賃貸不動産経営管理士の合格点・合格率は?難易度はどれぐらい?

 

賃貸不動産経営管理士の合格点・合格率は?難易度はどれぐらい?

賃貸不動産経営管理士は2021年度に国家資格になり、不動産業界で注目を集めている資格です。近年の賃貸住宅ニーズの増加もあり、受験者数が急増しています。難易度はどれぐらいなのか、合格点や合格率、他の不動産関連の資格との比較もまじえて解説します。

 
 

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過去5年の賃貸不動産経営管理士の合格点

賃貸不動産経営管理士の合格点・合格率は?難易度はどれぐらい?

賃貸不動産経営管理士の2023年度(令和5年度)試験の合格点は、36点でした。50点満点であるため、合格者の正答率は7割程度です。合格点の数字だけで難易度を判断できるわけではありませんが、ひとつの目安になるのは間違いないでしょう。

賃貸不動産経営管理士の試験はマークシート方式になっています。四肢択一形式で、出題されるのは50問です。賃貸物件の管理に関する実用的・実践的な知識が問われます。

賃貸不動産管理における人材のニーズの高まりと国家資格化の決定から、近年、受験者数が急増しており、難易度も高くなりつつあるとの見方が一般的です。合格点にも影響を与えていると考えられます。過去5年間の合格点の推移を見ていきましょう。

合格点の推移

過去5年間の推移を見ると、合格点が年々上昇し続けていることがわかります。過去5年間の賃貸不動産経営管理士試験における全国受験者の合格点の推移は、以下のとおりです。

実施年度 合格点 合格ラインの正答率
2019年度(令和元年度) 29点(40問中) 72.5%
2020年度(令和2年度) 34点(50問中) 68.0%
2021年度(令和3年度) 40点(50問中) 80.0%
2022年度(令和4年度) 34点(50問中) 68.0%
2023年度(令和5年度) 36点(50問中) 72.0%

毎年、試験実施機関より賃貸不動産経営管理士試験の概要が公表されています。合格点や合格率は合格発表時に公表されます。上記の表は、TACをはじめとする、複数の資格習得スクールが公表している合格点の数値に基づいたものです。

上の表の右側の数値は、合格ラインの正答率の推移を示したものです。合格ラインの正答率は、公表されている合格点の数値と設問数に基づいて独自に算出しました。合格点の推移を見るうえで注意しておきたいのは、2020年度から出題数が増えていることです。 2019年度までの出題数は40問でしたが、2020年度から50問に変更になった経緯があります。つまり合格点の比較だけでは、判断できない部分があるといえるでしょう。

2019年度の正答率は72.5%でしたが、2020年度は68.0%と下がっています。この数値は、出題数が増えたことによってもたらされたといえるでしょう。一般的には出題数が増えると出題範囲も広がり、その結果、難易度も高くなる傾向があるからです。

2021年度には合格ラインの正答率が、一気に80.0%(合格点40点)に急上昇しています。 この数値は、賃貸不動産経営管理士が国家資格になったことを受け、受験者が急増したことと国家資格化初年度で点数を取りやすい問題だったことが影響しています。
2022年は合格点34点、2023年は36点でした。出題内容も国家資格にふさわしい難易度となってきたと考えられます。今後もこの傾向は続くでしょう。

 

賃貸不動産経営管理士の合格率は?

賃貸不動産経営管理士の合格点・合格率は?難易度はどれぐらい?

合格点と並んで難易度を測る目安になるのが、合格率です。2023年度の賃貸不動産経営管理士試験の合格率は27.9%でした。
10人受験しておおよそ3人弱が合格するとイメージすれば、わかりやすいでしょう。「難関」とまではいえませんが、「簡単」ともいえない数字です。
ただし、合格率は単独で見るよりも、受験者数や合格者数も合わせて比較することによって、実状が把握しやすくなります。受験者数や合格者数の推移も踏まえながら、過去5年間の合格率の推移を解説します。

合格率の推移

過去5年間の推移を見ると、多少の波はありますが、合格率が下がる傾向があることがわかります。つまり難易度は上がっています。
過去5年間の賃貸不動産経営管理士試験における合格率・申込者数・受験者数・合格者数の推移は、以下のとおりです。

実施年度 申込者数 受験者数 合格者数 合格率
2019年度(令和元年度) 25,032名 23,605名 8,698名 36.8%
2020年度(令和2年度) 29,591名 27,338名 8,146名 29.8%
2021年度(令和3年度) 35,553名 32,459名 10,240名 31.5%
2022年度(令和4年度) 35,026名 31,687名 8,774名 27.7%
2023年度(令和5年度) 31,547名 28,299名 7,972名 28.2%

試験実施機関より毎年、公表されている賃貸不動産経営管理士試験の概要の数値に基づいて、TACが作成。

申込者数と受験者数が増え続けていることから、賃貸不動産経営管理士の資格が注目されていること、人気の資格になっていることがわかるでしょう。2021年以降は、申込者は3万人を突破しています。
一方、合格率は低下傾向にあるため、難易度は上昇しているといえるでしょう。2023年度の合格率は28.2%です。国家資格となったことで簡単に取得できる資格ではなくなりました。

 

賃貸不動産経営管理士の難易度

賃貸不動産経営管理士の合格点・合格率は?難易度はどれぐらい?

賃貸不動産経営管理士の難易度は年々、高くなる傾向があります。国家資格に認定されたことで、人気の資格として注目されていることは間違いありません。
不動産関連の国家資格は、これまでは宅建士・マンション管理士・管理業務主任者が「3大資格」と呼ばれていました。2021年に国家資格となった賃貸不動産経営管理士が、この3つの資格に加わり、「4大資格」と呼ばれるケースも出てきています。
また、習得すべき知識が重なるところもあるため、複数の資格を習得する傾向も顕著になってきました。賃貸不動産経営管理士と、宅建士・マンション管理士・管理業務主任者とでは、難易度はどのような関係になっているのでしょうか?

それぞれの2023年度(令和5年度)の合格点を軸として、比較してみましょう。

宅建士・マンション管理士・管理業務主任者の合格点との比較

2023年度(令和5年度)の4つの資格で、受験者数・合格者数・合格点・合格率を比較しました。

資格名 受験者数 合格者数 合格点 合格率
賃貸不動産経営管理士 28,299名 7,972名 36点(50問中) 28.2%
宅建士 233,276名 40,025名 36点(50問中) 17.2%
マンション管理士 11,158名 1,125名 36点(50問中) 10.1%
管理業務主任者 14,652名 3,208名 35点(50問中) 21.9%

資格によって問題の難易度が異なるからです。合格率で見ると、マンション管理士が10.1%と、もっとも狭き門で、以下、宅建士の17.2%、管理業務主任の21.9%と続き、賃貸不動産経営管理士は28.2%で4番目という数字が出ています。
4つの資格の中では比較的合格率の高い賃貸不動産経営管理士は狙い目の資格といえるでしょう。

資格を習得すると、不動産業界での業務の幅を広げられるのはもちろんのこと、不動産に関わるビジネスでも、知識を活用できます。不動産に関わる仕事をしている方、目指している方は、賃貸不動産経営管理士の資格習得を検討してください。

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