日本のプロフェッショナル 日本の会計人|2023年1月号

Profile

朝倉 歩氏

サン共同税理士法人 統括代表 パートナー
税理士

朝倉 歩(あさくら あゆむ)
1979年、東京都杉並区出身。2004年、武蔵大学経済学部卒業。同年、税理士法人トーマツ(現:デロイト トーマツ税理士法人)に入社。同年、税理士試験合格。約12年間在職し、シニアマネージャーとしてトーマツ重要クライアントの主任を担当。売上高1兆円以上の一部上場企業からグループ子会社まで、延べ1,000社以上の企業に対して税務助言を行う。2016年、サン共同税理士法人を設立し、代表社員に就任。設立後、6年間で八王子、板橋、飯田橋、日本橋、五反田、西宮の6つの会計事務所の承継の他、4つの拠点開設を行う。

判断軸は「従業員の幸せにつながるか」。
労働環境、育成環境、IT環境拡充でさらなる成長をめざします。

 設立7年目にして10ヵ所の拠点を持ち、スタッフ総数113名、総クライアント数1,500社以上を誇るサン共同税理士法人。代表の税理士・朝倉歩氏は税理士法人トーマツ(現:デロイト トーマツ税理士法人)に約12年間勤務したあと、独立開業を果たし、規模を拡大してきた。しかし、税理士となるまでの道筋は一本道ではなかったようだ。そんな朝倉氏が税理士をめざしたきっかけから、受験時代、勤務時代、独立開業から今日までの歩み、そして今後の展望についてうかがった。

税理士はいろいろな業種の仕事を見ることができる

 2016年6月に税理士の朝倉歩氏が中心となり設立されたサン共同税理士法人。2022年現在、全10拠点、スタッフ総数113名(うち税理士・税理士有資格者18名、パート56名)に成長し、グループにはサン共同社会保険労務士法人、サン共同行政書士法人のほか、コンサルティング会社などが名を連ねている。朝倉氏とサン共同税理士法人が成長できた要因は何だったのだろうか。朝倉氏が税理士をめざしたきっかけから、その歩みをたどってみたい。
「中学・高校時代は遊ぶことに一生懸命でした。何になりたいとか、こんな仕事に就きたいといった将来像は、まったく考えていませんでしたね。高等専門学校(高専)に進んだものの、単位不足で地元の公立高校に転校し、高校卒業後はやることもなく専門学校に進学しましたが、こちらも1ヵ月ほどですぐにやめました。この頃はすべて遊び中心の生活で、仕事に対する意欲も知識も情報も持ち合わせていなかったですね」

 父親の紹介を受け建設会社で働き始めたものの、こちらも続かなかったという。そんな朝倉氏に刺激を与えたのは、社会人として働く友人の姿だった。
「高校時代に一緒に遊んでいた友人は、きちんとした社会人になっていました。それを見ると何だか自分だけ取り残された感じがしましたね。このままではダメだ、何かやらなきゃいけないと思い始めるようになりました」

 20歳目前に現状を変えるべく動き始めた朝倉氏。まずは、大学受験をめざして猛勉強を始めた。
「3~4ヵ月間でしたが、生まれて初めて本気で勉強して、受験した大学はすべて合格できました。正直に言えば、進学しようと思ったのは、もう少し遊んでいられる期間が伸ばせるのではという思惑もありました。ところが実際大学に入ってみると、これからキャンパスライフを謳歌しようという2歳年下の同級生とはあまり話が合わず…。じゃあ地元の友人と遊ぼうかと思っても、社会人になっている友人とは時間が合いませんでしたね。遊ぶことへの興味が減衰した一方で、受験勉強を通して勉強のおもしろさややりがいを知った私は、自然とまた『何かを勉強したい』という気持ちになってきました」

 そんなときに製造業の社長をしていた父親から「税理士試験の勉強内容は仕事に活かせるし、仕事でいろいろな業種を見ることができる」という話を聞いたのだという。
「父は理系出身で、わからないところがあると、自分が納得できるまで調べ尽くすような、税理士に向いているような性格でした。父自身、経営者として会計の分野にも関心が高かったこともあり、私に税理士という職業を勧めてくれたのでしょう。私も性格的には父と似たところがあったので、自分の進路として税理士の道もあり得るかもしれないと考えたのです」

3年間で5科目に合格

 こうして税理士の存在を知った朝倉氏は、大学3年の4月から税理士試験の勉強を本格的に始め、その年、簿記論と財務諸表論に合格している。本試験後は発表を待たずに、すぐに法人税法と消費税法の勉強を始めたという。
「この頃が一番きつかったですね。大学の単位もギリギリだったので、税理士試験の勉強と両立する必要がありました。大学4年になると大学の勉強が落ちついてきて税理士試験の勉強に余裕を持って取り組めたので、無事に法人税法と消費税法に合格できました。

 大学4年の本試験後には5科目目の相続税法の勉強を始めました。相続税法は内容としてもおもしろかったので、試験対策ではない相続の本を買って読んでみたり、法令集を購入して条文を読んでみたりと、様々な角度から学ぶことができました」

 朝倉氏は大学を卒業した年に相続税法を受験し、5科目合格した状態でいわゆる“Big4”と呼ばれる大手税理士法人に入ることをひとつのゴールとしていた。その頃にはすでにBig4で働いている受験仲間もいて、いろいろな情報をもらっていた。「英語ができたほうが有利だ」「就職氷河期だから実務経験があったほうが採用してもらいやすい」などと聞いていたため、大学4年12月の法人税法と消費税法の合格発表後から約半年間、会計事務所でアルバイトも経験している。

 本試験を終えた朝倉氏は就職活動を本格化させ、Big4の中から複数の税理士法人に応募し、2004年10月、税理士法人トーマツ(現:デロイト トーマツ税理士法人。以下、デロイト)への就職を決めた。そして12月には相続税法に合格し、5科目合格を果たしたのである。

やりがいとプレッシャー

 デロイト時代の朝倉氏は、スタッフのときは間接外国税額控除を中心とした国際税務を担当。シニアスタッフになったあとは、間接外国税額控除が税制改正により廃止されたこともあり、タックスヘイブン対策税制を中心に携わってきた。マネージャーに昇格してからは連結納税の導入提案がメイン業務となった。
「デロイト時代は税務の基本をきっちりと叩き込まれ、税理士としての礎を築いたとも言える時期でしょう。ただ、みんなが当たり前にできる税務よりも、マーケティングや営業など、自分が得意とするところで突き進んでポジションを作っていたように思います。とはいえ連結納税導入は、複雑な税務の課題を抱える大手上場企業税務の“総合問題”ともいえる難しい分野で、とてもやりがいを感じていました」

 マネージャーに昇格して2年目になると、朝倉氏は独立開業を考えるようになった。それまでも同期の税理士の中には、外資系証券会社などに転職していった仲間が何人もいた。朝倉氏も転職を考えないではなかったが、マネージャーになったらやめてもいいと考えていた。
「今一緒に役員を務めている創業メンバー税理士の新井泰は、受験時代からの仲間です。そろそろ一緒にやろうかという話を始め、少しずつですが準備も進めていました。ところが一般的に4年以上かかるシニアマネージャーに2年で昇格させてもらったのです。正直自分でもまったく予想しておらずかなり驚きましたね。さすがに昇格させてもらって1年でやめるわけにもいかず、創業メンバーに相談したら『待っているからもう少し続けてみたら』と言ってくれて。最終的にはシニアマネージャーを3年務めてからデロイトを退職しました」

 シニアマネージャーとなってからは大型案件を受注・担当するようになった朝倉氏だが、そこには新たな悩みも生まれていた。
「大型で複雑な案件は税理士としての経験や知識、引き出しの多さ、深堀りした専門知識が求められるもので、チャレンジングでやりがいがありました。ただ、自分でもなんとか勉強してついていくのが精一杯の状況で、複雑な案件にも対応できる数少ない人材をうまく案件にアサインし、リスクも大きい複雑な案件を、無事に成功に導かなくてはいけないのは、大きなプレッシャーでもありました」

新設法人をターゲットに独立開業

 2016年3月にデロイトを退職した朝倉氏は、4月から受験仲間である新井氏とともに独立開業し、会計事務所をスタート。同じ頃にデロイトを退社した女性税理士にも参画してもらうことになり、6月にサン共同税理士法人を設立した。
「彼女はとても優秀な税理士でしたが、仕事と子育てを両立したい、時間と場所にとらわれない働き方をしたいと希望してデロイトを退社したそうです。今のサン共同税理士法人の特徴のひとつにテレワークがありますが、こういった背景もあり設立当初からテレワークはスタンダードな働き方でした」

 ところで法人名である「サン共同」だが、実は独立準備の段階では、共同事務所形式で運営されている「サン共同会計事務所」に参画する形での独立開業を予定していた。結果的にスタート直後に税理士法人が設立されることになったのだが、参画予定だったサン共同会計事務所に話をしたところ、同じ名称を使ってもよいとの許可を得て、法人名を「サン共同税理士法人」にしたという経緯がある。
「『サン共同会計事務所』のネームバリューがあるので、ゼロスタートの身としては同じ名前を冠したほうが有利だろうと考えましたし、独立を支援してくれたサン共同会計事務所への恩返しとして、サン共同という組織を大きくしようと思っていました。今でも特に名称を変えようとは思っていません」

 独立にあたり朝倉氏はターゲットのひとつに新設法人を選んだ。
「新設法人をターゲットに、いわゆる創業支援的な業務に取り組んでいました。年間約12万社もの新設法人がありますから、そのマーケットをきちんと押さえておけば、見込み顧客のストックがどんどん増えていきます。あるとき、新設法人の申告書を見る機会があったのですが、それまで大手上場企業の申告書しか知らなかったので『なんてわかりやすいんだろう!』と驚きました。デロイト時代に難解な案件で人的リソース不足に苦労しましたから、『この内容なら簿記3級レベルの知識を持っていれば教えられる。この規模の事務所で扱うのにはとても魅力的な分野だ』と感じましたね。マーケットが大きく、リスクも少ないことから、新設法人をターゲットのひとつに決めました」

 独立当初は古くからの手法であるダイレクトメールなども使って顧客を集めようとしていたというが、現在ではWebでの集客をメインに総クライアント数を約1,500社以上に増やし、ここ最近は年間300社程度のペースでクライアントが増えているという。業務内容の内訳を見ると、新設法人が約8割、相続が1割、国際税務や組織再編、連結納税など高度税務が1割となっている。

承継と独自展開で拠点を増やす

 10の拠点を持つサン共同税理士法人だが、朝倉氏は開業当初から大型化、多拠点化を考えていたのだろうか。
「初めから今の規模を想定していたわけではありませんでした。でも、マーケットが大きい領域をターゲットに、基本的な知識があれば誰でも対応できる層でやってきましたので、可能性としては多少想像していました。国際税務や連結納税など複雑な分野で事務所を大きくするのは難しいと考えていたので、成長できる領域を選び、成長できる手法で進めてきた結果だと思います」

 では、拠点展開はどのようにして進めてきたのだろうか。
「拠点の増やし方に関しては、他事務所を承継するパターンと自社で新たに展開するパターンの2種類があります。1つ目の八王子オフィスは、元の事務所が開設された翌2017年4月に承継する形で開設した拠点です。代表だった公認会計士・税理士の方が、開業後クライアントは順調に集まっているものの、実務はあまりしたくない、別の仕事を始めたいというお話で。別の税理士を採用する方法も考えられたようですが、事務所を手放す決断をされて、私たちが引き受けることになりました。事務所はあっても税理士がいない状況になりますので、前職でもM&Aと拠点長の経験がある新井に拠点長として就いてもらうことにしました」

 その後、板橋、飯田橋、日本橋、五反田、西宮の事務所を承継し、現在も拠点を承継する案件が進んでいるという。自社展開の拠点は横浜、北千住、博多、沖縄となっている。
「承継する場合は、3つのパターンがあります。1つ目は先の八王子オフィスのように所長が会計事務所をやめて他で仕事を行うパターン、2つ目は所長自身が引退してしまうパターン。3つ目は、承継はしますが所長は拠点長として残るパターンです。3つ目のパターンでは、自前だと集客やIT化、採用活動が厳しい状況にある事務所を承継して、サン共同税理士法人のブランディングのもと支援を行います。看板は変わりますが一緒に生き残っていく戦略です」

 自社で展開する拠点も基本的には3つ目のパターンと同様に、人材やシステムを含め様々なリソースをサン共同税理士法人が提供する。独立開業ではなく拠点長として独り立ちしてもらうイメージだという。
「デロイト時代の後輩も加わって拠点長をやってくれています。また現在も所内には税理士有資格者や4科目合格者など、かなりの拠点長候補がいますので、これからも新たな拠点は増えそうです」

「従業員の幸せにつながるか」が判断軸

 独立当初から組織的な対応を意識して舵を取ってきた朝倉氏だが、現在はどのような役割を担っているのだろうか。
「いわゆる本部機能ですね。採用、集客、IT、税法に関する最新情報を各拠点にきちんとお届けすることでしょうか。税理士は、基本的な実務は独力でできるべきですが、事業再編税制の案件や事業承継、相続なども含めてすべてを独力でできるようになるのはかなり困難ですし、時間もかかります。そういう難易度が高い案件はみんなでやりましょうというスタンスですね。拠点長には資産税の専門家や事業承継の専門家もいますから、案件によっては拠点同士、担当者同士が組んで行うことも少なくありません。また、ある拠点で案件が急増した場合は、他の拠点が実務を請け負うこともあります。こうして拠点間も密接につながりながら成長を続けていきます。なお、税法や集客も本部機能として大事ですが、最も大事なのは、採用とITだと思っています」

 組織で行う良さは実務だけでなく、ネガティブなこともポジティブなことも、みんなで共有できることなのだという。
「ネガティブなことが起きたとき、その思いを共有してくれる人たちの存在は支えとして大切ですし、大きな案件が取れたときなどポジティブなこともみんなで共有できたほうが楽しいと思います。私は、みんなでこの仕事をやっていくにあたって、いろいろ勉強できたり、新人を育成したり、事務所の成長を実感したりと、やりがいを持って楽しく働ける事務所作り、組織作りを心がけています」

 急成長を続けるサン共同税理士法人では採用活動も活発に行っている。
「スタッフは年間で20名以上、拠点長候補は3名以上、パートスタッフは30名以上を採用しています。採用面接の際の判断軸は私たちが掲げている基本理念、『家族である従業員の幸福を追求する』に沿って判断します。例えばすごく優秀で英語もできるハイキャリアな方の応募があっても、この方を採用したら今いるスタッフが幸せになれるか、喜んでもらえるかどうかという軸で判断しています」

 顧客獲得についても同様で、どんなにすごい収益を上げられるであろう顧客でも、受注することでスタッフが幸せになれるかで判断し、疲弊してしまうおそれがある場合は丁寧にお断りするという。
「『家族である従業員の幸福を追求する』を貫いていけば、それが結果的に収益につながります。何かをやる場合も、やることで従業員の幸せにつながるかという観点をとても大事にしています」

IT環境が採用における差別化のポイント

 採用における差別化のポイントは、労働環境と育成環境、IT環境にあるという。
「税理士業界全体で、やはり残業が多いという労働環境の問題があります。この残業をなくすことが大切ですし、私たちは残業ゼロ、離職率ゼロ、有給未消化ゼロに取り組んでいます。さらに残業がゼロだけでなく、テレワーク勤務の実現、フレックス制度や時短勤務など労働環境の整備を進めています。これをきちんとしないと、大手や準大手の同業どころか他業界に良い人材が流れてしまいます。

 育成環境については、士業の業界を選んでいる時点で勉強が好きな人がほとんどだと思いますので、そんな人たちに学べる環境を提供することはとても大事です。当社では自社研修動画システムや双方向発信型のラーニングシステムを構築していて、常に勉強できる環境を提供していますし、アンケート提出機能やテスト機能を使って真剣に取り組める仕掛けを考え、実務で必要になったときも、いつでも見返せるようにしています。

 例えば、青山オフィスは30名近くいますから、新人が入っても中の人間が教えられます。でも、できたばかりの拠点ですと全職員で3名しかいないこともあります。そのとき、どうやって新人に教育するのかを考えた結果が、この研修システムです。全国どこでも東京と同じ品質で学べる、テレワークを前提とした研修内容になっています。サン共同税理士法人では新人研修とテクニカル研修の動画に力を入れていますが、人が教えるというよりもシステムの力で教えていく、学んでもらえる体制になっています」

 加えて朝倉氏がさらに他事務所との差別化につながっていると考えているのがIT環境だ。システム開発やRPA導入によるパソコン作業の自動化、ペーパーレス化、PC環境の仮想化、業務管理ツールの導入などを積極的に行うとともに、テレワーク環境の整備も進めており、テレワークに必要となる機器や環境の貸与も行っている。
「当社の特長としてテレワークができることが挙げられます。例えば、2022年9月から山口県在住の公認会計士試験合格者が勤務していますが、居住地は山口県のままです。なぜかといえば、山口県で暮らしながら、テレワークで働き、研修も受けられるからです。Big4で扱うような複雑な案件を扱わないぶん、むしろ未経験者のテレワーク勤務による育成はしやすい環境にあると思います。設立当初からテレワークを導入して、仮想環境も構築し、2017年にはテレワーク勤務ガイドラインを作成しました」

明るいイメージを会計業界に広めたい

 サン共同税理士法人の採用面、人材活用面の特徴として在宅パートスタッフの活用も挙げられる。
「例えば出社を前提で考えるとオフィス環境や立地がとても重要になりますが、在宅パートスタッフの場合はオフィスの所在地が関係ありません。通常よりも少し高い時給を用意してあげられれば、優秀な在宅パートスタッフを採用できます。私たちは、在宅で経理や会計の仕事をしたいと考えている人たちがWeb上で登録できるしくみを用意しています。現在約1,500名以上にご登録いただいていますが、優秀な方、会計事務所経験がある方から採用していくことができます。居住地や通勤時間などは関係ありませんから、在籍者は全国から集まりますし、子育て中の方も多く登録いただいています。こうした在宅パートスタッフの方たちも、先ほどの育成環境や研修システムは同じように使っていただけます」

 戦略的に差別化を行い成長し続けていけるサン共同税理士法人。今後の方向性について朝倉氏に聞いてみた。
「今までと同じペースで成長を続けていきたいと考えています。そのためには拠点長候補もスタッフも在宅パートスタッフもさらに数が必要になりますので、積極採用を続けていきます。ただ、規模が大きくなっても、『サン共同らしさ』を失わないように成長していきたいですね。もちろんビジネスとしてやっていく以上、最低限の収益を稼ぎ出す必要はあるので、いかに売上を上げるかという研修も行っています。それでも売上第一ではなく、従業員が幸せであることを判断軸に、結果として売上が上がっていく、そんな組織運営をしていきたいと思います」

 最後に税理士試験など資格取得をめざしている読者にメッセージをいただいた。
「先日面接した方は、地方の主要都市から車で30分くらいのところにお住まいで、地元の金融機関に勤務し会計事務所は未経験、税理士試験2科目合格者という方でした。地元には働きたい会計事務所が見つからなかったので、当社でテレワーク勤務をして働けないかと応募してくださったようです。

 この方のように地方で通信講座を受講し、税理士を学んでいる方が合格し、ある程度科目合格できたら、そのままリモートワークで働ける環境が当社にはあります。つまり、地方にいながら東京の事務所で働けるのです。税理士業界を盛り上げていくためにも、全国各地どこにいても、資格取得から仕事までできる環境づくりを進めていく必要があると思います。日本全国どこで勉強して資格を取得しても、そのままの場所で働けて、生産性も上がり、売上も給与も上がる、そんな業界にしていきたいですね。服装も自由で、残業ゼロは当たり前、給与もたくさんもらえる。そんな、明るいイメージを会計業界に広めていって、もっと税理士をめざす人が増えてくれればいいなと考えています」


[『TACNEWS』日本の税理士|2023年1月号]

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