日本のプロフェッショナル 日本の会計人|2018年12月号
大堀 優氏
スタートアップ会計事務所
スタートアップ社会保険労務士事務所
代表税理士
大堀 優(おおほり ひろし)氏
1983年生まれ、愛媛県出身。明治大学商学部卒業。拓殖大学大学院修了。2013年、税理士登録。大学院修了年の本試験後に会計事務所に就職。4年間勤務した後、2015年2月、独立開業しスタートアップ会計事務所を設立。2017年、スタートアップ社会保険労務士事務所を併設。2019年、税理士法人化を予定。
めざすのは「話しやすさNo.1の会計事務所」。
だからコミュニケーション能力と内面・人柄を重視した採用を行っています。
税理士資格を取得しても、独立開業は難しく、有資格者の勤務志向が強まっているといわれている会計事務所業界において、35歳、独立開業4年目にして顧客数400件という成長を遂げている事務所がある。それは、税理士の大堀優氏が率いるスタートアップ会計事務所である。大堀氏はいかにしてこの成長をつかんだのか。氏と事務所の歩み、現在の課題、そして今後について話をうかがった。
設立4年で顧客数400件
成長するということはこういうことなのだろう。
2015年2月に独立開業した会計事務所の顧客数が1年目に100件、2年目に200件、3年目に300件、そして4年目は見込で400件になろうとしている。スタッフも当初4名でのスタートが、2年目に8名、3年目に15名、そして4年目には25名になった。この会計事務所は税理士、大堀優氏が率いるスタートアップ会計事務所である。現在35歳の大堀氏が独立開業したのは31歳の時。まずは独立開業までの歩みを追ってみたい。
「高校時代は、税理士なんてまったく知りませんでした。とりあえず英語がしゃべれるようになりたいと思い、外国語大学を受験しましたが不合格で、たまたま受かった明治大学商学部に進学しました。そこで初めて税理士を知りました」
大堀氏が税理士を知ることになったのは、「なんとなくサラリーマンにはなりたくないな、勤め人はいやだな」と思っていたからだった。かといって起業をして自分に社長が務まるかと考えたときには不安もあった。それなら国家資格に守られながら起業したらどうだろうか、という思いにいたったのだ。
「じゃあ、起業に一番向いている資格はなんだろうかと調べた結果、それが税理士だったんです」
大学3年から税理士受験を開始した大堀氏が最初に挑戦したのは、国税徴収法だった。 「最初の頃はまったく下調べもせずに受験勉強を始めてしまいました。当然結果は不合格。自分なりにはがんばったんですが、結果としては記念受験になってしまいましたね。ですから、本格的に勉強を始めたのは大学4年になる年からです」
また大堀氏は、税理士受験にあたって最初から学位取得による試験科目の免除制度の利用を考えていたという。
「私の場合、税理士資格は起業するための手段であって、目的ではありませんでした。ですから資格を取得する道がいくつかあるのなら、早く取得できる道を選ぼうと思い、受験勉強を始めるときから、大学院に進んで免除制度を利用することを決めていました」
結局、税理士試験は大学院を修了した年の本試験で合格を果たし、簿記論と財務諸表論、国税徴収法に合格している。
税理士受験時代、大堀氏は大学や大学院の講義は必要最低限の出席にとどめ、他の時間は税理士試験の勉強に専念していたという。アルバイトで食い繋ぎながらの受験時代、お金がなかった大堀氏は、毎朝ご飯を炊き、シャケを焼いて、自分で弁当を作っていた。
「その弁当を人前で食べるのが恥ずかしくて、非常階段で食べたこともありましたね。でも、徐々に受験仲間ができてくると、受験勉強は辛いけれど、楽しくなってきて。そういう辛い時期に楽しいと感じることができなかったら、合格はなかったかもしれません」
ひたすらスキルを身につけた勤務時代
大学院を修了して、8月の本試験まで受験に専念したあと、大堀氏は就職活動を開始した。その当時会計業界は就職難で、大堀氏は10社連続で不採用となり、最後に応募した会計事務所から内定をもらい、就職することになる。
「最初はBIG4といわれている大手税理士法人ヘの就職を考えて活動していましたが、途中で考えが変わり、独立開業するために必要となるスキルを学べるところ、という視点で就職先を探しました。中小企業に関連する案件をたくさん抱えているところで、一からすべて学べる事務所への就職を希望していました」
大堀氏が就職した会計事務所は、創業支援を中心に据えた急成長中の事務所だった。入所初年度から担当先として30社を任され、必死に実務を覚えながら仕事をしていた。
「学生時代に会計事務所でアルバイトをした経験もありましたが、実務に就いてみると1年目はわからないことだらけでした。知らないのに仕事をこなさなきゃいけないプレッシャーはかなりのもので、実務でわからないことが出てくると、すぐに先輩に聞きました。ときには休日に出て来てもらって教えてもらったこともありました。
2年目になると、1年間の流れもわかっていますから、徐々に難しい案件も任されるようになり、ステップアップしていくことができました」
勤務先の会計事務所はWeb戦略などで集客力がある事務所だったので、慣れてくると自分で担当先を選べるようになったという。その際、大堀氏はあらゆる業種を経験しておこうと、1業種は2社程度として、あえて担当していない業種を選んで担当させてもらっていた。
「私には独立するという目的がありましたから、1人になっても失敗しないように実務と事務所を回せるだけのスキルを身につけることが絶対条件だと思っていました。2~3年目になるとマネージャー職への打診もありましたが、それはお断りしてひたすら自分自身のスキルを磨いていました」
当初は30歳での独立開業を考えていた大堀氏だが、結果として独立したのは31歳の年。なぜ1年間延びたのだろうか。
「1年間遅れた理由は、自分自身を見つめてみて、スキルが追いついていないと感じたことと、開業資金を貯めてはいたのですが、こちらもまだ足りない状況だったためです。結局、1年延ばしてみましたが、いつまでたってもスキルは足りないと感じる部分がありました。でも、どこかで踏ん切りをつけないといけないと思い、独立を決めました。
ただ、勤務先を辞めるとき、同時期に入社した仲間はみなマネージャー職になっていて、かなり引き止められました。きちんとお話して円満に退社となり、顧客も数社引き継がせてもらい、とても感謝しています。もちろん今でもおつきあいがありますよ」
創業期の中小企業を支援
2015年2月、大堀氏は念願の独立開業を果たした。事務所名は「スタートアップ会計事務所」。創業期の中小企業の支援を行っていくことを明確に表したネーミングである。では、独立開業の際、どのようなビジョンを持ってスタートしたのだろうか。
「事業ドメインは創業期の中小企業の支援で、これは今も変わりません。ただ、組織運営については、最初のビジョンは失敗に終わりました。今でもきちんとわかったわけではありませんが、振り返ってみると経営というものがまったくわかっていませんでした。 事務所は私を含め4名でスタートしました。組織として、みんなと友だち感覚で上下もなく楽しく仲良くやれればいいな、と考えました。うまくいくかなとも思ったのですが、仲良くなり過ぎると距離が近くなり過ぎる。すると悪い意味で何でも言ってくるようになるスタッフがいて、お互いうまくやっていけないね、という感じになって辞めてしまったんです。トップとスタッフにはある程度の距離感が必要だということを痛感しました。
他にも急成長にはストレスが伴います。社員が一枚岩になれない状態に陥り歪みが生じることは珍しくなく、現実は、いい人が成長して残るよりも合わない人間が辞めていくような新陳代謝のほうが多かったりします。人の部分、本当に難しいですね。ただ、これを乗り越えて組織が強くなるのは間違いないです」
独立開業をして打ち当たる壁、それが人事の問題であることは往々にして多い。大堀氏もまた例外ではなかった。だが人の問題が発生したとはいえ、記事の冒頭に数字をあげたように、顧客の獲得は順調に推移している。
「お客さまを獲得するルートはいくつかあります。今でもそうですが、基本は紹介です。そのために何をしたかといえば、質の高いサポートをして、簡単にいえばお客さまと仲よくなることで、『こいつはいいね』と思っていただいて紹介していただく。対スタッフでは間違っていましたが、対お客さまでは、適度な距離感を持って友だちのように接するのは正しいと考えています。うちのWebサイトには『話しやすさNo.1の会計事務所』と書かせていただいていますが、堅苦しい会計事務所ではなく、いい意味でカジュアルに接することができる体制づくりを心がけています」
紹介以外のルートとしては、年数回行うセミナーがある。起業系のセミナーで、いくつかのパートがある中の税務会計のテーマを大堀氏が担当。1回のセミナーから20~30社の顧客につながることが多いという。また、使用している会計ソフトメーカーからの紹介も多く、月3~4件はあるという。
「ある程度やっていけば年間100件はいけるかな、と思っていたんですが、1年目で100件になりましたから、この成長率は下回らないようにしようと、年間100件は目標にしました。少し前の月は契約ベースで25件の新規顧客が増えました。今では、毎月純増で10件を下回らないようになってきています」
さて、今どきの会計事務所であればWebサイトを通じての集客がメインという感じもするが、今の顧客獲得の話にWebサイトは出てきていない。実際のところはどうなのだろうか。 「前職の事務所はWebサイトでの集客にかなり力を入れていました。そのためにはリスティング広告を展開していく必要があるのですが、残念ながら私たちには広告予算がふんだんにはないため、そうした方法には手が出せません。ただ、Webサイトでの集客はどうしても必要になると考え、SEO的に対策をしていこうと考え、オウンドメディア(自社が所有し情報を発信する媒体)の活用を始めました。
そのために、2018年1月にライターを2名採用して半年間研修を受けてもらい、戻ってきた7月から、『会社設立に精通した税理士・社労士による「わかりやす過ぎる」スタートアップメディア! カピバラでもわかる起業』をスタートさせました。このオウンドメディアによる集客の効果がきちんと現れるまでには数年はかかると思います。でも、絶対に集客の柱になると思いますので、ライターの増員も行い、掲載する記事の質の向上を図っていこうと考えています」
税務会計から人事労務までワンストップで
「話しやすさNo.1の会計事務所」を掲げているスタートアップ会計事務所の業務内容は、創業期の中小企業の支援を柱に、会社設立、資金調達、節税、助成金などを通じて、会社設立を考えている方から会社を経営している方までの、気軽に頼れる税務パートナーであることをめざしている。中でも会社設立からの支援が多いため、当初は外部のパートナーに依頼していた人事労務面も、2017年からスタートアップ社会保険労務士事務所を併設し、ワンストップで対応できる体制を採っている。
「お客さまは設立からの方が多く、最初は1人で始められますが、成長すると人を雇うようになります。社長は営業など得意分野をお持ちなんですが、人事管理についてはあまり得意ではないケースが多く、雇用契約書って何?というレベルの話が出てきます。そこから社会保険手続や助成金、人事コンサルティングにつながってくることが多いため、社会保険労務士事務所を併設して、税務会計から人事労務までをワンストップで対応できる体制を整えました」
将来的には司法書士や行政書士などもグループ化し、ワンストップで対応できる業務分野を広げていく計画もあるようだ。このように、設立以来順調に成長を続ける事務所にあって、大堀氏の役割もまた変わりつつある。 「最初の頃は、営業から集客、顧客の担当と何でもやっていました。今ではいわゆる集客、最初にお客さまと話をして契約にこぎつけるところは基本的に私が担当しています。そして契約が決まったら、担当者に引き継いで実務を進めていきます。私自身、もうプレーヤーを卒業しなければならない段階にきていますから、役割としては人材育成や管理、組織運営に比重を置いています。全員で25名になりましたので、規模としても、各人の役割の明確化が必要になってきていますね」
現在、税務会計分野には3名のマネージャーがおり、その下に担当者が4~5名いるチーム制を採っているという。ただ、チームとして固まってしまい過ぎるとそれも弊害になるので、テーマごとに課題をみつけて、チーム横断的にメンバーを構成して課題解決にあたる取り組みも行っている。 「人と組織については、トライ&エラーを繰り返しながらもいいものを作ろうと努力していますが、それでも追いつかない部分が出てくることもあります。私自身が人材育成や管理に注力することで、まずは30名の壁を乗り越えて、次の段階へと事務所を成長させていかなければならないと考えています」
スキルよりも「内面・人柄」を重視する採用
では、成長著しいスタートアップ会計事務所ではどのような人材を求めているのだろうか。
「採用基準として、次の6項目をあげています。
1.素直であること
2.仕事に対して熱意があること
3.正しいことを考え、伝え、行動出来ること
4.巻き込み、協力し、最後までやり抜けること
5.変化に対応できること 6.人のために働けること
ひと言で言ってしまえば、スキルよりも「内面・人柄」を重視する採用なんです。私たちの事務所自体がベンチャーなので、皆が同じベクトルに向かっていることが大切です。誰かが違う方向を向いてしまうと、その影響も出やすいので、スキルや経験よりも内面・人柄を重視して採用しています。採用時に必要としているポジションにもよりますが、簿記2級はできれば持っていてほしいですね。とはいえ、2017年、2018年と新卒採用もしていますし、他業界から実務未経験で資格もなしで入ってきて勉強しながらがんばっている人もいますので、スキルや経験、資格よりもやはり内面・人柄ですね」
採用においては人員的に多少多めに採用しているということだが、この段階において、社内で人材を育成できる体制を作っておきたいという考えがあるようだ。新卒採用を行っているのも、そうした体制作りの一環といえよう。
「人を育てる、教えていく体制ができないと、組織として成長できないと思いますので、全員が育成に本気で取り組むという意味でも、新卒採用を行うことはいい機会になると考えています。新卒で入ったスタッフはいまTACに通って簿記の勉強をしながら、実務に取り組んでいます。未経験で入社された方には、私を始め先輩スタッフが仕事の進め方を一からサポートしますので、安心して働いてもらえます」
働く環境作りにも力を入れている大堀氏は、ユニークな制度を作っている。それは月8回まで8:00~17:00または10:00~19:00を労働時間とするフレックス制度で、この制度を利用して、専門学校や大学院に通っているスタッフがいるという。税理士試験については試験前3日間と本試験当日に「試験休暇」を付与している。また、希望があれば就業時間内に開催される社外セミナーヘの参加も可能だという。
「産前産後休暇、育児休暇、介護休暇についても整備していますので、フレックス制度なども活用して自分のペースで働いてもらいたいですね。服装もカジュアルでOKですから」
2019年中には税理士法人化を予定
もうすぐ設立5年目に入ろうとしているスタートアップ会計事務所だが、2019年に新たな展開はあるのだろうか。
「2019年中には税理士法人化を行う予定です。そして2年半後には横浜に支店を出すことを中期的目標にしています。時期としては、現在の事務所スぺースで40名くらいが限界なので、ここが一杯になる時点までに事務所の組織体制や運営体制を整えたいと考えています。できれば、少しでも早くなればいいのですが。
また、今は私がいないと事務所は回っていきませんが、横浜支店を出す頃には、私がいなくてもある程度回っていくようにしたいと考えています。若いスタッフに任せられることはどんどん任せていきたいですし、それを機会に成長してもらえればいいですね」
税理士法人化、そして支店の展開を控え、オウンドメディアを使ったWebでの集客には一層注力していく方向だという。 「将来的に支店展開はどんどん行っていきたいと考えています。そのためにはWebでの集客が必要になります。地方に行っていきなり支店を出して顧客を、といっても何のツテもないですから。そのためにもWebでの集客は大切になります」
こうしたチャレンジをしていくためにも事務所のスケールは大事だと大堀氏は語る。人を採用して育てるにも、社内環境を整えていくにも、何か新しいことを始めるにも、それなりのスケールは必要になるし、スケールメリットを出せるような規模にしていかなければならないと考えている。
学生時代から始まる独立準備
若くして独立開業して事務所を成長させている大堀氏。会計業界では、独立開業は難しく、税理士資格を取得しても勤務希望が増えているという声も聞こえてくる。大堀氏はどう捉えているのだろうか。
「極端な話ですが、勝負は学生時代から始まっていると思いますし、スタートダッシュが切れれば、あとは自動的に伸びていく仕組みは作れるんじゃないでしょうか。やはりスタートは難しいですし、まったくのゼロからのスタートだとお客さまをつかむのも結構厳しいと思います。
私の場合、学生時代に一緒にいた仲間たちが結構大勢起業家になっていて、彼らからの紹介がかなり来ています。また、前職を退職するときに、きちんと話し合って、何社か引き継がせてもらってもいます。こうした基盤があると、紹介ひとつとっても件数が全然違ってくると思います。学生時代から意識していろいろなツテを作っておくだけで、良いスタートを切りやすくなると思いますし、良いスタートが切れれば、あとはやり方次第です。
会計事務所業界は難しいとよくいわれますし、私も決してうまくいっているわけではありませんが、見方を変えれば、会計業界は営業が苦手な人が多い業界でもあります。だから人と話をすることや営業が得意というだけでも差別化はできます。すごく飛び抜けようとしたら、またそれは難しさがあると思いますが、スタッフ10人くらいまでは十分に可能だと思います。あとはその人のセンスなどによるのでしょうが、世間で言われているような、独立が難しい業界ではないと思います」
遊ぶときはしっかりと遊んだほうがいい
大堀氏は起業するための方法として、税理士資格を持っての起業を選択した。だから早く資格を取得するために学位取得による科目免除も選択した。そんな大堀氏に税理士受験生へのアドバイスをいただいた。
「受験生にとっては逆効果になるかもしれませんが、勉強ばかりしていてはよくないと思います。やはり顧客を獲得するには営業が必要になりますし、営業は人と話せなければならないし、人の気持ちがわからないといけないんです。極端な話ですが、学生時代に合コンをすごく盛り上げられたとか、そういう経験が大切だと思います。だから、単に受験勉強だけを行って資格を取得しても生き残っていけないかもしれません。
ずっと勉強だけしていたら、遊びのほうに目が向かないかもしれませんが、オンとオフはしっかりと分けたほうがいいと思います。もちろん勉強に比重をかけるのは当然ですが、遊ぶときはしっかりと遊んだほうがいい。そして、もしも将来独立開業をしたいという気持ちがあったとしたなら、コミュニケーション能力が鍛えられる環境で遊んだほうがいいと思います」
コミュニケーション能力や人と話せるかどうかは、採用面接の際に、ひとつの判断基準にしている。また、会計ソフトメーカーから顧客を紹介してもらえるポイントのひとつにもコミュニケーション能力の高さがあるそうだ。顧客に聞いてみると、難解な言葉を並べられてもわからないが、大堀氏の話はすごくわかりやすい、という点が紹介のポイントになっているという。
「何か一個の目標を達成しようとすると、何十回も失敗します。でも、私は失敗の数だけ、失敗を乗り越えた数だけ成長すると考えています。だから最後までやり遂げるという気持ちは強く持っていて、それを繰り返していくと何か自信もついてきます。楽観的なのかもしれませんが、自分がやろうとしていることは最終的にうまくいくと思っています。もちろん、その過程では何回も失敗をするんですが、ゴールまでたどり着けなかった経験はほとんどありません。税理士受験もそうだと思います。繰り返しやっていけばたどり着くことができます。そういう経験を若い頃からしているのは、すごく重要だと思います」
35歳、独立4年で顧客数400件という数値だけみると、華やかな成功者というイメージがつきまとう。しかし、大堀氏は本人が語るように失敗を乗り越えた数だけ成長して、今日にいたっている。失敗はしても、繰り返しやっていけばたどり着けないゴールはないと、受験生に伝えたいのだろう。
[TACNEWS|日本の会計人|2018年12月号]