ITパスポート試験の合格に必要な勉強時間は？ケース別に詳しく解説！

ITパスポート試験は、ITの基礎知識を有していることを証明する試験です。仕事に忙しい社会人にとって、合格に必要な勉強時間は気になるところでしょう。

そこで、ITパスポート試験の合格に必要な勉強時間について、IT学習の未経験者や履修者などケース別で解説していきたいと思います。

ITパスポート試験を受けるメリットとして、以下の3点が挙げられます。

1.ITリテラシーの基礎が身につく

ITパスポート試験について勉強することで、ITリテラシーの基礎が身につきます。

経済産業省がDX（デジタル・トランスフォーメーション）を推進しているため、企業や自治体にとってデジタル化への移行は欠かせません。そのため、社会人にとってITリテラシーは是非とも身につけなければならない知識であり、それにより生産性や競争の優位性を高めることが可能です。

2.事務系の職種への就職に有利

ITパスポート試験は情報処理技術者試験のなかでも易しい試験であるものの、パソコンやセキュリティ対策など事務系の仕事にとって不可欠な知識を学べます。そのため、ITパスポート試験に合格することで、こうした事務系の職種への就職に有利に働くと考えられます。

3.会社によっては奨励金が支給される

企業のなかには、本人の意思で自分の能力を高める「自己啓発」を推奨する企業も増えています。厚生労働省によると、従業員の自己啓発に対して支援を行っている企業は、正社員で8割を超えているといいます。

こうした背景から、企業や自治体が行っている資格取得支援制度や通信教育支援制度等の奨励金を利用することで、ITパスポート試験を受けることも可能です。これにより、自己啓発のために自らのお金をかけなくても、自身の能力を証明することができます。

ITパスポート試験では、次の3種類の分野が出題されます。

ストラテジ系

ストラテジ系は企業経営に関する知識を問う分野であり、35問程度出題されます。ストラテジ系は次の3つの分類から構成されます。

・企業と法務…企業活動や法務
・経営戦略…経営戦略マネジメントや技術マネジメント、ビジネスインダストリ
・システム戦略…システム戦略やシステム企画

このほかにもマーケティングに関する問題が多く出題されます。とくに著作権や個人情報保護などの法務に関する出題が多いので、法律関連用語をしっかり頭に叩き込みましょう。

テクノロジ系

テクノロジ系は、コンピュータを知るうえで必要な数学の基礎やコンピュータの仕組み、アルゴリズムなどITの基礎知識を問う分野です。出題数は45問程度であり、3つの分野のなかでもっとも多く出題されます。

テクノロジ系は次の分類から構成されます。

・基礎理論…基礎理論やアルゴリズムとプログラミング
・コンピュータシステム…コンピュータ構成要素、システム構成要素、ソフトウェア、ハードウェア
・技術要素…情報デザイン、情報メディア、データベース、ネットワーク、セキュリティ

マネジメント系

マネジメント系はシステムの開発技術やプロジェクトのマネジメント方法を問う分野であり、20問程度出題されます。

マネジメント系は次の分類から構成されます。

・開発技術…システム開発技術やソフトウェア開発管理技術
・プロジェクトマネジメント…プロジェクトマネジメント
・サービスマネジメント…サービスマネジメントやシステム監査

ITパスポート試験に合格するためには、どのくらいの勉強時間が必要なのでしょうか。

IT知識ゼロの場合

学校で情報処理の科目を履修したことのない初学者の場合、一番多く出題されるテクノロジ系の勉強に時間がかかるかもしれません。また学生の場合、ストラテジ系やマネジメント系など、社会人でないと馴染みのない分野の勉強が大変でしょう。

ITに関する知識が無い場合、ITパスポート試験に合格するためには約180時間の勉強時間が必要だと言われています。社会人にとって1日の勉強時間を確保するのは大変かもしれませんが、1日2時間勉強した場合には、約3ヶ月かかる計算になります。

IT知識が無い初学者にとって、テキストや参考書を理解するのは難しいかもしれません。いきなり問題を解くのではなく、テキストや参考書に出てくる用語の意味を理解することから始めましょう。

基礎知識がある場合

学校で情報処理の科目を履修したり、ストラテジ系やマネジメント系に馴染みがあったりする社会人の場合には、すべての分野を勉強する必要はありません。そのため、ITパスポート試験に合格するための勉強時間の目安は約100～150時間になっています。

たとえば、1日2時間勉強した場合には、約1ヶ月半～2ヶ月かかる計算になります。

学生にとってはストラテジ系やマネジメント系、社会人にとってはテクノロジ系が馴染みが薄いかもしれませんので、弱点の分野を重点的に学習しましょう。とくに、各分野で300点以上得点しないと合格できませんので、注意が必要です。

最短でITパスポート試験に合格するには？

すでにITエンジニアとして企業に勤めている社会人の場合には、さらに学習時間を減らすことが可能です。

ITエンジニアにとって、基本情報技術者試験などと比較して難易度が低いITパスポート試験の資格取得は、将来のキャリアアップのために役立つとは限りません。それでもなお、ITの基礎知識を体系的に確認したい方もいるでしょう。

この場合、ITパスポート試験が網羅する出題範囲を確認し、過去問をどんどん解いていきましょう。

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