前に対策できる!
公務員試験は試験種や採用人数により倍率が非常に高いものもあり、難易度の高い試験です。そのため、公務員試験を複数受けていても全落ちしてしまうことは、決して珍しいものではありません。
公務員試験の合格率は20%以下である場合も多いです。試験によっては倍率が15倍になることもあるほどで、受験した人の多くが落ちてしまう試験だといえます。
公務員試験に全落ちしないためには、うまく併願を利用すると良いでしょう。日程や出題科目などをもとに、自分にあった併願先を選ぶようにしましょう。
さらに受験指導校を活用すれば、ノウハウを活かして効率的に必要な知識が備わります。TACであれば、志望先の出題傾向に合わせたテキストやカリキュラムでの対策が可能です。
ぜひTACを活用して、効率的な試験対策をおこないましょう。