コラム
危険物の種類・性質はこう覚える!
|危険物取扱者乙種4類
類別の性質・性状|危険物取扱者乙種4類
テキスト等には以下のような表が掲載されていることが多いかと思います。
まずは、こちらにある分類を覚えましょう。この分類を覚えることは、今後学習を進める上での基礎となります。
類別 | 性質(燃焼性) | 性質(状態) |
---|---|---|
第1類 | 酸化性固体(不燃) | 固体 |
第2類 | 可燃性固体(可燃) | 固体 |
第3類 | 自然発火性物質および禁水性物質(可燃、一部不燃) | 液体または固体 |
第4類 | 引火性液体(可燃) | 液体 |
第5類 | 自己反応性物質(可燃) | 液体または固体 |
第6類 | 酸化性液体(不燃) | 液体 |
こちらの分類を覚える語呂合わせを紹介します。一般的には類別ごとに性質と性状を合わせて覚えますが、
今回は類別、性質、性状を別々に覚えていきます。
類別の覚え方|危険物取扱者
<語呂> 「いろいろ、だるい」
<類別> 1→6 、第〇類
性質の覚え方|危険物取扱者
語呂 | 三個 | かね? | 自然の | スイカ | 持参 |
---|---|---|---|---|---|
性質 | 酸・固 | 可燃 | 自然 | 水 引火 | 自 酸 |
類別 | 1 | 2 | 3 | 3 4 | 5 6 |
※燃焼性は、第1類と第6類のみが不燃です。
不参加(不燃 → 酸化性固体、酸化性液体)と覚えましょう。
性状の覚え方|危険物取扱者
語呂 | 凍った | 凍った | 凍った体液 | 体液 | 体液凍った | 体液 |
---|---|---|---|---|---|---|
性質 | 固体 | 固体 | 固体・液体 | 液体 | 液体・固体 | 液体 |
類別 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
※性状のポイントは、間違いを防ぐために隣り合わせを同じ性状(固体・固体、液体・液体)とすることです。
(第6類を除く)
類別の概要|危険物取扱者乙種4類
こちらでは、各類で用いる代表的な物品を紹介します。
赤字の部分を中心に覚えましょう。
第1類 酸化性固体|危険物取扱者
物質自体は不燃性。他の物質を強く酸化させる性質をもつ。
また、可燃物と混合したとき、衝撃、熱、摩擦によって分解し、極めて激しい燃焼を起こさせる。
<語呂> 過塩素酸カ、過酸化カ、塩素酸カ・ナ?
<物品名> 過塩素酸カリウム、過酸化カリウム、それとも塩素酸カリウム、塩素酸ナトリウム等
第2類 可燃性固体|危険物取扱者
火炎によって着火しやすい。
比較的低温(40℃未満)で引火しやすく、かつ燃焼が速く消火することが困難である。
<語呂> リンて言おう(硫黄)
<物品名> 三硫化リン、五硫化リン 赤リン、硫黄
第3類 自然発火性物質および禁水性物質|危険物取扱者
空気にさらされることにより自然発火するおそれがある。
または水と接触して発火、もしくは可燃性ガスを発生する。
<物品名> カリウム、ナトリウム、アルキルアルミニウム
※語尾が「ウム」で終わります。
第4類 引火性液体|危険物取扱者
引火性があり、蒸気を発生させ引火や爆発のおそれがある。
<物品名> 二硫化炭素、ガソリン、灯油等
第5類 自己反応性物質|危険物取扱者
比較的低温度で加熱分解等の自己反応を起こし、爆発や多量の熱を発生させる。または爆発的に反応が進行する。
<物品名> 硝酸メチル、硝酸エチル、ニトログリセリンなど。
<語呂> 賞賛(硝酸)されたメチルとエチル。
第6類 酸化性液体|危険物取扱者
物質自体は不燃性。
他の物質を強く酸化させる性質を持つ。
他の可燃物と混在すると燃焼の促進を助けるものもある。
<物品名> 過酸化水素、発煙硝酸、硝酸など。
危険物の性質|危険物取扱者乙種4類
ここからは、第4類危険物の性質についての説明になります。
表および赤字の部分を覚えましょう。
第4類で登場する危険物すべてに共通する特徴|危険物取扱者乙種4類
1
引火性の液体である
2
流動性が高い
3
発火点は650℃以下
4
液体の比重は1より小さい物品が多い
※種類の少ない"比重が1より大きいもの"を覚えましょう。
比重が1より大きいもの|危険物取扱者乙種4類
品名 | 物品名 | 液の比重 |
---|---|---|
特殊引火物 | 二硫化炭素 | 1.3 |
第2石油類 | クロロベンゼン | 1.1 |
酢酸 | 1.05 | |
アクリル酸 | 1.05 | |
第3石油類 | ニトロベンゼン | 1.2 |
グリセリン | 1.3 | |
アニリン | 1.01 | |
第4石油類 | リン酸トリクレジル | 1.17 |
以下の項目は物品による特徴のポイントです。項目別に整理して覚えましょう。
水溶性または非水溶性|危険物取扱者乙種4類
(1)非水溶性のものが多い。
種類の少ない水溶性のものを覚えましょう。
水溶性のもの|危険物取扱者乙種4類
品名 | 物品名 |
---|---|
特殊引火物 | アセトアルデヒド、酸化プロピレン |
第1石油類 | アセトン、ピリジン |
アルコール類 | 全部 |
第2石油類 | 酢酸、アクリル酸、プロピオン酸 |
第3石油類 | エチレングリコール、グリセリン |
(2)静電気が発生・蓄積されやすい。
蒸気|危険物取扱者乙種4類
(1)蒸気の比重はすべて1より大きい。
(2)空気とわずかに混合しても引火するものが多い。
発火点|危険物取扱者乙種4類
(1)発火点 100 ℃以上
(二硫化炭素は 90 ℃)
引火点|危険物取扱者乙種4類
(1)蒸気の比重が小さいものほど引火点が低い場合が多い。
(2)沸点の低いものほど引火点は低い。
石油類の分類|危険物取扱者乙種4類
ここからは石油類ごとの説明になります。
物品名は代表的であり試験においても頻出の物を挙げています。赤字の部分に加えて、物品名は全て覚えましょう。
-
(1)各石油類は1気圧における状態が標準となります。
-
(2)引火点の低い(℃が小さい)ほど、危険度が高くなります。
-
(3)特殊引火物、アルコール類、動植物油類と、"数字"以外もあります。
<語呂>「特殊が 1の上に アル」
品目ごとに覚えてほしいポイントを紹介します。
特殊引火物|危険物取扱者
・引火点 -20℃以下
・発火点 100℃以下
・沸点 40℃以下
<物品名>
ジエチルエーテル → 引火点が最も低い。
二硫化炭素 → 発火点が最も低い。
アセトアルデヒド → 沸点が最も低い。また、燃焼範囲が広い。
※特に二硫化炭素の特徴は頻出です。
第1石油類|危険物取扱者
・引火点 21℃未満
<物品名>
ガソリン、ベンゼン、トルエン、アセトン等
※4文字であって最後が「ン」になります。
※アセトンは水溶性です。アセ(汗、水分)からイメージしましょう。
※自動車用ガソリンはオレンジ色に着色されている。
※ガソリンの引火点は、-40℃以下
アルコール類|危険物取扱者
・引火点 11℃から23℃
<物品名>
メチルアルコール(別名:メタノール)、
エチルアルコール(別名:エタノール)、
n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール
※語尾に「アルコール」が入ります。
※無色透明の液体
※芳香がある。
※蒸気は空気より重い。
※水溶性である。
第2石油類|危険物取扱者
・引火点 21℃以上70℃未満
<物品名>
灯油、軽油、酢酸
※漢字で2文字です。※灯油は無色または淡黄色
酢酸は強い腐食性がある。水溶性。
第3石油類|危険物取扱者
・引火点 70℃以上200℃未満
<物品名>
重油、クレオソート油、グリセリン等
※重油は水よりやや軽い。
第4石油類|危険物取扱者
・引火点 200℃以上250℃未満
<物品名>
潤滑油(ギヤー油、マシン油など)
※霧状、布に染み込んだものなどは引火しやすい。
動植物油類|危険物取扱者
・引火点 250℃未満
<物品名>
オリーブ油、ヤシ油など
霧状、布に染み込んだものなどは引火しやすい。
引火点は ”未満” と ”以上” に挟まれている!!|危険物取扱者
引火点は、21 ℃、70 ℃、200 ℃、250 ℃の 4つを覚えて”未満” ”以上” で区切って覚えると、
難しいことはありません。
あとは特殊引火物(-20℃以下)と動植物油類(250℃未満)を加えるだけです。
アルコール類の引火点は、n-プロピルアルコールが 23 ℃、ほかは 11 ℃ から 13 ℃。
まとめ
1
類別の性別・性状
第4類だけでなく、ほかの類別も覚えましょう!
2
類別の概要
→各類別の性状に由来する名前を利用して覚えましょう!
3
第4類危険物の性質
→種類の少ない比重が1より大きいものから覚えましょう!
4
石油類の分類
→引火点は必ず覚えましょう!
5
各項目の赤字部分は必ず覚えましょう!
語呂によって覚える方法をオススメします。工夫してみましょう!
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